電波の基礎|深掘り編
給電線と整合回路 — 線路の種類と整合の設計
送信機とアンテナの間には必ず線が1本通っている。低い周波数ならただの電線でよかったものが、周波数が上がると突然「線路」という独立した部品になり、長さや太さや断面の形が性能を左右しはじめる。ここから先、電線は電気を運ぶ道ではなく、電波を導く構造物になる。この講座は、その切り替わりがどこで起きるのかを分布定数線路の考え方から説明し、平行二線・同軸・マイクロストリップという3種類の断面を見分けられるようにしたうえで、線路とアンテナの食い違いを埋める整合回路の設計まで進む。整合の道具は3つある。集中定数のL形、線路の切れ端で作るスタブ、そして1/4波長変成器である。どれも狙いは同じで、負荷から見えるインピーダンスを線路の特性インピーダンスへ揃えることだが、使える周波数と使える場所が違う。最後は、線路上の任意の点で見えるインピーダンスを1本の式で書き、定在波の測定値から負荷を逆算するところまで戻ってくる。
第1章 分布定数線路の基礎 — Z₀ = √(L/C) はどこから来るか
電気回路の授業では、導線は抵抗ゼロの理想的な接続として扱われる。導線のどこを測っても電位は同じで、長さは意味を持たない。この扱いが許されるのは、信号の波長に比べて導線が十分に短いあいだだけである。1MHzの信号なら波長は300mだから、机の上の数十cmの配線は波長の千分の一に過ぎず、線の左端と右端で電圧が違うとは考えなくてよい。ところが3GHzでは波長が10cmになる。同じ数十cmの配線が数波長ぶんの長さを持ってしまい、線のこちら側とあちら側で電圧の位相がまるで違う。ここから導線は「接続」ではなく「線路」になる。
目安として、線路長が波長の10分の1を超えたあたりから分布定数として扱う。集中定数回路ではコイル・コンデンサ・抵抗が特定の場所に固まって存在するが、分布定数線路ではそれらが線路の全長にわたって連続的に散らばっている。2本の導体が並んで走れば、その間には必ず静電容量ができ、電流が流れれば必ず磁束が生じてインダクタンスができる。線路はこの微小なLとCが無限に連なった梯子だと考える。
この梯子の入口に電圧を加えると、電荷は最初の区間のCを充電し、その電流が次の区間のLを通って先へ進み、また次のCを充電する——という連鎖が光速に近い速さで走っていく。このとき入口で見える「電圧と電流の比」は、梯子が十分に長ければ長さに関係なく一定の値へ落ち着く。それが特性インピーダンスZ₀である。抵抗と同じ次元を持ちオームで表すが、電力を熱に変える抵抗ではない。無損失線路のZ₀は純粋な実数でありながら、そこで消費は起きず、電力はすべて先へ運ばれていく。
特性インピーダンス[Ω]。Lは単位長あたりのインダクタンス[H/m]、Cは単位長あたりの静電容量[F/m]、Rは導体の直列抵抗[Ω/m]、Gは絶縁体の漏れコンダクタンス[S/m]。高い周波数ではωL≫R、ωC≫Gとなるので一般形はZ₀=√(L/C)へ近づき、周波数によらない実数になる。
Z₀には2つの読み方がある。1つは「無限に長い線路の入口で見えるインピーダンス」。もう1つは「そこで終端すれば反射が起きない抵抗値」である。この2つは同じことを言っている。無限長線路には戻ってくる先が無いので反射波が存在せず、その入口インピーダンスと同じ値の抵抗で終端すれば、線路の側からは無限に続いているのと区別がつかない。Z₀で終端した線路には進行波だけが存在し、線路上のどこで測っても電圧と電流の比はZ₀になる。
終端がZ₀と違えば、送られてきた電力の一部が負荷に入りきらず反射する。反射波は進行波と同じ線路上を逆向きに戻り、両者が重なって定在波を作る。反射の度合いを表す反射係数Γと電圧定在波比Sの相互換算は/vswrが正面から扱うので、ここでは結果だけを再掲しておく。本講座で必要になるのは、Sが「線路上でインピーダンスがどれだけ振れるか」の指標でもある、という側面である。
反射係数と電圧定在波比。この講座では特性インピーダンス50Ωの線路に100Ωの純抵抗負荷をつないだ組を通しの例として使う。Γ=(100−50)/(100+50)=1/3、S=(1+1/3)/(1−1/3)=2.0になる。以降の整合回路はすべて、この同じ負荷を50Ωへ揃えるための別々の方法である。
もう1つ、線路上を波がどれだけの速さで進むかも、同じLとCで決まる。位相速度は1/√(LC)であり、位相定数βはω√(LC)、これは2π/λと同じものである。ここで言うλは自由空間の波長ではなく線路上の波長で、絶縁体が詰まっている線路では自由空間より短くなる。この比が波長短縮率で、比誘電率εrの誘電体で満たされた線路では1/√εrになる。
位相速度[m/s]、位相定数[rad/m]、線路上の波長[m]。λ₀は自由空間の波長で、試験用近似ではλ₀[m]=300/f[MHz]。βとλは以降の整合回路の式にすべて現れるので、線路上の波長で測ることを最初に固定しておく。
数値を入れてみる。ある同軸線路の単位長あたりのインダクタンスが250nH/m、静電容量が100pF/mだったとする。特性インピーダンスは√(250×10⁻⁹ / 100×10⁻¹²) = √2500 = 50Ω。位相速度は1/√(250×10⁻⁹ × 100×10⁻¹²) = 2×10⁸ m/s で、光速の約0.667倍である。波長短縮率0.667の逆二乗から比誘電率は2.25と分かり、これはポリエチレン絶縁の同軸ケーブルの典型値と一致する。300MHzでは自由空間の波長が1mでも、この線路の中では約0.667mになる。
L=250nH/m・C=100pF/mの同軸線路の例。Z₀は比だけで決まり、位相速度は積だけで決まる。両方を測れば単位長あたりのLとC、そして絶縁体の比誘電率まで逆算できる。
識別ポイント
- 集中定数として扱えるのは線路長が波長の1/10程度まで。それを超えたら分布定数線路として扱う
- Z₀は比√(L/C)、位相速度は積1/√(LC)。片方だけでは両方は決まらない
- 無損失線路のZ₀は実数だが電力を消費しない。Z₀で終端すると反射がゼロになるだけ
- 線路上の波長は自由空間より1/√εr倍短い。スタブの長さは必ず線路上の波長で測る
第2章 線路の種類と構造 — 断面を見れば特性が読める
特性インピーダンスは断面の形と寸法と絶縁体で決まる。逆に言えば、断面図を見せられたら、その線路が何であり、どちらへ寸法を動かせばZ₀がどちらへ動くかを答えられるはずである。試験は実際にそういう問い方をしてくる。ここでは代表的な3種類——平行二線、同軸、マイクロストリップ——を並べ、最後に導波管との使い分けまで触れる。
平行二線から始める。直径dの導体を2本、間隔Dで平行に走らせただけの構造で、テレビ受信機の300Ωフィーダとして長く使われてきた。2本の導体は電気的に対等で、どちらも接地されていない。流れる電流は大きさが等しく向きが逆で、大地に対する電位も符号が逆で大きさが同じになる。これが平衡形の線路である。構造が単純で損失が小さく、高いインピーダンスを作りやすいのが利点だが、電磁界が導体の外側の空間へ広がるので、近くに金属や人が来ると特性が変わり、放射損も出る。
