一陸技|無線工学B|過去問
令和8年7月期 A-17
要点(wavelane の要約): 衛星との回線で効く大気と電離圏の影響について、仰角依存、周波数依存、屈折率の振る舞い、短周期変動の呼び名を並べ、誤りを1つ選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-17 次の記述は、地上と衛星間の電波伝搬における対流圏及び電離圏の影響について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 大気の屈折率は、常時変動しているので電波の到来方向もそれに応じて変動し、シンチレーションの原因となる。 2 大気による減衰は、晴天時の水滴を含まない大気の場合には衛星の仰角が低いほど大きくなる。 3 電離圏による第1種減衰は、超短波(VHF)帯以上の周波数では、周波数が高くなるにつれて減少する。 4 電離圏の屈折率は、周波数が低くなると1に近づく。 5 電波が電離圏を通過する際、その振幅、位相などに短周期の不規則な変動を生じる場合があり、これを電離圏シンチレーションという。
出典: 令和8年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB807)A-17(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 4
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
地上と衛星の間の伝搬で、対流圏と電離圏が及ぼす影響を問う。電離圏の屈折率が周波数とともにどちらへ向かうかが分かれ目。
選択肢 1— 答えではない
屈折率が細かく揺れると到来方向も揺れる。これが対流圏シンチレーションの説明で、正しい。
選択肢 2— 答えではない
仰角が低いほど電波が大気の中を通る距離が長くなるので、水滴が無くても減衰は増える。正しい。
選択肢 3— 答えではない
第1種減衰は周波数の2乗に反比例するので、VHF帯より上では周波数を上げるほど小さくなる。正しい。
選択肢 4◎ これが答え
電離圏の屈折率は n = √(1 − 81N/f²) の形で、f を大きくすると第2項が消えて 1 に近づく。低くすると 1 から離れるので、この記述は向きが逆で誤り。
選択肢 5— 答えではない
電離圏の電子密度が細かく変動すると、振幅や位相が短い周期で揺れる。電離圏シンチレーションの説明で、正しい。
正答は選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 電離圏は周波数が高いほど「無い」に近づく(屈折率が1へ、減衰も小さく)。この一本の向きで選択肢3と4をまとめて判断できる。
- シンチレーションは対流圏でも電離圏でも起こる。原因が屈折率の揺れか電子密度の揺れかで区別する。