2波モデル(大地反射)
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試験の近似式 Δ = 20log₁₀(2|sin(2πh₁h₂/λd)|)厳密式(経路長 r₁・r₂ をそのまま使う)
櫛状の縞は直接波と大地反射波の干渉。谷はsin項=0の打消し点(−60dBでクリップ)、遠方は単調減衰(受信電力では距離4乗則)になる。
この図の読み方
- グラフはタブで2枚: 距離特性は横軸が距離、ハイトパターンは横軸が受信高h₂。縦軸はどちらも自由空間を0dBとした相対レベル。
- 櫛のような縞模様は、直接波と大地反射波の干渉。山は2波が同相で強め合う点(最大+6dB)、谷は逆相で打ち消し合う点。
- 谷底が−60dBで平らに切れているのは表示上のクリップ。h₁・h₂・fのどれを上げても縞の間隔が詰まり、山谷の数が増える。
- 距離特性の最後の山より右では縞が消えて単調な下り坂に変わる。図の相対レベルは20dB/decadeで落ち、自由空間損失と合わせた受信電力が距離4乗則(40dB/decade)になる。
- 実線は試験で使う近似式、破線は経路長r₁・r₂をそのまま使う厳密式。橙色の範囲(d<10(h₁+h₂))は近似の適用外で、数値表示は厳密式へ切り替わる。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技・二陸技 / 無線工学B(一陸技)/無線工学(二陸技)
出題頻度: 頻出。行路差2h₁h₂/dの導出、ハイトパターン、遠方の距離4乗則が主な出題形
大地の上の伝搬では、直接波に加えて地面で反射した波が受信点に届く。反射波は行路がわずかに長く、さらに反射時に位相が反転する(Γ=−1)。両者の行路差が半波長の奇数倍なら反転込みで同相合成となり最大+6dB、波長の整数倍なら逆相で深く落ち込む——これがチャートに現れる櫛状の干渉縞である。行路差は近似的に2h₁h₂/dなので、距離を延ばすと位相差は単調に減っていき、最後の山を越えた先(ブレークポイント以遠)では受信電力が距離の4乗に反比例する急な下り坂に入る。
公式の読み方
- 2直接波と反射波の同相合成の上限。最大で+6.02dB(電界2倍)
- h₁h₂位相項の分子。アンテナ高の積で、どちらを上げても干渉縞は細かくなる
- λd位相項の分母。距離を延ばすほど位相差が減り、最後は単調減衰(4乗則域)へ入る
- 適用条件d ≧ 10(h₁+h₂)。行路差2h₁h₂/dは、電波が地面をかすめるほど遠いときの近似
試験の頻出ポイント
- 反射係数はΓ=−1(完全反射・位相反転)が標準仮定。この前提自体が正誤問題で問われる
- 行路差の近似2h₁h₂/dの導出と、λ/2の奇数倍で最大・λの整数倍で最小になる条件式が頻出
- 最後の極大より遠方では受信電力が距離の4乗に反比例。自由空間の2乗則との対比で出る
- ハイトパターン: 受信高を動かすと山谷が周期的に現れる。山の間隔はλd/(2h₁)
- sin項が0の完全打消し点は理論上−∞dB。本ツールは下限−60dBでクリップ表示している
- 行路差2h₁h₂/dは遠方近似。距離がアンテナ高と同程度まで近づくと成り立たず、経路長を直接求める必要がある
シミュレータで確認する
- 初期値(h₁=20m・h₂=10m・f=900MHz)のまま距離特性タブを見る観察: 近距離は細かい干渉縞、遠方は単調な下り坂になる→ 縞の領域と4乗則領域の境目がブレークポイント
- d=2km・f=1000MHz・h₁=25m・h₂=6mに合わせる観察: 相対レベルが+6.0dBの極大に乗る→ 行路差λ/2: 反射の位相反転込みで同相合成、電界は2倍
- ハイトパターンタブでh₂を1→100mへ動かす観察: ほぼ一定間隔で山谷が繰り返す→ 山の間隔λd/(2h₁)から逆にh₁や周波数を求める逆算問題が出る
例題
h₁=20m、h₂=10m、f=750MHz、d=10kmのとき、直接波に対する2波合成の相対レベルを求めよ(Γ=−1)。
- λ=300/750=0.4m、d=10000mに揃える
- 位相項 2πh₁h₂/(λd)=2π×200/4000≒0.314rad
- 2|sin 0.314|=2×0.309=0.618 → 20log₁₀0.618≒−4.2dB
答え: 約-4.2dB