一陸技|無線工学B|過去問
平成29年1月期 B-3
要点(wavelane の要約): 導波管の壁に傾きを交互に変えて穴を並べたアンテナについて、管壁を流れる電流の向き、電界分布が反転する間隔が管内波長の何倍か、各穴から出る電波のどの量の向きが穴に垂直か、隣り合う穴で打ち消される成分と残る偏波を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-3 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナから放射される電波の偏波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、スロットアレーアンテナは xy 面に平行な面を大地に平行に置かれ、管内には TE10 モードの電磁波が伝搬しているものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) yz 面に平行な管壁には z 軸に [ ア ] な電流が流れており、スロットはこの電流の流れを妨げるので、電波を放射する。 (2) 管内における y 軸方向の電界分布は、管内波長の [ イ ] の間隔で反転しているので、管壁に流れる電流の方向も同じ間隔で反転している。一定の間隔 l〔m〕で、交互に傾斜角の方向が変わるように開けられた各スロットから放射される電波の [ ウ ] の方向は、各スロットに垂直な方向となる。 (3) 隣り合う二つのスロットから放射された電波の電界をそれぞれ y 成分と z 成分に分解すると、[ エ ] は互いに逆向きであるが、もう一方の成分は同じ向きになる。このため、[ エ ] が打ち消され、もう一方の成分は加え合わされるので、偏波は [ オ ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 平行 2 1/2 3 磁界 4 y 成分 5 垂直偏波となる 6 垂直 7 1/4 8 電界 9 z 成分 10 水平偏波となる
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成29年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB901)B-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 2/ウ 8/エ 9/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
TE10 の管壁電流をスロットが横切ると放射が起きる。電界分布は管内波長の半分ごとに反転するので、傾きを交互に変えたスロットからは z 成分が打ち消し合い、y 成分(水平)が残る。
- ア: 解答 1(平行)
- TE10 では幅の狭い側の管壁(yz 面に平行な壁)に、z 軸と平行な向きの電流が流れる。スロットがこの電流を断ち切るので、そこから電波が出る。
- イ: 解答 2(1/2)
- 定在波でも進行波でも、管軸方向の電界の向きは管内波長の半分ごとに反転する。管壁の電流も同じ間隔で向きが変わる。
- ウ: 解答 8(電界)
- 細長いスロットから放射される電波は、スロットの長い辺に垂直な向きの電界を持つ。
- エ: 解答 9(z 成分)
- 傾きが逆で、しかも管壁電流の向きも逆の位置にある隣のスロットどうしでは、電界の z 成分の向きが逆になり、y 成分は同じ向きになる。
- オ: 解答 10(水平偏波となる)
- z 成分が打ち消され、y 成分が足し合わされる。y 軸は大地に平行に置いた面の中にあるので、水平偏波になる。
ア〜オの解答は 1・2・8・9・10 である。
つまずきやすい点
- 図のスロット間隔 l は λg/2 に選ばれている。λg/4 では隣どうしの電流の向きが反転しない。
- ウで磁界を選ぶと、偏波の向きが90°ずれた結論になる。スロットの放射は電界がスロットに垂直と覚える。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路円偏波・管内波長・スロットアレーアンテナ・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数管内波長・導波管の伝送モード
- アンテナ方式図鑑円偏波