平行二線の特性インピーダンス。Dは2本の導体の中心間隔[m]、dは導体の直径[m]で、比は無次元なので単位を揃えれば何でもよい。空気(εr≒1)では276log₁₀(2D/d)。自然対数の係数120を常用対数へ直すと120×2.303≒276になる。等号ではなく近似なのは、この形が D ≫ d(導体が細く十分に離れている)ときのものだからである。厳密には Z₀ = (120/√εr)arccosh(D/d) で、2D/d が小さくなるほど両者はずれる。試験で使うのは上の近似式でよい。
直径2mmの導体を中心間隔12mmで並べると、2D/d = 24/2 = 12 だから、Z₀ = 276 × log₁₀12 ≒ 276 × 1.079 ≒ 298Ω。市販の300Ωフィーダの値とよく合う。間隔を広げるほど、あるいは導体を細くするほどZ₀は上がる。
逆に、50Ωのような低いインピーダンスを平行二線で作ろうとするとどうなるか。ここは近似式ではなく厳密式で見る必要がある。空気中で arccosh(D/d) = 50/120 = 0.4167 を解くと D/d = cosh(0.4167) ≒ 1.088、すなわち 2D/d ≒ 2.18 になる。中心間隔が直径のわずか1.09倍ということは、2本の導体の表面のすきまが直径の約9%しかないという意味で、実質的に導体どうしが接してしまう。だから低インピーダンスは平行二線ではなく同軸の担当である。
同軸線路は、内部導体を外部導体が同心に取り囲む構造で、電磁界が外部導体の内側に完全に閉じ込められる。外へ漏れず、外からも入らないので、放射損が無く外部雑音にも強い。外部導体は接地されて基準電位となり、内部導体だけが信号を運ぶ。2本の導体の役割が対等でないので、これは不平衡形の線路である。特性インピーダンスは外部導体の内径Dと内部導体の外径dの比、そして充填された誘電体の比誘電率で決まる。
同軸線路の特性インピーダンス。Dは外部導体の内径、dは内部導体の外径で、比だけが効く。誘電体がポリエチレン(εr≒2.25、√εr=1.5)ならD/d≒3.5で約50Ω、D/d≒6.6で約75Ωになる。εrが大きいほどZ₀は小さくなる。
この式のありがたいところは、比の対数しか出てこないことである。誘電体を変えずに寸法だけを動かした場合、比誘電率は消えてしまい、対数の比だけで新しいZ₀が出る。
条件を1つ置いて確かめる。内部導体の外径2mm、外部導体の内径16mmで75Ωの同軸があったとしよう。D/d = 8である。ここで内部導体だけを2倍の4mmに太らせると、D/d = 4になる。
新しいZ₀は 75 × log₁₀4 / log₁₀8 = 75 × (2 log₁₀2)/(3 log₁₀2) = 75 × 2/3 = 50Ω。log₁₀2が約分で消えるので、電卓なしでちょうど50Ωと出る。
この結果は、内部導体を太くすると内外の隙間が狭まって静電容量Cが増え、Z₀=√(L/C)が下がる、という第1章の描像とも符合する。
同じ誘電体のまま内部導体の外径を2mmから4mmへ2倍にしたときの特性インピーダンス。比誘電率は比を取ると消えるので、内外径比の対数だけで答えが出る。D/dは8から4へ半分になるが、Z₀は半分ではなく2/3倍である。
3つ目がマイクロストリップ線路である。接地導体板の上にアルミナやフッ素樹脂などの薄い誘電体基板を密着させ、その上に幅の狭い薄いストリップ導体を載せる。プリント基板の製造工程でそのまま作れるので、マイクロ波の回路では標準的な線路になっている。接地板が基準電位、ストリップ導体が信号線なので、同軸と同じく不平衡形である。ただし同軸と決定的に違うのは、上側が開いていることだ。電磁界の一部は誘電体基板の中を、残りは上の空気中を通る。開放線路なので放射損があり、外部雑音の影響も受ける。
電気力線が誘電体と空気の2つの媒質にまたがるので、線路が感じる誘電率は基板のεrそのものではなく、その間のどこかの値になる。これを実効誘電率εeffと呼び、必ず1 < εeff < εr の範囲に入る。線路上の波長はλ = λ₀/√εeff になるから、マイクロ波回路の寸法設計にはεeffが直接効いてくる。比誘電率の大きい基板を使うと電磁界が基板内へ強く引き込まれて外へ漏れにくくなり、放射損が減る。放射損を抑えたいならεrの大きい基板を選ぶ、というのはここから来る設計判断である。
マイクロストリップ線路の実効誘電率と波長、そして幅の広い極限での特性インピーダンスの向き。dは誘電体基板の厚さ、wはストリップ導体の幅。w/dが小さいほど、またεrが小さいほどZ₀は大きくなる。3GHz(λ₀=100mm)でεeff=2.0なら線路上の波長は約70.7mmになる。
寸法比とZ₀の向きは、平行平板コンデンサを思い浮かべると迷わない。ストリップ導体を幅広にすれば接地板との対向面積が増えて静電容量Cが増え、Z₀=√(L/C)は下がる。逆にストリップを細くする、あるいは基板を厚くして両者を遠ざければ、Cが減ってZ₀は上がる。つまりw/dが小さいほどZ₀は大きい。εrについても同じで、誘電体が詰まるほどCが増えるからZ₀は下がる。εrが小さいほどZ₀は大きくなる。
伝送モードにも触れておく。平行二線・同軸・マイクロストリップはいずれも2本の導体を持ち、電界も磁界も進行方向の成分をほとんど持たないTEM波(横電磁波)として扱える。マイクロストリップだけは電磁界が誘電体と空気にまたがるため厳密なTEMにはならず、準TEMと呼ぶこともあるが、試験では「ほぼTEMモード」として扱う。TEM波には遮断周波数が無いので、これらの線路は直流から使える。
対して方形導波管は1本の中空の金属管であり、内部に2本目の導体が無い。導体が1本ではTEM波は成立しないので、電界か磁界のどちらかが進行方向の成分を持つTEモード・TMモードで伝送する。その結果、遮断周波数より低い周波数は伝わらないというハイパスフィルタのような性質が生まれる。使い分けは損失で決まる。同軸はマイクロ波帯まで上がると誘電体損と導体損が急に増え、大電力も通しにくい。導波管は中空で誘電体損が無く、大電力を低損失で運べるが、寸法が波長で決まるので低い周波数では巨大になる。遮断周波数・管内波長・位相速度・群速度の計算は/waveguideが扱う。
識別ポイント
- 平行二線: 対等な2本の導体が並ぶ。平衡形。空気中で約300Ωが作りやすく、Z₀=276log₁₀(2D/d)
- 同軸: 内部導体を外部導体が同心に囲む。不平衡形。電磁界が外へ漏れない。Z₀=(138/√εr)log₁₀(D/d)
- マイクロストリップ: 接地導体板・誘電体基板・ストリップ導体の3層。不平衡形の開放線路で放射損がある。w/dが小さいほどZ₀は大きい
- 導波管: 中空の金属管で導体は1本。TEM波は伝搬せず、遮断周波数以下は通さない
- TEM波が伝搬できるのは導体が2本ある線路だけ。この1点で導波管とそれ以外が切り分けられる
第3章 平衡・不平衡とバラン — つなぎ違えると線が放射する
前章で線路を平衡形と不平衡形に分けた。この区別は分類のための分類ではない。平衡なアンテナと不平衡な線路を直結すると実際に不具合が起き、それが試験でも実務でも問われる。まず言葉の意味を固めておく。平衡形とは、2本の導体が電気的に対等で、大地に対する電位が大きさ等しく符号が逆になっている状態を指す。半波長ダイポールや平行二線がこれにあたる。不平衡形とは、一方の導体が接地されて基準電位になっている状態で、同軸線路・マイクロストリップ線路・接地アンテナがこちらである。
