一陸技|無線工学B|過去問
平成29年1月期 A-3
要点(wavelane の要約): 送受で利得が変わらない理由、対向した2基の間の受信電力の求め方、微小ダイポールと半波長ダイポールの絶対利得の真数とデシベル値、同じ素子を並べたときの指向性の掛け算を並べ、数値の組が合わない記述を1つ選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-3 次の記述は、アンテナの利得と指向性及び受信電力について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 受信アンテナの利得や指向性は、可逆の定理により、送信アンテナとして用いた場合と同じである。 2 自由空間中で送信アンテナに受信アンテナを対向させて電波を受信するときの受信電力は、フリスの伝達公式により求めることができる。 3 微小ダイポールの絶対利得は、等方性アンテナの約 1.5 倍であり、約 1.76〔dB〕である。 4 半波長ダイポールアンテナの絶対利得は、等方性アンテナの約 2.15 倍であり、約 3.32〔dB〕である。 5 一般に同じアンテナを複数個並べたアンテナの指向性は、アンテナ単体の指向性に配列指向係数を掛けたものに等しい。
出典: 平成29年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB901)A-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
微小ダイポールの絶対利得 1.5 倍 = 1.76 dB は正しいが、半波長ダイポールは 1.64 倍 = 2.15 dB である。選択肢4はデシベルの値を真数の欄へずらしている。
選択肢 1— 答えではない
正しい。アンテナは可逆(相反)な素子なので、送信で測った指向性や利得は受信でもそのまま成り立つ。
選択肢 2— 答えではない
正しい。自由空間で向かい合わせた2基の間では、受信電力は送信電力・両者の利得・距離・波長で決まる。これがフリスの伝達公式である。
選択肢 3— 答えではない
正しい。微小ダイポールの指向性利得は 3/2 で、10log10 1.5 = 1.76 dB になる。
選択肢 4◎ これが答え
誤っている。半波長ダイポールの絶対利得は約 1.64 倍で、デシベルにすると約 2.15 dB である。2.15 を真数として扱うと 3.32 dB という値が出てしまう。
選択肢 5— 答えではない
正しい。同じ素子を並べたときの指向性は、素子1本の指向性と、素子を点波源とみなした配列の指向性の積になる(指向性相乗の理)。
正答は選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 2.15 は dB の値で、真数は 1.64 である。どちらの欄の数字かを取り違えない。
- 半波長ダイポールは微小ダイポールより少しだけ鋭い。1.5 と 1.64、1.76 dB と 2.15 dB の差は 0.39 dB にすぎない。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・配列指向係数(アレーファクタ)・フリスの伝達公式・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール・等方性アンテナ・アンテナの可逆性
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・配列指向係数(アレーファクタ)・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナ利得アンテナ利得・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール・等方性アンテナ