電波の見通し距離
断面図
地球曲率は誇張表示 / ━ K=1(幾何) ━ K=4/3(電波)h₁ = 100 mh₂ = 25 m
断面図は地球のふくらみを誇張表示。K=4/3では地球のカーブが緩くなり、同じ高さでも水平線が遠ざかることが読み取れる。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技・二陸技 / 無線工学B(一陸技)/無線工学(二陸技)
出題頻度: 頻出。単独の数値計算のほか、K=4/3 の意味を問う正誤問題としても登場
電波はほぼ直進するため、丸い地球では水平線の先に届かない——これが見通し距離の出発点で、アンテナを高くするほど水平線は遠ざかる。ただし届く距離は高さに比例せず√hでしか伸びない。さらに大気の屈折率は上空ほど小さく、電波はわずかに下へ曲がりながら進むため、幾何学的な水平線より遠くまで届く。これを「地球の半径が4/3倍に膨らんだ」と等価的に考えるのがK=4/3で、係数が3.57から4.12へ変わる理由である。2式の違いは等価地球半径の平方根の比√(4/3)≒1.155に由来する。
公式の読み方
- 4.12電波用の係数(K=4/3)。幾何学的見通しなら3.57。単位は h:m、d:km
- √h₁送信アンテナ高の平方根。高さ4倍でも距離は2倍にしかならない
- √h₂受信側も同形で加算。両端の高さが独立に寄与する
試験の頻出ポイント
- 係数3.57(幾何学)と4.12(電波・K=4/3)の使い分け。問題文がどちらを問うか必ず確認する
- √hを忘れてhに比例させる誤りが定番の引っかけ。h=100mなら√h=10と即座に開く
- K=4/3は標準大気の屈折を等価地球半径で表したもの。「地球半径を4/3倍とみなす」意味も正誤で出る
- h₁=100m・h₂=25m → 4.12×(10+5)=61.8km のように平方根が開ける数値で出題される
- 4.12=3.57×√(4/3)。2つの係数は独立ではなく等価地球半径の平方根で結ばれている
シミュレータで確認する
- h₁を100m(√h₁=10)、h₂を25m(√h₂=5)に合わせる観察: 電波見通し距離61.8km、幾何学的見通し53.55kmになる→ 4.12×15と3.57×15。試験の代表数値をそのまま再現できる
- h₁を100→25mへ下げる観察: 電波見通しが61.8→41.2kmへ、Δ表示は−20.6km→ 高さ1/4で√hは1/2。距離は高さに比例せずずっと鈍く縮む
- 続けてh₂を25→100mへ上げる観察: 41.2→61.8kmへ戻り、Δは+20.6km→ h₁とh₂は式の上で対称。どちらを上げても同じだけ伸びる
例題
アンテナ高100mの送信所と高さ25mの受信点の間の、電波の見通し距離(K=4/3)を求めよ。
- √100=10、√25=5 を先に開く
- d=4.12×(10+5)
- d=4.12×15=61.8km
答え: 約61.8km