同軸線路の中では、内部導体を流れる電流と外部導体の内側を流れる電流が大きさ等しく逆向きになっている。ここまでは何も問題がない。ところが同軸の先端をダイポールの2つのエレメントへ直接つなぐと、外部導体側の電流には行き先が2つできる。エレメントへ流れ込む道と、外部導体の外側の面を伝って戻る道である。高い周波数では表皮効果によって外部導体の内側と外側は電気的に別の面としてふるまうので、この分流は実際に起こる。その結果、給電線の外側表面に電流が流れ、線路そのものが放射体になる。
漏洩電流が起きると何が困るか
- アンテナ本来の指向性が乱れる。給電線が第2のアンテナとして働き、合成パターンが設計と変わる
- 給電線の引き回しを変えるだけで測定値が動く。再現性のある測定ができなくなる
- アンテナの2つのエレメントを流れる電流が不平衡になり、放射効率が落ちる
- 受信では給電線が雑音を拾い込む経路になる。同軸の「外来雑音に強い」という利点が失われる
これを防ぐのが平衡不平衡変換器、いわゆるバランである。名前はbalanced-to-unbalancedの短縮で、役割は文字どおり平衡系と不平衡系のつなぎ目を作ることだ。代表的なものが2つある。同軸の外側に金属の筒をかぶせるシュペルトップと、同軸の一部を迂回路として使うU字管バランである。
シュペルトップの原理は、先端を短絡したλ/4の線路が入口では開放に見えるという性質である。同軸の外部導体と、それを囲む金属筒との間にできる隙間もまた1つの同軸線路であり、その線路の長さをλ/4にして根元で短絡しておく。すると筒の先端側から見たインピーダンスが非常に大きくなり、外部導体の外側を戻ろうとする電流の行き場が無くなる。この「λ/4短絡で開放になる」という性質は第5章のスタブそのもので、バランはスタブの応用例だと言ってもよい。インピーダンス変換はしないので、比は1:1である。
U字管バランは考え方が違う。平衡給電では2つのエレメントに180度位相の違う電圧を加える必要がある。そこで、片方のエレメントへは同軸から直接、もう片方へはλ/2の長さの同軸を迂回させてから加える。線路をλ/2進めば位相はちょうど180度遅れるので、2つのエレメントには逆位相の電圧が現れ、平衡給電が成立する。副産物として、2つの給電点が直列に見えるためインピーダンスが4倍になる。不平衡側75Ωに対して平衡側は300Ωになるので、300Ωの折返しダイポールを75Ωの同軸で給電する、という組合せがそのまま成立する。
2つのバランの線路長とインピーダンス比。長さはいずれも線路上の波長で測るので、誘電体入りの同軸では物理長が1/√εr倍短くなる。U字管の4:1は、不平衡側75Ωに対して平衡側300Ωという実用的な組合せを作る。
どちらのバランも特定の長さを波長で決めているので、周波数特性を持つ。設計周波数から離れれば阻止も位相反転も不完全になり、広帯域で使うには帯域ごとにバランを取り替えるか、別方式の広帯域バランを使うことになる。平衡アンテナを不平衡の測定器で測るときの実務上の対処も含め、この論点は/basics/measurementの第6章が測定の側から扱っている。
識別ポイント
- 平衡形: 2導体が対等で、対地電位が符号だけ逆。平行二線、半波長ダイポール、折返しダイポール
- 不平衡形: 一方が接地されて基準電位。同軸線路、マイクロストリップ線路、1/4波長接地アンテナ
- シュペルトップはλ/4短絡・比1:1、U字管はλ/2迂回・比4:1。長さと比がセットで覚えどころ
- λ/4短絡線路が入口で開放になる性質は、シュペルトップとスタブで同じものが使われている
第4章 集中定数のL形整合 — リアクタンス2個で抵抗差を埋める
ここから整合の話に入る。整合とは、負荷から見えるインピーダンスを線路の特性インピーダンスへ揃え、反射を無くすことである。第1章の例で言えば、50Ωの線路に100Ωの負荷がぶら下がっている状態を、線路側から見て50Ωに見えるように作り替える。素朴に考えれば、間に50Ωの抵抗を入れれば辻褄が合いそうに思える。しかしそれでは電力の相当部分が抵抗で熱になってしまい、アンテナへ届く電力が減る。だから、本章で扱う無損失のL形整合では抵抗を使わない。使えるのはコイルとコンデンサ、つまり電力を消費しないリアクタンスだけである。
そのリアクタンスを2個だけ使って、抵抗値の違う2つの回路をつなぐのがL形整合回路である。素子の並び方がアルファベットのLに似ているのでこの名前がついた。片方は信号の経路に直列に、もう片方は経路から接地へ並列に入れる。2個で足りる理由は、調整すべき量が2つしかないからだ。抵抗の値を合わせることと、残った虚部を打ち消すこと。この2つに対して素子が2個あるので、原理的にはちょうど解ける。
なぜ並列素子が高い側なのかは、並列にリアクタンスを足すと実部が必ず下がる、という性質から来る。抵抗Rに何かを並列につなげば合成の実部はRより小さくなる。逆に直列にリアクタンスを足しても実部は変わらない。だから「まず並列素子で高いほうの抵抗を目標値まで引き下げ、そのとき生じた虚部を直列素子で消す」という順番になる。抵抗の高低を取り違えると、並列素子でさらに下げる方向へ動いてしまい、どうやっても目標へ届かない。
設計は3行で終わる。高いほうの抵抗をR_high、低いほうをR_lowとして、まずQ = √(R_high/R_low − 1)を計算する。次に直列素子のリアクタンスをQ×R_low、並列素子のリアクタンスをR_high/Qとする。最後に符号を決める。直列と並列は必ず逆の符号にするので、直列がコイル(+j)なら並列はコンデンサ(−j)、直列がコンデンサ(−j)なら並列はコイル(+j)である。どちらを選んでも整合は成立し、前者は低域通過形、後者は高域通過形になる。
L形整合回路の設計式。QはこのL形回路の実効的なQ値で、抵抗比だけで決まる。直列素子は低抵抗側に、並列素子は高抵抗側に置く。R_high=R_lowのときQ=0となり、そもそも整合回路が要らないことを式が示している。
通しの例で確かめる。Z₀ = 50Ωの線路と R = 100Ωの負荷なら、R_high = 100、R_low = 50 だから Q = √(100/50 − 1) = √1 = 1。直列素子は 1 × 50 = 50Ω、並列素子は 100/1 = 100Ω。並列に−j100Ωを入れると、100Ωとの合成は (100 × (−j100))/(100 − j100) = 50 − j50 Ω。実部がぴったり50Ωになり、残った−j50Ωを直列の+j50Ωで打ち消せば、線路側からは50Ωの純抵抗に見える。反射係数はゼロ、電圧定在波比は1.0である。
L形整合の検算。並列素子で実部を目標値まで下げ、直列素子で虚部を消す。整合後は反射係数Γ=0、電圧定在波比S=1.0となり、整合前のΓ=1/3・S=2.0が解消される。
Qには設計上の意味がある。Qが大きいほど、周波数が設計値から少しずれただけで整合が崩れる。つまり狭帯域になる。L形は素子が2個しかないので、Qは抵抗比だけで自動的に決まってしまい、設計者が選べない。もっと広い帯域が欲しい、あるいは逆に帯域を絞ってフィルタも兼ねたい、という場合は素子を3個にしたπ形やT形を使う。素子が1つ増えると自由度が1つ増え、Qを指定できるようになる。整合させたい抵抗比が大きいときは、L形を2段重ねて1段あたりのQを下げるという手もある。
