一陸技|無線工学B|過去問
平成29年1月期 B-4
要点(wavelane の要約): 準ミリ波・ミリ波の伝搬について、酸素分子の共鳴の周波数、霧などの小さな水滴による減衰の周波数依存、雨による減衰の原因、偏波の識別度が落ちる原因となる雨滴の形、回線どうしの干渉を起こすものを語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、SHF 帯及び EHF 帯の電波の伝搬について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 晴天時の大気ガスによる電波の共鳴吸収は、主に酸素及び水蒸気分子によるものであり、100〔GHz〕以下では、[ ア ]付近に酸素分子の共鳴周波数があり、22〔GHz〕付近に水蒸気分子の共鳴周波数がある。 (2) 霧や細かい雨などのように波長に比べて十分小さい直径の水滴による減衰は、主に吸収によるものであり、周波数が[ イ ]なると増加し、単位体積の空気中に含まれる水分の量に比例する。 (3) 降雨による減衰は、雨滴による吸収と[ ウ ]で生じ、概ね 10〔GHz〕以上で顕著になり、ほぼ 200〔GHz〕までは周波数が高いほど、降雨強度が大きいほど、減衰量が大きくなる。 (4) 降雨による交差偏波識別度の劣化は、形状が[ エ ]雨滴に進入する電波の減衰及び位相回転の大きさが偏波の方向によって異なることが原因で生ずる。 (5) 二つの通信回線のアンテナビームが交差している領域に[ オ ]があると、それによる散乱のために通信回線に干渉を起こすことがある。 1 60〔GHz〕 2 低く 3 回折 4 扁平な 5 雨滴 6 40〔GHz〕 7 高く 8 散乱 9 球状の 10 霧の粒子
出典: 平成29年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB901)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 7/ウ 8/エ 4/オ 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
100 GHz 以下の吸収の山は酸素が 60 GHz 付近、水蒸気が 22 GHz 付近にある。霧の減衰は周波数とともに増え、雨は吸収と散乱で減衰し、扁平な雨滴が偏波を乱し、交差ビーム中の雨滴が散乱で干渉を起こす。
- ア: 解答 1(60〔GHz〕)
- 酸素分子の共鳴吸収は 60 GHz 付近にある。22 GHz は文中にある水蒸気の方で、40 GHz には大きな吸収の山は無い。
- イ: 解答 7(高く)
- 波長より十分小さい水滴による減衰は吸収が主で、周波数が高くなるほど増える。
- ウ: 解答 8(散乱)
- 雨滴の大きさが波長に近づくと、吸収だけでなく散乱でも電力が失われる。霧との違いはここにある。
- エ: 解答 4(扁平な)
- 落下中の雨滴は空気抵抗で横に平たくつぶれる。水平と垂直の偏波で減衰と位相の回り方が違うので、交差偏波識別度が下がる。
- オ: 解答 5(雨滴)
- 2つの回線のビームが交わる空間に雨滴があると、雨滴が電波を四方へ散乱し、一方の回線の電波が他方へ入り込む。
ア〜オの解答は 1・7・8・4・5 である。
つまずきやすい点
- FB508 B-4 では同じ構成で水蒸気の周波数(22 GHz)を問うた。酸素と水蒸気のどちらを聞いているかを文から読み取る。
- 霧の粒子は小さすぎて散乱の主役にならない。オで霧を選ぶのは減衰の話と散乱の話の混同である。