一陸技|無線工学B|過去問
令和8年7月期 A-16
要点(wavelane の要約): 電子密度の変化で屈折率がどうなるか、隣り合う層の屈折の関係式、入射角と屈折角の大小を追い、電波が戻ってくる仕組みを説明させる問題。
原文(公式問題文)
A-16 次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 電離層の電子密度 N の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。N が零のとき、電波の屈折率 n はほぼ1であり、N が最大のとき、n は[ A ]となる。 (2) N が高さと共に徐々に増加している電離層内の N が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を ni、上の層の屈折率を nr、入射角を i、屈折角を r とすれば、nr は、nr = ni ×[ B ]で表される。 (3) このときの r は i より[ C ]ので、N が十分大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。 A B C 1 最大 sin r / sin i 大きい 2 最大 cos i / cos r 小さい 3 最小 sin i / sin r 大きい 4 最大 sin i / sin r 大きい 5 最小 sin r / sin i 小さい
出典: 令和8年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB807)A-16(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
電離層で電波が曲げられて戻ってくる仕組みを、屈折率とスネルの法則で追う。
- 空欄 A: 最小
- 屈折率は電子密度が増えるほど1から下がっていく。電子密度が最大の高さで屈折率は最小になる。
- 空欄 B: sin i / sin r
- スネルの法則を上の層の屈折率について解いた形である。入射側と屈折側のどちらが分子に来るかで向きが決まる。
- 空欄 C: 大きい
- 上の層ほど屈折率が小さいので、B の式から屈折角の正弦のほうが大きくなる。つまり波は法線から離れる向きへ曲がり、上へ行くほど寝ていって、やがて下向きに戻る。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 電子密度が大きいほど屈折率は小さい。この向きを逆にすると以降がすべて反転する。
- 「下に向かって曲げられる」という結論に合うのは、屈折角が入射角より大きい場合である。結論から逆にCを確かめられる。
理由から確かめる
- 伝搬の特論電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- マクスウェルの方程式 徹底解説屈折率・スネルの法則(屈折の法則)