同じ50Ωと100Ωを、線路で整合させることもできる。1/4波長変成器である。特性インピーダンスがZ = √(Z₀ R)の線路をλ/4だけ挟むと、線路側から見たインピーダンスがZ²/R = Z₀になる。この例では Z = √(50 × 100) = √5000 ≒ 70.7Ω。集中定数のL形と1/4波長変成器は、狙いも「単一周波数でしか厳密には成立しない」という性質も同じだが、使える場所が違う。
1/4波長変成器の特性インピーダンスは両端の相乗平均になる。L形整合と同じ50Ω・100Ωの組を、リアクタンス素子ではなく線路の切れ端で整合させた場合の値である。導出は第6章の入力インピーダンスの式にl=λ/4を代入すれば出る。
この2つは、素子を1個足すと1本につながる。リアクタンスの大きさを3つともそろえ、直列と並列で符号だけを逆にしたT形(直列+jX・並列−jX・直列+jX)またはπ形(並列−jX・直列+jX・並列−jX)は、特性インピーダンスがXの1/4波長線路とまったく同じ働きをする。つまり線路側から見たインピーダンスはZ_in = X²/Rになり、これをZ₀と置けば整合条件はX = √(Z₀R)である。L形が抵抗比からQを出して直列と並列に別々の値を割り当てるのに対して、こちらは3素子とも同じ大きさになる。回路図を見たら、まずリアクタンス素子が2個か3個か、大きさがそろっているかを数えるとどちらの式を使うかが決まる。
大きさの等しいリアクタンス3素子で組んだT形・π形整合回路の整合条件。λ/4変成器の特性インピーダンスとまったく同じ相乗平均になる。通しの例(Z₀=50Ω、R=100Ω)では3素子とも70.7Ωで、直列と並列で符号だけが逆になる。同じ組をL形で整合させた場合の直列50Ω・並列100Ωとは値が違うので、素子の数を先に数える。
L形整合と1/4波長変成器の使い分け
- L形(集中定数): 素子が小さく、波長が長い周波数帯でも場所を取らない。HF・VHF帯までの主役
- 1/4波長変成器(分布定数): 線路の長さがλ/4必要。VHF以下では長すぎて現実的でないが、マイクロ波帯では数cmで済む
- マイクロ波帯ではコイルやコンデンサの寄生成分が無視できなくなり、集中定数素子が理想どおりに働かない。線路で作る整合が有利になる
- どちらも設計周波数でしか厳密には整合しない。帯域を広げたいなら段数を増やす(多段変成器、π形・T形)
- 1/4波長変成器は負荷が純抵抗であることを前提にする。複素負荷なら、まず線路を進めて純抵抗になる点まで移動してから挟む
識別ポイント
- 無損失整合の素子はリアクタンスだけ。抵抗が混じっていれば、それは損失と引き換えに反射を抑える抵抗性パッドであって、本章のL形整合ではない
- L形は素子2個。並列素子が接している側が必ず高いほうの抵抗になる
- 設計式はQ = √(R_high/R_low − 1)、直列 = Q·R_low、並列 = R_high/Q。Qは抵抗比だけで決まる
- リアクタンス3素子が同じ大きさで、直列と並列だけ符号が逆なら、λ/4変成器と等価。X = √(Z₀R)で決まる
- 直列と並列は必ず逆符号。両方ともコイル、両方ともコンデンサという組合せは成立しない
- 1/4波長変成器のZは相乗平均√(Z₀R)。相加平均(Z₀+R)/2ではない
典型的な誤答
- ①無損失整合の回路に抵抗を入れる——電力を熱で捨ててしまうので、本章のL形整合の答えとしては誤りである。使えるのはリアクタンスだけである(損失を許す抵抗性パッドは別の技法)
- ②並列素子を低抵抗側へ入れる——並列素子は実部を下げる働きしかないので、高抵抗側でなければ目標へ届かない
- ③直列と並列を同じ符号にする——一方が実部を下げるときに生じた虚部を、他方が逆符号で打ち消す構成でなければ整合しない
- ④1/4波長変成器のZを(Z₀+R)/2のような相加平均にする——正しくは相乗平均√(Z₀R)である
- ⑤Z²/RのZを線路の特性インピーダンスではなく負荷側の値と取り違える——Z²のZは挟んだλ/4線路自身の特性インピーダンスである
- ⑥大きさのそろった3素子の回路にL形の設計式を当てはめる——素子が3個で大きさが等しければλ/4変成器と等価なので、Q = √(R_high/R_low − 1)ではなくX = √(Z₀R)である
第5章 スタブ整合 — 線路の切れ端をリアクタンスとして使う
マイクロ波帯では、コイルやコンデンサという部品そのものが理想どおりに働かなくなる。数pFのコンデンサでもリード線のインダクタンスが無視できず、設計値のリアクタンスにならない。そこで発想を変える。線路の切れ端を短く切って先端を短絡または開放にしておくと、その入口には純粋なリアクタンスが現れる。この切れ端をスタブと呼び、コイルやコンデンサの代わりに使う。線路を作る工程がそのまま部品を作る工程になるので、マイクロストリップ回路とは特に相性がよい。
スタブの入口に何が見えるかは、第6章で扱う入力インピーダンスの式の特別な場合として出てくる。先端を短絡した線路ではZ_L = 0、先端を開放した線路ではZ_L → ∞ を代入すればよい。結果はどちらも純虚数、つまり抵抗成分ゼロのリアクタンスになる。無損失線路なので当然で、電力を消費する場所がどこにも無い。
先端短絡スタブと先端開放スタブの入力インピーダンス。lはスタブの長さ[m]、λは線路上の波長[m]。どちらも純虚数で、長さを変えるだけで任意のリアクタンスを作れる。短絡と開放はλ/4だけずれた関係にあり、同じリアクタンスを作る長さは互いにλ/4違う。
短絡スタブの挙動を追う。lが小さいうちはtanβlが小さい正の値なので、リアクタンスは小さな正の値、つまり誘導性である。lを伸ばすとリアクタンスは増えていき、l = λ/4でtanβlが無限大になって開放と同じになる。ここが第3章のシュペルトップが使っている点で、λ/4の短絡線路は入口で開放に見える。さらに伸ばすとtanが負に転じ、リアクタンスは容量性になる。l = λ/2で再び短絡へ戻り、以後λ/2ごとに同じことを繰り返す。開放スタブはこの図をλ/4だけずらしたもので、短いうちは容量性である。
スタブの長さと性質
- 短絡スタブ: l < λ/4 で誘導性、l = λ/4 で開放、λ/4 < l < λ/2 で容量性、l = λ/2 で短絡
- 開放スタブ: l < λ/4 で容量性、l = λ/4 で短絡、λ/4 < l < λ/2 で誘導性、l = λ/2 で開放
- 実装では先端の開放が完全にならず端から放射するため、短絡側のほうが理想に近い。ただしマイクロストリップでは接地への短絡が作りにくいので開放スタブが多用される
- 長さは線路上の波長で測る。誘電体の入った線路では物理長が1/√εr倍(マイクロストリップなら1/√εeff倍)短くなる
このスタブを整合に使うのが単一スタブ整合である。手順は2段構えになっている。第1段は場所探しである。理想的な無損失線路に、正の実部を持つ受動負荷(反射係数の大きさが1未満)がつながっているかぎり、負荷から線路をたどっていけば正規化アドミタンスの実部がちょうど1になる点が半波長以内に必ず見つかる。ここは「コンダクタンスは合っているが、余計なサセプタンスが残っている」場所である。第2段はその余計な分の打ち消しで、同じ点へ並列にスタブを接続し、スタブのサセプタンスで残りを消す。スタブは並列に入れるので、インピーダンスではなくアドミタンスで考えるのが定石である。
