開口面アンテナ(ホーン利得・ビーム幅・実効面積)
実効面積と波長の正方形
周波数とホーンの利得
横軸は周波数(対数)、縦軸はいまの開口寸法と効率でのホーンの利得[dBi]。周波数が10倍で20dB上がる直線になる。
この図の読み方
- 上の図は、ホーンの実効面積(青)を波長の正方形 λ×λ(琥珀色)と並べたもの。何個ぶん入るかが利得の目安になる。
- グラフは、いまの寸法と効率のまま周波数だけを変えたときの利得。周波数が10倍になると20dB上がる直線になる。
- 琥珀色の縦線がいまの周波数。そこから右へ2倍進むと約6dB上がる。
- ビーム幅と実効面積の計算は、このグラフとは別の入力欄で動く。同じ G=4πAe/λ² の関係を逆向きに使っている。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技 / 無線工学B
出題頻度: A問題の空中線の計算で毎期1問前後。角すいホーンの利得、2面の半値幅から指向性利得、dBd で与えた利得から実効面積を出す問題が交代で出る
開口面アンテナの利得は「開口が波長の2乗の何倍あるか」でほぼ決まる。電波を受け止める有効な面積を実効面積 Ae と呼び、G=4πAe/λ² の関係が送受どちらにも成り立つ。ホーンなら縦横の寸法に2つの面の開口効率を掛けたものが Ae になる。逆向きに見ると、ビームが細いほど全電力が狭い立体角に集まるので利得が上がる。2つの主面の半値幅 θE・θH の範囲に電力が一様に出るとみなせば、全球の 4π をその立体角で割るだけで指向性利得が見積もれる。
公式の読み方
- Ae実効面積[m²]。開口の面積に開口効率を掛けたもの
- a, bホーン開口の縦・横の寸法[m]
- ηE, ηHE面・H面の開口効率。2つを掛け合わせて使う
- θE, θH電界面・磁界面の電力半値幅[rad]。度で与えられたらπ/180を掛ける
- λ波長[m]。λ=300/f[MHz]
試験の頻出ポイント
- ホーンの Ae は縦×横×ηE×ηH。2つの効率は足さずに掛ける
- G=4πAe/λ² は面積が λ² の何倍かで決まる。周波数が2倍なら利得は約6dB上がる
- 半値幅の式は rad で計算する。度のまま入れると桁がまったく合わない
- 半値幅が両面とも半分になると立体角は1/4で、指向性利得は約6dB上がる
- dBd で与えた利得は +2.15 で dBi に直してから Ae=λ²G/(4π) へ入れる
シミュレータで確認する
- ホーンの周波数を2倍にする観察: 寸法と効率は同じまま、利得が約6dB上がる→ 面積が同じでも λ² が1/4になるので、波長で測った開口は4倍になる
- 開口効率 ηE を下げる観察: 実効面積が比例して減り、利得も同じ比で下がる→ 実効面積は物理的な面積と効率の積。効率は足さずに掛ける
- 半値幅 θE・θH を両方とも半分にする観察: 指向性利得が約6dB上がる→ 電力が集まる立体角が1/4になる。ビームが細いほど利得が高い
例題
開口の縦12cm・横16cmの角すいホーンを周波数12GHzで使う。E面の開口効率0.75、H面の開口効率0.8のとき、絶対利得をdBで求めよ。
- 波長: λ=300/12000=0.025m
- 実効面積: Ae=0.12×0.16×0.75×0.8=0.01152m²
- 利得(真数): G=4π×0.01152/0.025²≒232
- デシベル: 10log₁₀232≒23.6dB
答え: 約23.6dB
円形のパラボラの利得と半値幅はアンテナ利得で、ホーンやカセグレンの構造は「アンテナ方式図鑑」で確かめられます。