一陸技|無線工学B|過去問
平成29年1月期 A-9
要点(wavelane の要約): 導波管を輪にして4本の枝を管内波長の1/4と3/4の間隔で付けた回路について、輪にした面の名前、出力が出ない枝での左右の行路差、別の枝から入れたときに出力が出る枝、受信機を守るために受信機をつなぐ枝を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-9 次の記述は、図に示す導波管で構成されたラットレース回路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、管内波長を λg〔m〕とする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 導波管の[ A ]面を環状にして、全長を 6λg/4〔m〕とし、間隔を λg/4〔m〕及び 3λg/4〔m〕として、四本の[ A ]分岐を設けた構造である。 (2) 分岐①からの入力は、左右に分離して進むとき、分岐②では左右からの行路差が λg〔m〕になるために同相となり、分岐④でも左右からの行路差が λg〔m〕になるために同相となる。したがって、分岐②と④には出力が得られる。しかし、分岐③では左右からの行路差が[ B ]〔m〕になるために、出力は得られない。同様に、分岐②からの入力は、分岐[ C ]に出力が得られる。 (3) この回路を用い、分岐[ D ]に接続した受信機を分岐①に接続した送信機の大送信出力から保護し、かつ、分岐②に接続した一つのアンテナを送受共用にすることができる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 H λg/4 ③と④ ③ 2 H λg/2 ①と③ ④ 3 E λg/4 ③と④ ④ 4 E λg/4 ①と③ ③ 5 E λg/2 ①と③ ③
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成29年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB901)A-9(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
E 面を環にしたラットレース回路では、入力が左右に分かれて環を回る。出口で左右の道のりの差が λg なら同相で強め合い、λg/2 なら逆相で打ち消すので、入力の位置ごとに出力の出る分岐が決まる。
- 空欄 A: E
- 導波管の E 面(電界を含む面)を曲げて環にし、分岐も E 面分岐で付ける。E 面分岐は直列分岐で、左右の波の位相差が出力にそのまま効く。
- 空欄 B: λg/2
- ①から③へは、片側が λg/4 + λg/4 = λg/2、反対側が λg/4 + 3λg/4 = λg で、差は λg/2 である。半波長ずれた2つの波は逆相で打ち消し、③には出ない。
- 空欄 C: ①と③
- ②から見ると①へは λg/4 と 5λg/4、③へは λg/4 と 5λg/4 で、どちらも差が λg なので同相で出る。④へは λg/2 と λg で差が λg/2 となり出ない。
- 空欄 D: ③
- 送信機をつなぐ①からの電力は③に出ないので、③に受信機をつなげば送信の大電力から守られる。アンテナの②で受けた電波は③へ出るので、②を送受共用にできる。
この組合せになっているのは選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- 行路差を数えるときは、環を左回りと右回りの両方で道のりを足し、その差を取る。片側だけ見ると λg/4 の誤答に引っかかる。
- ①から入れた電力は②だけでなく④にも出る。受信機を④につなぐ選択肢2・3は、送信の大電力が受信機へ入ってしまう。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路管内波長・通路差・ラットレース回路(ハイブリッドリング)・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数管内波長・導波管の伝送モード
- アンテナ方式図鑑通路差