単一スタブ整合の考え方。y = Y/Y₀ = Z₀/Z は特性インピーダンスで正規化したアドミタンス。実部が1になる点を線路上で探し、そこに残る虚部bを、スタブのサセプタンス−jbで打ち消す。dとlの2つの長さが2つの未知数に対応するので、理想無損失線路と正の実部を持つ受動負荷という前提のもとでは解が必ず存在する。純リアクタンス負荷・開放・短絡のように|Γ|=1の全反射になる負荷では、正規化アドミタンスの実部が0のまま動かないので実部1の点が存在せず、この方法では整合できない。
通しの例で数値を出してみる。Z₀ = 50Ω、Z_L = 100Ωなので、正規化インピーダンスはz_L = 2である。負荷から距離dの点の正規化アドミタンスは y = (1 + j2t)/(2 + jt)、ただし t = tanβd。実部を1と置くと (2 + 2t²)/(4 + t²) = 1、すなわち t² = 2、t = √2 が得られる。βd = arctan√2 = 0.955 rad だから d = 0.152λ。この点でのアドミタンスは y = 1 + j0.707 である。
残った +j0.707 を消すには、−j0.707 のサセプタンスを持つスタブを並列に足せばよい。先端短絡スタブの正規化アドミタンスは −j cotβl だから、cotβl = 0.707、つまり tanβl = √2 となり、βl = 0.955 rad、l = 0.152λ。位置dと長さlがどちらも0.152λになるのは、この負荷(z_L = 2)に固有の一致である。開放スタブで作りたければ、同じサセプタンスを与える長さは l = 0.152λ + 0.25λ = 0.402λ になる。
Z₀=50Ω・Z_L=100Ωに対する単一スタブ整合の解。負荷から0.152λの位置に、長さ0.152λの短絡スタブ(または0.402λの開放スタブ)を並列に接続すると整合する。短絡と開放でちょうどλ/4=0.25λ違うことが確かめられる。
スタブを2本使う二重スタブ整合という方式もある。単一スタブでは接続位置dを負荷に応じて動かす必要があり、負荷が変わるたびに線路を切り直すことになる。位置を2か所に固定してしまい、2本のスタブの長さだけで整合を取るのが二重スタブで、可変整合器として使いやすい。ただし位置を固定した代償として、どんな負荷でも整合できるわけではなく、整合できない領域が残る。
識別ポイント
- スタブは並列接続が基本。だからインピーダンスではなくアドミタンスで考える
- 整合位置dと長さlの2つが2つの未知数(残った実部と虚部)に対応する。素子2個のL形整合と同じ構図である
- λ/4短絡=開放、λ/4開放=短絡。この反転はλ/4変成器のZ_in=Z₀²/Z_Lの極端な場合にあたる
- スタブもλ/4変成器も設計周波数でしか厳密には整合しない。広帯域化には多段化が要る
第6章 給電点インピーダンスと定在波 — 線路上のどこで見るかで変わる
ここまで何度も「線路を進むとインピーダンスが変わる」と書いてきた。その正体を1本の式にまとめる。特性インピーダンスZ₀の無損失線路に負荷Z_Lをつなぎ、負荷から距離lだけ電源側へ戻った点で線路の先を見たときのインピーダンスZ_inは、次の式で与えられる。線路の問題のほとんどは、この式のどこかを問うている。
無損失線路の入力インピーダンス。Z_Lは負荷[Ω]、lは負荷からの距離[m]、λは線路上の波長[m]。βlは電気長と呼ばれ、線路の長さを位相[rad]で測ったもの。l=0でZ_in=Z_Lに戻ることを最初に確かめておくと、分子と分母の取り違えを防げる。
式の使いどころは、まず特別な長さである。l = λ/4を代入するとβl = π/2でtanが無限大になり、分母分子の第2項だけが残ってZ_in = Z₀²/Z_Lになる。負荷が小さければ入力は大きく、負荷が大きければ入力は小さくなる——λ/4の線路はインピーダンスを反転させる変成器である。短絡(Z_L = 0)を開放に、開放を短絡に変えるのもこの性質で、第3章のシュペルトップと第5章のスタブはどちらもこれを使っている。第4章の1/4波長変成器も、Z_in = Z₀と置いてZ₀を解けばZ₀ = √(Z_in Z_L)としてこの式から出てくる。
l = λ/2ならβl = πでtanがゼロになり、Z_in = Z_Lにそのまま戻る。半波長ごとに同じインピーダンスが繰り返すので、λ/2の線路は「無いのと同じ」ように働く。アンテナの給電点インピーダンスを測りたいのに測定器を離して置きたい、というときにλ/2の整数倍のケーブルを使うのはこのためである。もちろん設計周波数でしか成立しないので、周波数を変えれば別の値が見える。
λ/4は反転、λ/2は繰り返し。通しの例(Z₀=50Ω、Z_L=100Ω)では、λ/4戻った点で25Ω、λ/2戻った点で100Ωに見える。25Ωは電圧定在波の最小点のインピーダンスZ₀/S=50/2でもある。
中間の長さも計算してみる。l = λ/8ならβl = π/4でtanβl = 1だから、Z_in = 50 × (100 + j50)/(50 + j100)。分母の共役を掛けて整理すると 40 − j30 Ωになる。実部が変わるだけでなく虚部が現れる点が重要で、純抵抗の負荷でも、線路を少し進めば複素インピーダンスとして見える。逆に言えば、線路長を選べば純抵抗の点へ持っていける。この値の絶対値は50Ωで、反射係数の大きさは負荷端と同じ1/3のままである——無損失線路は|Γ|を変えず位相だけを回すからで、これがスミスチャート上の「原点を中心とする円運動」の正体である。
λ/8戻った点の入力インピーダンス。純抵抗の負荷でも線路上では複素数として見える。反射係数の大きさと電圧定在波比は線路上のどこでも変わらず、変わるのは反射係数の位相だけである。
この「どこで見るかで変わる」性質を逆に使うのが、定在波の測定から負荷を求める方法である。線路に沿って電圧の振幅を読むと、腹と節が交互に並ぶ。腹と節の電圧比が電圧定在波比Sで、これは反射係数の大きさを与える。しかし大きさだけでは負荷は決まらない。反射係数は複素数なので、位相の情報がもう1つ要る。それを与えるのが、負荷から最初の電圧最小点までの距離l_minである。
電圧が最小になる点は電流が最大になる点でもあり、そこでは進行波と反射波がちょうど逆位相で重なっている。したがってその点のインピーダンスは純抵抗になり、値はZ₀/Sである。逆に電圧最大点ではZ₀·Sになる。既知の点が1つ手に入ったので、あとはそこから負荷まで線路をl_minだけ戻せばよい。入力インピーダンスの式に代入して整理すると、負荷インピーダンスがSとl_minだけで書ける。
電圧最小点・最大点のインピーダンスと、そこから逆算した負荷インピーダンス。Sが反射係数の大きさを、l_minが位相を担っている。通しの例(Z₀=50Ω、S=2.0)ではZ_min=25Ω、Z_max=100Ωで、Z_L=100Ωは電圧最大点が負荷端に来ている場合にあたる。
