一陸技|無線工学B|過去問
平成29年7月期 A-13
要点(wavelane の要約): 携帯端末の金属の筐体に立てた単一の素子について、長さを1/4波長・3/8波長・1/2波長と変えたときの筐体に流れる電流、手などの影響、給電点のインピーダンス、50オームとの整合のしやすさを比べ、インピーダンスの大小を逆に述べた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-13 次の記述は、図に示すように移動体通信に用いられる携帯機のきょう体の上に外付けされたモノポールアンテナ(ユニポールアンテナ)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 携帯機のきょう体の上に外付けされたモノポールアンテナは、一般にその長さ h によってアンテナの特性が変化する。 2 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、携帯機のきょう体に流れる高周波電流が小さい。 3 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、放射パターンがきょう体の大きさやきょう体に近接する手などの影響を受けにくい。 4 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、給電点インピーダンスが低い。 5 長さ h が 3/8 波長のモノポールアンテナは、1/2 波長のモノポールアンテナと比較したとき、50〔Ω〕系の給電線と整合が取りやすい。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)A-13(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
1/2波長のモノポールは給電点が電流の小さい位置にくるので、給電点インピーダンスは高く、筐体へ流れる電流は小さい。インピーダンスが低いとした記述が誤りである。
選択肢 1— 答えではない
正しい。素子の長さで電流分布が変わり、給電点インピーダンスも放射パターンも変わる。
選択肢 2— 答えではない
正しい。1/2波長の素子では給電点が電流の節に近くなるので、根元から筐体へ流れ込む電流が小さい。1/4波長では筐体が地板の役目をして大きな電流が流れる。
選択肢 3— 答えではない
正しい。筐体に流れる電流が小さいので、筐体の大きさや持つ手の影響が放射パターンに出にくい。
選択肢 4◎ これが答え
誤っている。給電点で電流が小さく電圧が大きくなるので、給電点インピーダンスは高い。1/4波長のほうが低い(数十Ω程度)。
選択肢 5— 答えではない
正しい。3/8波長は1/4波長と1/2波長の中間で、給電点インピーダンスが 50 Ω に近づくので整合がとりやすい。
正答は選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 電流の節に給電するとインピーダンスは高く、腹に給電すると低くなる。半波長ダイポールの中央給電(約 73 Ω)と端給電の違いと同じ考え方である。