アンテナ利得
利得 vs 開口径カーブ(f = 6000 MHz、η = 0.6)
横軸の口径Dに対して利得は対数的に増える。D2倍ごとに+6dBの等間隔になっていることをカーブ上で確認できる。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技・二陸技 / 無線工学B(一陸技)/無線工学(二陸技)
出題頻度: 頻出。開口面利得の数値計算と、dBi/dBd換算(2.15dB)の正誤・穴埋めが定番
パラボラアンテナの利得は、開口面が電波をどれだけ鋭く絞れるかで決まる。開口の大きさを波長で測り直すと(πD/λ)²という形が現れ、口径Dが波長に比べて大きいほど強く絞れる。実際には鏡面精度や照射分布のむらで理想どおりには絞れず、その割引率が開口効率η(実用は0.5〜0.7程度)である。同じ物理から、絞るほどビームは細くなるという裏返しの関係HPBW≈70λ/Dも出てくる。「利得が6dB上がればビーム幅は半分」——この対になった関係を1つの物理像として持てば、2つの式を別々に暗記せずに済む。
公式の読み方
- η開口効率(実効面積/物理面積)。パラボラの実用値は0.5〜0.7程度
- (πD/λ)²口径を波長で測った電気的大きさの2乗。Dが2倍でもfが2倍でも利得+6dB
- 2.15絶対利得dBiと相対利得dBd(半波長ダイポール基準)の差。dBi=dBd+2.15
試験の頻出ポイント
- Dやfが2倍で利得+6dB(Gは(D/λ)²に比例)。HPBWは逆に半分になる対の関係
- dBi(等方性アンテナ基準)とdBd(半波長ダイポール基準)の2.15dB差。どちら基準か問題文で確認
- 開口効率ηの掛け忘れで理想値(πD/λ)²のまま答えさせる引っかけが定番
- D=2m・6GHz・η=0.6→約39.8dBi/HPBW1.75°がそのまま出題水準の数値セット
- HPBW≈70λ/Dの70は照射分布に依存する経験係数で、厳密な定数ではない近似式である
シミュレータで確認する
- D=2m・f=6000MHz・η=0.6(初期値)を確認する観察: 39.77dBi(37.62dBd)、HPBW1.75°→ 仕様の検証値そのもの。dBi−2.15=dBdの換算もここで確認する
- Dを2→4mへ2倍にする観察: 利得は+6.0dBの45.79dBiへ、HPBWは半分の0.875°→ 利得とビーム幅は同じ(D/λ)から出る表裏の関係
- ηを0.6→0.7へ上げる観察: 利得は+0.7dB弱しか増えない→ ηはdBでは10log₁₀η。η=0.6で−2.2dB、0.5で−3dBの目減り
例題
口径2m、周波数6GHz、開口効率0.6のパラボラアンテナの絶対利得[dBi]と半値幅を求めよ。
- λ=300/6000=0.05m
- G=0.6×(π×2/0.05)²=0.6×(40π)²≒9475
- 10log₁₀9475≒39.8dBi(dBdなら−2.15で約37.6dBd)
- HPBW≈70×0.05/2=1.75°
答え: 約39.8dBi・HPBW約1.75°