導波管・遮断周波数
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3Dイメージ(TE₁₀モードの電界)
縦の矢印が電界E。広辺の中央で最大・壁面でゼロ(TE₁₀)。伝搬中はλg/2ごとに向きが反転し、fを下げてfcを割ると波にならず入口から減衰する。
管内波長 vs 周波数(a = 22.86 mm、fc = 6.562 GHz 付近で発散)
λgは遮断周波数fcの直上で発散し、周波数が高いほど自由空間波長λに漸近する。カーブが常にλより上にある点が要点。
この図の読み方
- 横軸は周波数の対数軸、縦軸は管内波長λg。曲線は今の広辺aの導波管で周波数だけを変えたときの特性。
- 曲線の左端は遮断周波数fcのすぐ上。fc以下の遮断域は波が伝搬できないため、曲線ごと描かれていない。
- fcへ近づくほどλgは急激に伸びて発散し、周波数を上げるほど自由空間波長λに近づく。λgは常にλより長い。
- fを下げてfcを割り込むと左カードが「遮断」表示になり、グラフ上の琥珀色の点も消える。
- aを動かすとfc=c/2aが変わるため、曲線全体が左右へスライドする(広いほどfcが低く、左へ動く)。
この計算が問われる場面
対象: 一陸技・二陸技 / 無線工学B(一陸技)/無線工学(二陸技)
出題頻度: 頻出。遮断周波数fc=c/(2a)の計算と、λg>λ・遮断域の性質を問う正誤が定番
導波管は中空の金属管で、壁面で電界が0になる境界条件を満たす波しか通れない。TE₁₀モードでは広辺aに半波長がちょうど収まるのが限界で、これより波長が長い(周波数が低い)波は伝搬できない——これが遮断周波数fc=c/(2a)である。伝搬できる波も管内では壁に反射しながらジグザグに進むため、管軸方向の波面間隔は引き伸ばされ、管内波長λgは必ず自由空間波長λより長い。fがfcに近づくほどλgは発散し、fc以下では伝搬しない。本ツールはc≈3×10⁸m/s近似のためfc[MHz]=150000/a[mm]で計算する。
公式の読み方
- fc遮断周波数=c/(2a)。広辺aに半波長が収まる限界。c≈3×10⁸近似で150000/a[mm]→MHz
- √(1−(fc/f)²)伝搬の余裕度。f→fcで0に近づきλgが発散、f≤fcでは伝搬しない(遮断)
- λg管内波長。ジグザグ伝搬のため必ず自由空間波長λより長い
試験の頻出ポイント
- λg>λ(管内波長は自由空間より長い)。「短くなる」と答えさせる引っかけが最頻出
- fc=c/(2a)はTE₁₀(基本モード)の式。aは広辺で、狭辺bは遮断周波数に関係しない
- WR-90(a=22.86mm)・10GHzでλg≒3.98cmの数値例。c≈3×10⁸近似ではfc≒6.56GHz
- f≤fcでは伝搬せず急激に減衰する。「弱くなるが伝わる」という選択肢は誤り
- 位相速度はc超・群速度はc未満でvp·vg=c²。λgが伸びる現象と同じ根から出る性質
シミュレータで確認する
- a=22.86mm(WR-90)・f=10GHz(初期値)を確認する観察: fc≒6.56GHz、λg≒3.98cm→ 自由空間λ=3cmより長い。λg>λをまず数値で確認する
- fを10GHz→7GHzへ下げてfcに近づける観察: λgが約12.3cmまで急伸する→ fcに近づくとλgは発散へ向かう。カーブ左端の立ち上がりそのもの
- fを6GHzへ下げてfcを割り込む観察: 「遮断」表示になり、λgとΔ表示が消える→ 遮断域では伝搬しない。λgが定義できない領域がある
例題
広辺a=50mmの方形導波管(TE₁₀モード)に5GHzを加えた。遮断周波数と管内波長を求めよ(c≈3×10⁸m/s)。
- fc=150000/50=3000MHz=3GHz
- λ=300/5000=0.06m=6cm、fc/f=0.6
- λg=6/√(1−0.36)=6/0.8=7.5cm
答え: fc=3GHz、λg=7.5cm