一陸技|無線工学B|過去問
平成29年1月期 A-7
要点(wavelane の要約): 内外導体で電波を導く線路について、使える周波数の下限と上限、導体と誘電体の損失がそれぞれ周波数の何乗で増えるか、誘電体を詰めたときに特性インピーダンスと位相定数が比誘電率の何乗で変わるかを並べ、誤りを1つ選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-7 次の記述は、同軸線路の特性について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 通常、直流から TEM 波のみが伝搬する周波数帯まで用いられる。 2 抵抗損は周波数の平方根に比例して増加し、誘電体損は周波数に比例して増加する。 3 比誘電率が εs の誘電体が充填されているときの特性インピーダンスは、比誘電率が 1 の誘電体が充填されているときの特性インピーダンスの 1/√εs 倍となる。 4 比誘電率が εs の誘電体が充填されているときの位相定数は、比誘電率が 1 の誘電体が充填されているときの位相定数の εs 倍となる。 5 通常、最も遮断波長が長い TE11 波が発生する周波数より高い周波数領域では用いられない。
出典: 平成29年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB901)A-7(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
誘電体を詰めると電波は √εs 分の1の速さになり、同じ長さでの位相の回り方は √εs 倍になる。εs 倍とした選択肢4が誤りである。
選択肢 1— 答えではない
正しい。内外の導体で TEM 波を導くので遮断周波数が無く、直流から使える。上限は高次モードが立ち始める周波数で決まる。
選択肢 2— 答えではない
正しい。導体の抵抗は表皮効果で √f に比例して増え、誘電体での損失は周波数に比例して増える。高い周波数では誘電体損の比重が大きくなる。
選択肢 3— 答えではない
正しい。特性インピーダンスは √(L/C) で、誘電体を詰めると C が εs 倍になるので 1/√εs 倍になる。
選択肢 4◎ これが答え
誤っている。位相定数は ω√(LC) で、C が εs 倍になれば √εs 倍になる。εs 倍ではない。
選択肢 5— 答えではない
正しい。TEM 波の次に現れるのは遮断波長の最も長い TE11 波である。これが伝わり始める周波数より上ではモードが混ざるので使わない。
正答は選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 誘電体の効き方は、特性インピーダンスも位相定数も平方根で効く。片方だけ平方根を外した記述に注意する。
- FB701 A-9 は同じ5記述のうち損失の記述の書き方だけが違う。あちらでも誤りは位相定数の記述だった。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路減衰定数・同軸線路・比誘電率・TEM波・遮断波長・遮断周波数
- 電磁界の続論とマイクロ波回路減衰定数・同軸線路・TEM波・遮断波長・遮断周波数
- アンテナ方式図鑑比誘電率・遮断波長・遮断周波数