通しの例に当てはめてみる。Z₀ = 50Ω、Z_L = 100ΩはZ_L > Z₀なので、負荷端そのものが電圧の腹になる。したがってl_min = λ/4で、そこでのインピーダンスは25Ω = Z₀/S = 50/2。式の上でもλ/4のインピーダンス反転50²/100 = 25Ωと一致している。もし同じS = 2.0でl_minがゼロ、つまり負荷端が電圧の節だったなら、負荷は25Ωの純抵抗ということになる。同じSでもl_minが違えば負荷はまるで違う——Sだけでは負荷が決まらない、というのはこの意味である。
識別ポイント
- l = 0でZ_L、l = λ/4でZ₀²/Z_L、l = λ/2でZ_L。周期はλ/2で、λ/4ごとに反転する
- 実部が振れる範囲はZ₀/SからZ₀·Sまで。Sが大きいほど線路上のインピーダンスが激しく振れる
- 電圧最小点・最大点では必ず純抵抗。それぞれZ₀/S、Z₀·Sになる
- 無損失線路は|Γ|とSを変えない。変わるのは反射係数の位相だけ
- Z_L > Z₀なら負荷端が電圧の腹、Z_L < Z₀なら節。腹と節の間隔はλ/4
この講座の要点まとめ
- 分布定数: 線路長が波長の1/10を超えたら線路として扱う。Z₀ = √(L/C)、v_p = 1/√(LC)
- 平行二線: 平衡形。Z₀ = 276log₁₀(2D/d)。300Ω前後を作りやすい
- 同軸: 不平衡形。Z₀ = (138/√εr)log₁₀(D/d)。電磁界が外へ漏れない
- マイクロストリップ: 不平衡形の開放線路。w/dが小さいほど、εrが小さいほどZ₀は大きい。ほぼTEMモード
- 導波管: 導体1本でTEM波は伝搬しない。遮断周波数以下は通らない
- バラン: シュペルトップはλ/4短絡・1:1、U字管はλ/2迂回・4:1
- L形整合: Q = √(R_high/R_low − 1)、直列 = Q·R_low、並列 = R_high/Q。並列は高抵抗側
- 1/4波長変成器: Z = √(Z₀R)。相乗平均であって相加平均ではない
- スタブ: 短絡はjZ₀tanβl、開放は−jZ₀cotβl。並列に入れてサセプタンスを打ち消す
- 入力インピーダンス: Z_in = Z₀(Z_L + jZ₀tanβl)/(Z₀ + jZ_Ltanβl)。λ/4で反転、λ/2で繰り返し
- 定在波からの逆算: 電圧最小点でZ₀/S。Sが大きさを、l_minが位相を担う
本試験での問われ方
以下は公益財団法人日本無線協会が公表した本試験問題です(英語の科目を除き、国家試験の受験など試験制度の意義に反しない範囲での利用は許諾を求める必要がないと公表されています)。原文は改変せずそのまま掲載し、独自の要約と「この講座で学べる範囲」を添えています。
令和6年1月期 一陸技「無線工学B」(FB601) A-6(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲両端を短絡した1波長ぶんの線路の途中で線路を見たとき、左右2本の短絡線路が並列に入る。2本の長さの和が固定されている条件から、合成した値がどうなるかを求める計算問題。
A-6 図に示す無損失の平行二線式給電線の点 a b 間のインピーダンス Zab の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、給電線の特性インピーダンスを Z0〔Ω〕、波長を λ〔m〕とする。また、給電線の長さ l1〔m〕、l2〔m〕の間には、l1+l2 = λ〔m〕の関係式が成り立ち、l1 ≠ 0、l2 ≠ 0 とする。 〔図省略〕 1 0〔Ω〕 2 Z0/4〔Ω〕 3 Z0/2〔Ω〕 4 2Z0〔Ω〕 5 ∞〔Ω〕
出典: 令和6年1月期 一陸技「無線工学B」(FB601) A-6(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス、入力インピーダンス、給電線・伝送線路、特性インピーダンス
令和6年1月期 一陸技「無線工学B」(FB601) A-7(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲抵抗値が10倍違う給電線とアンテナを、コイルとコンデンサ1組で結ぶときの静電容量を求める計算問題。抵抗比から回路のとがり具合を出し、そこから容量性リアクタンスを経て容量へ落とす。
A-7 図に示す整合回路を用いて、特性インピーダンス Z0 が 730〔Ω〕の無損失の平行二線式給電線と入力インピーダンス Z が 73〔Ω〕の半波長ダイポールアンテナを整合させるために必要な静電容量 C の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、周波数を 20/π〔MHz〕とする。 〔図省略〕 1 37〔pF〕 2 51〔pF〕 3 68〔pF〕 4 94〔pF〕 5 102〔pF〕
出典: 令和6年1月期 一陸技「無線工学B」(FB601) A-7(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 集中定数整合回路、インピーダンス整合、特性インピーダンス、半波長ダイポールアンテナ
令和6年1月期 一陸技「無線工学B」(FB601) B-3(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲基板の片面だけに細い導体を載せた線路について、接地の対称性の呼び分け、放射損を抑えるための基板の選び方、扱う伝送のかたち、特性インピーダンスが幅と厚さの比や比誘電率でどちらへ動くかを語群から選ばせる問題。
B-3 次の記述は、図に示すマイクロストリップ線路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 接地導体基板の上にアルミナやフッ素樹脂などの厚さの薄い誘電体基板を密着させ、その上に幅が狭く厚さの極めて薄いストリップ導体を密着させた[ ア ]の線路である。 (2) 本線路は、開放線路の一種であり、外部雑音の影響や放射損がある。放射損を少なくするために、比誘電率[ イ ]誘電体基板を用いる。 (3) 伝送モードは、通常、ほぼ[ ウ ]モードとして扱うことができる。 (4) 特性インピーダンスは、ストリップ導体の幅を w、誘電体基板の厚さを d、誘電体基板の比誘電率を εr とすると、[ エ ]が小さいほど、また εr が[ オ ]、大きくなる。 〔図省略〕 1 平衡形 2 の大きい 3 TE11 4 d/w 5 小さいほど 6 不平衡形 7 の小さい 8 TEM 9 w/d 10 大きいほど
出典: 令和6年1月期 一陸技「無線工学B」(FB601) B-3(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - 対応する記述
- ア〜オの5記述のうち5記述
- この講座で学べる範囲
- マイクロストリップ線路、比誘電率、TEM波、特性インピーダンス
令和6年7月期 一陸技「無線工学B」(FB607) A-6(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲導線1本あたりの高周波抵抗を式から出し、往復2本ぶんへ直してから特性インピーダンスで割り、最後にネーパからデシベルへ単位を換算する計算問題。
