VSWR・反射係数
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定在波パターン(負荷端 x/λ = 0)
定在波の包絡線は1±|Γ|。腹と節の間隔はλ/4で、負荷端(x=0)はZ_L>Z₀なら腹・Z_L<Z₀なら節から始まる。
この図の読み方
- グラフは、給電線上の各位置で電圧の振れ幅|V|がどれだけになるかを描いたもの。横軸は負荷端からの距離を波長λで測った値。
- 送信機から負荷へ進む波と、負荷で反射して戻る波が同じ線路上で重なると、場所ごとに強め合い・弱め合いが固定される。この「動かない振幅パターン」が定在波。
- 振れ幅が最大になる場所が「腹」(高さ1+|Γ|)、最小になる場所が「節」(高さ1−|Γ|)。腹と節はλ/4おきに交互に並び、同じ種類どうしはλ/2間隔で繰り返す。
- S(VSWR)はこの腹と節の高さの比。反射がなければ(|Γ|=0)腹も節もできず、グラフは高さ1で平坦になる(S=1)。
- 負荷端(x=0)が腹になるか節になるかはΓの符号で決まる。Z_L>Z₀なら腹、Z_L<Z₀なら節から始まる。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技・二陸技 / 無線工学B(一陸技)/無線工学(二陸技)
出題頻度: 頻出。Γ・S・反射電力・リターンロスの相互変換を問う数値計算がほぼ定型で出る
給電線の特性インピーダンスZ₀と負荷Z_Lが一致しないと、送った電力の一部が負荷で反射して戻ってくる。その割合を表すのが反射係数Γで、進む波と戻る波が線路上で重なると、強め合う点(腹)と弱め合う点(節)がλ/2周期で固定される——これが定在波である。VSWRは腹と節の電圧比(1+|Γ|)/(1−|Γ|)で、完全整合なら1、反射が増えるほど大きくなる。Γの符号にも意味があり、Z_L>Z₀なら負荷端が腹、Z_L<Z₀なら節になる。反射電力は|Γ|²なので、|Γ|=0.5でも戻るのは25%である。
定在波が起きると何が問題か
- 反射した電力(全体の|Γ|²)は負荷=アンテナに届かず無駄になる。S=3でも25%が戻り、負荷へ受け入れられる電力は75%。実際に放射される電力は、さらにアンテナ効率を掛けた値になる。
- 腹の位置では電圧が進行波の(1+|Γ|)倍まで高くなり、大電力では給電線やコネクタの絶縁破壊・放電の原因になる。電圧の節は電流の腹にあたり、そこでは電流集中による発熱が増える。
- 戻った電力は送信機まで達して終段(パワーアンプ)を傷める。実際の送信機はVSWRの悪化を検出すると保護回路が働き、出力を自動的に絞る。
- 線路上のどこから見るかによってインピーダンスがZ₀/SからZ₀×Sまで変動し、整合の調整や測定が難しくなる。給電系の設計でVSWRを1に近づけるのはこれらを避けるため。
公式の読み方
- Γ反射係数(符号付き)。Z_L>Z₀なら正(負荷端が腹)、Z_L<Z₀なら負(節)
- S電圧定在波比=腹と節の電圧比。完全整合で1、|Γ|→1で∞
- RL反射損失(リターンロス)=−20log₁₀|Γ|[dB, 正値]。大きいほど整合が良い
試験の頻出ポイント
- (Z_L,Z₀)=(150,50)→Γ=0.5・S=3・反射電力25%・RL≒6dBのセットが最頻出の数値
- S=3でも反射電力は25%で、負荷に届くのは75%。「Sの値=損失の割合」ではない
- RLは正値で定義(−20log₁₀|Γ|)。符号を逆に取らせる引っかけに注意する
- 逆変換|Γ|=(S−1)/(S+1)も要暗記。S=2なら|Γ|=1/3、S=1.5なら0.2
- 定在波の腹と節の間隔はλ/4、同種どうしはλ/2。負荷端が腹か節かはΓの符号で決まる
シミュレータで確認する
- Z_L=150Ω・Z₀=50Ω(初期値)を確認する観察: Γ=0.5、S=3.0、RL6.02dB、反射25%→ 仕様検証値のセット。4つの量の連動をまず頭に固定する
- Z_Lを150→50Ωへ動かして整合させる観察: S=1になり、定在波パターンが平坦になる→ 整合=反射ゼロ=腹も節もない進行波だけの状態
- Z₀を75Ωに、Z_Lを50Ωにする観察: Γ=−0.2となり負荷端(x=0)が節になる→ Γの符号は腹・節の位置に現れる。大きさだけでなく符号も見る
例題
特性インピーダンス50Ωの給電線に150Ωの純抵抗負荷を接続した。VSWR・反射損失・反射電力の割合を求めよ。
- Γ=(150−50)/(150+50)=100/200=0.5
- S=(1+0.5)/(1−0.5)=3.0
- RL=−20log₁₀0.5≒6.0dB、反射電力=0.5²=25%
答え: S=3.0(RL約6.0dB、反射25%)
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スミスチャート
このページの負荷は純抵抗まで。複素負荷R+jXの反射と、線路を進むと インピーダンスが回転する様子は、スミスチャート教材で動かして確かめられます。
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反射が起きる理由の先、つまり同軸・平行二線・マイクロストリップの構造で 特性インピーダンスがどう決まるのか、L形整合・スタブ・1/4波長変成器で どう反射を消すのかは、無料の深掘り編「給電線と整合回路」が扱います。