電界強度
距離特性カーブ(EIRP = 1000 W)
片対数グラフで電界強度は−20dB/decadeの直線。自由空間損失と同じ傾きだが、こちらは電界の距離1乗則である点に注意。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技・二陸技 / 無線工学B(一陸技)/無線工学(二陸技)
出題頻度: 頻出。E=√(30P)/dへの数値代入と、dBµV/mへの単位換算を組み合わせた形で出る
送信電力が等方的に広がるとき、距離dの球面上の電力密度はEIRP/(4πd²)である。これを自由空間の波動インピーダンス120πΩを使った関係(電力密度=E²/120π)に代入すると、E=√(30·EIRP)/dという形が得られる。30という数字は120π/4πの比から出る値で、暗記ではなく導出で再現できる。重要なのはEが距離の1乗に反比例すること——電力密度は2乗で薄まるが、電界はその平方根だからである。dB表示では距離10倍ごとに−20dB、EIRP10倍ごとに+10dBという2つの傾きの違いが試験の急所になる。
公式の読み方
- 30120π(自由空間の波動インピーダンス)÷4π(球面の広がり)から出る定数
- √(30·EIRP)EIRPは平方根で効く。電力10倍で電界は√10倍=+10dB
- d距離[m]の1乗に反比例。電力密度の2乗則の平方根に相当し、10倍で−20dB
試験の頻出ポイント
- EIRP=1kW・d=10km→17.32mV/m≒84.8dBµV/mの数値セットがそのまま出る
- 電界は距離に反比例(−20dB/dec)、EIRPには平方根で比例(+10dB/dec)。傾きの混同が定番の引っかけ
- dBµV/mは1µV/m基準の20log。mV/m→µV/mの換算(×1000=+60dB)でのミスが多い
- 式のdはm単位。kmのまま代入すると10³倍=60dBずれる。単位の引っかけの典型
- EIRP=送信電力×アンテナ絶対利得。dB計算ならP[dBW]+G[dBi]の加算で処理する
シミュレータで確認する
- EIRP=1000W・d=10km(初期値)を確認する観察: 84.77dBµV/m(17.32mV/m)→ 仕様検証値。√30000=√3×100≒173.2の暗算を確認する
- dを10→100kmへ10倍にする観察: 64.77dBµV/mへちょうど−20dB落ちる→ 電界は距離1乗の反比例=−20dB/decade
- EIRPを1000→100Wへ1/10にする観察: −10dBだけ下がる→ 電力は平方根で効くため傾きは距離の半分。ここが混同ポイント
例題
EIRP=1000W、距離10kmの点における自由空間電界強度を求め、dBµV/m値でも示せ。
- d=10km=10⁴mに換算する
- E=√(30×1000)/10⁴=173.2/10⁴ V/m ≒17.3mV/m
- 17.32mV/m=17320µV/m → 20log₁₀17320≒84.8dBµV/m
答え: 約17.3mV/m(約84.8dBµV/m)