A-6 特性インピーダンスが 300〔Ω〕で、導線の直径が 3〔mm〕の平行二線式線路の周波数 100〔MHz〕における減衰定数 α〔dB/m〕の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、線路の単位長さ当りの抵抗、インダクタンス及びコンダクタンスをそれぞれ R〔Ω/m〕、L〔H/m〕、G〔S/m〕とし、角周波数は ω〔rad/s〕で、R ≪ ωL 、G = 0 とする。また、導線 1 本の単位長さ当りの高周波抵抗 R0 は、周波数を f〔MHz〕、直径を d〔mm〕とすると、次式で表される。通常、伝送回路の場合には減衰量にネーパ〔Np〕という単位が用いられており、1〔Np〕= 8.686〔dB〕である。 R0 = 0.0832√f/d〔Ω/m〕 1 2.4×10⁻³〔dB/m〕 2 4.8×10⁻³〔dB/m〕 3 6.8×10⁻³〔dB/m〕 4 8.0×10⁻³〔dB/m〕 5 9.6×10⁻³〔dB/m〕
出典: 令和6年7月期 一陸技「無線工学B」(FB607) A-6(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 減衰定数、給電線・伝送線路、特性インピーダンス、表皮厚さ(表皮深さ)、デシベルの定義と使い分け
令和6年7月期 一陸技「無線工学B」(FB607) A-7(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲抵抗値が10倍違う給電線とアンテナを、コイルとコンデンサ1組で結ぶときの静電容量を求める計算問題。抵抗比から回路のとがり具合を出し、そこから容量性リアクタンスを経て容量へ落とす。
A-7 図に示す整合回路を用いて、特性インピーダンス Z0 が 730〔Ω〕の無損失の平行二線式給電線と入力インピーダンス Z が 73〔Ω〕の半波長ダイポールアンテナとを整合させるために必要な静電容量 C の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、周波数を 50/π〔MHz〕とする。 〔図省略〕 1 41〔pF〕 2 51〔pF〕 3 68〔pF〕 4 94〔pF〕 5 102〔pF〕
出典: 令和6年7月期 一陸技「無線工学B」(FB607) A-7(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 集中定数整合回路、インピーダンス整合、特性インピーダンス、半波長ダイポールアンテナ
令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-7(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲導線の太さと間隔から線路の特性インピーダンスを出し、終端短絡の入力リアクタンスが電気長の正接で決まることを使って、等価なコイルの大きさへ換算する計算問題。
A-7 直径 4〔mm〕、線間隔 20〔cm〕の終端を短絡した無損失の平行二線式給電線において、終端から長さ 1.25〔m〕のところから終端を見たインピーダンスと等価となるコイルのインダクタンスの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、周波数を 30〔MHz〕とする。 1 2.9〔μH〕 2 5.1〔μH〕 3 7.6〔μH〕 4 10.2〔μH〕 5 15.2〔μH〕
出典: 令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-7(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス、特性インピーダンス、給電線・伝送線路、波長と周波数の関係(λ=300/f)
令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-8(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲基板の上に細い導体を載せた開放構造の線路について、放射損を抑えるための基板の選び方、扱ってよい伝送モード、導体の幅と特性インピーダンスの増減の向きを組合せで答えさせる問題。
A-8 次の記述は、図に示すマイクロストリップ線路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 開放線路の一種であるので、外部雑音の影響や放射損がある。放射損を少なくするために、比誘電率の [ A ] 誘電体基板を用いる。 (2) 伝送モードは、通常、ほぼ [ B ] モードとして扱うことができる。 (3) 誘電体基板の比誘電率、ストリップ導体の厚さ及び誘電体基板の厚さが変わらないとき、特性インピーダンスは、ストリップ導体の幅 W〔m〕が [ C ] なるほど小さくなる。 〔図省略〕 A B C 1 大きい TEM 狭く 2 大きい TEM 広く 3 大きい TE 広く 4 小さい TE 狭く 5 小さい TEM 狭く
出典: 令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-8(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- マイクロストリップ線路、比誘電率、TEM波、特性インピーダンス
令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-9(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲内外導体で電波を導く線路について、使える周波数の下限と上限、損失の増え方、そして誘電体を詰めたときに特性インピーダンスと位相定数がそれぞれ比誘電率の何乗で変わるかを5つ並べ、誤りを1つ選ばせる問題。
A-9 次の記述は、同軸線路の特性について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 通常、直流から TEM 波のみが伝搬する周波数帯まで用いられる。 2 抵抗損および誘電体損は、周波数が高くなるにつれてともに増加する。 3 比誘電率が εs の誘電体が充填されているときの特性インピーダンスは、比誘電率が 1 の誘電体が充填されているときの特性インピーダンスの 1/√εs 倍となる。 4 比誘電率が εs の誘電体が充填されているときの位相定数は、比誘電率が 1 の誘電体が充填されているときの位相定数の εs 倍となる。 5 通常、最も遮断波長が長い TE11 波が発生する周波数より高い周波数領域では用いられない。
出典: 令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-9(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 同軸線路、TEM波、比誘電率、遮断波長・遮断周波数
令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-20(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲終端を開けたときと短絡したときに測った2つの純虚数のインピーダンスから、線路そのものの値を求める計算問題。積の平方根をとると虚数単位が消えることを使う。
A-20 長さ l〔m〕の無損失給電線の終端を開放及び短絡して入力端から見たインピーダンスを測定したところ、それぞれ -j128〔Ω〕及び +j50〔Ω〕であった。この給電線の特性インピーダンスの値として、正しいものを下の番号から選べ。 1 50〔Ω〕 2 60〔Ω〕 3 65〔Ω〕 4 75〔Ω〕 5 80〔Ω〕
出典: 令和7年1月期 一陸技「無線工学B」(FB701) A-20(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 特性インピーダンス、給電線・伝送線路、複素インピーダンス
- この講座では扱わない範囲
- 開放・短絡測定による特性インピーダンス Z₀=√(Zoc·Zsc)
令和7年7月期 一陸技「無線工学B」(FB707) A-8(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲与えられた入力インピーダンスの式へ長さを代入し、正接が発散する位置で両端の値の相乗平均になることを使って、挿入する線路の特性インピーダンスと長さの組を選ばせる問題。半波長ずれても同じ働きになる点まで含めて長さの表し方が問われる。
A-8 図に示すように、特性インピーダンスが Zi〔Ω〕の平行二線式給電線と負荷抵抗 R〔Ω〕との間に特性インピーダンスが Z0〔Ω〕で、長さが l〔m〕の給電線を挿入して整合させた場合の Z0 と l の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、端子 ab から負荷側を見たインピーダンス Zab〔Ω〕は、波長を λ〔m〕とすると次式で与えられる。また、各線路は無損失線路とし、R、Zi、Z0 の値は、それぞれ異なり、n は 0 又は正の整数とする。 Zab = Z0((R cos(2πl/λ) + jZ0 sin(2πl/λ))/(Z0 cos(2πl/λ) + jR sin(2πl/λ))) 〔図省略〕 Z0 l 1 √(RZi)〔Ω〕 λ/2+nλ/4〔m〕 2 √(RZi)〔Ω〕 λ/4+nλ/2〔m〕 3 √(RZi/2)〔Ω〕 λ/8+nλ/4〔m〕 4 √(RZi/2)〔Ω〕 λ/4+nλ/2〔m〕 5 √(RZi/2)〔Ω〕 λ/2+nλ/4〔m〕
出典: 令和7年7月期 一陸技「無線工学B」(FB707) A-8(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 1/4波長整合回路、インピーダンス整合、特性インピーダンス、給電線・伝送線路
令和8年1月期 一陸技「無線工学B」(FB801) A-7(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲大きさの等しいリアクタンス3個(直列−jX・並列jX・直列−jX)だけで線路とアンテナの抵抗差を吸収するとき、必要なリアクタンスの大きさを求める計算問題。集中定数整合の設計値を問う。
A-7 図に示すように、特性インピーダンス Z0 が75〔Ω〕の無損失給電線と入力抵抗 R が147〔Ω〕のアンテナを集中定数回路を用いて整合させたとき、リアクタンス X の大きさの値として、最も近いものを下の番号から選べ。 〔図省略〕 1 110〔Ω〕 2 105〔Ω〕 3 100〔Ω〕 4 95〔Ω〕 5 90〔Ω〕
出典: 令和8年1月期 一陸技「無線工学B」(FB801) A-7(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 集中定数整合回路、インピーダンス整合、入力インピーダンス
令和8年7月期 一陸技「無線工学B」(FB807) A-6(本試験問題)
この講座が土台を作る範囲同軸の内側導体を太くしたときに特性インピーダンスがどこまで下がるかを、外径と内径の比の対数から求める計算問題。
A-6 内部導体の外径が2〔mm〕、外部導体の内径が16〔mm〕の同軸線路の特性インピーダンスが75〔Ω〕であった。この同軸線路の内部導体の外径を2 倍にしたときの特性インピーダンスの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、内部導体と外部導体の間には、同一の誘電体が充填されているものとする。 1 25〔Ω〕 2 37〔Ω〕 3 50〔Ω〕 4 75〔Ω〕 5 95〔Ω〕
出典: 令和8年7月期 一陸技「無線工学B」(FB807) A-6(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - この講座で学べる範囲
- 同軸線路、特性インピーダンス、比誘電率
令和8年7月期 一陸技「無線工学B」(FB807) B-3(本試験問題)
同じ問われ方まで練習できる範囲誘電体基板の上に細い導体を載せた平面線路について、平衡・不平衡の別、放射損を抑える基板の選び方、寸法比と特性インピーダンスの関係、伝送モードを語群から選ばせる問題。
B-3 次の記述は、図に示すマイクロストリップ線路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 接地導体基板の上にアルミナやフッ素樹脂などの厚さの薄い誘電体基板を密着させ、その上に幅が狭く厚さの極めて薄いストリップ導体を密着させた[ ア ]の線路である。 (2) 本線路は、開放線路の一種であり、外部雑音の影響や放射損がある。放射損を少なくするために、比誘電率[ イ ]誘電体基板を用いる。 (3) 特性インピーダンスは、ストリップ導体の幅を w、誘電体基板の厚さを d、誘電体基板の比誘電率を εr とすると、[ ウ ]が小さいほど、また εr が小さいほど、[ エ ]なる。 (4) 伝送モードは、通常、ほぼ[ オ ]モードとして扱うことができる。 〔図省略〕 1 不平衡形 2 の大きい 3 TE11 4 d / w 5 大きく 6 平衡形 7 の小さい 8 TEM 9 w / d 10 小さく
出典: 令和8年7月期 一陸技「無線工学B」(FB807) B-3(本試験問題) / 著作権: 公益財団法人日本無線協会 - 対応する記述
- ア〜オの5記述のうち5記述
- この講座で学べる範囲
- マイクロストリップ線路、比誘電率、特性インピーダンス、TEM波
第1章と第6章で使った Γ・S・リターンロスの換算と線路上の定在波はVSWR・反射係数教材で、第4章のL形整合と第5章のスタブが図の上でどう見えるかはスミスチャート教材で、数値を動かしながら確かめられます。定在波測定そのものの手順は深掘り編「アンテナ・電波測定の基礎」が扱います。
Γ = 1/3・S = 2.0 を、自分の手で動かす
この講座で通しの例に使ったZ₀ = 50Ω・Z_L = 100Ωの組は、VSWR教材にそのまま入力できる。整合前のS = 2.0が、L形整合やスタブで1.0へ落ちるという話の出発点を、グラフの上で確かめてほしい。