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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和7年1月期 B-4

要点(wavelane の要約): 山頂を越える経路が大地反射の有無で4通りに分かれることを出発点に、各経路へ掛かる係数の呼び名、4項目の最後の形、位相差2つを含む項、括弧をまとめた形、そして送受両側の高さと山頂の高さで書いた最後の因子を語群から選ばせる問題。

FB701 B-45点(ア〜オ 各1点)

原文(公式問題文)

B-4 次の記述は、超短波(VHF)帯の地上伝搬において、伝搬路上に山岳がある場合の電界強度について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 図において、送信点 A から山頂の点 M を通って受信点 B に到達する通路は、①AMB、②AP1MB、③AMP2B、④AP1MP2B の 4 通りある。この各通路に対応して、それぞれの [ ア ] を、Ṡ1、Ṡ2、Ṡ3、Ṡ4 とすれば、受信点 B における電界強度 Ė は、次式で表される。ただし、山岳がない場合の受信点の自由空間電界強度を Ė0〔V/m〕、大地の反射点 P1 及び P2 における大地反射係数をそれぞれ Ṙ1、Ṙ2 とする。  Ė = Ė0(Ṡ1 + Ṙ1Ṡ2 + Ṙ2Ṡ3 + [ イ ])〔V/m〕 ・・・・・・① (2) 送信点 A から山頂の点 M までの直接波と大地反射波の位相差を φ1〔rad〕及び山頂の点 M から受信点 B までの直接波と大地反射波の位相差を φ2〔rad〕とし、Ṙ1 = Ṙ2 = −1、|Ṡ| = |Ṡ1| = |Ṡ2| = |Ṡ3| = |Ṡ4| とすれば、式①は、次式で表される。  Ė = Ė0 × |Ṡ| × {1 − e^(−jφ1) − e^(−jφ2) + [ ウ ]}〔V/m〕 ・・・②  式②を書き換えると次式で表される。  Ė = Ė0 × |Ṡ| × (1 − e^(−jφ1))([ エ ])〔V/m〕 ・・・・・・③ (3) 式③を、電波の波長 λ〔m〕、送受信アンテナ高 h1〔m〕、h2〔m〕、山頂の高さ H〔m〕、送受信点から山頂直下までのそれぞれの水平距離 d1〔m〕及び d2〔m〕を使って書き直すと、受信電界強度の絶対値 E は、近似的に次式で表される。  E ≒ |Ė0| × |Ṡ| × |2 sin(2πh1H/(λd1))| × [ オ ]〔V/m〕

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

1 回折係数  2 Ṙ1Ṙ2Ṡ4²  3 e^(−j(φ1−φ2))  4 1 − e^(−jφ2)  5 |2 sin(2πh2H/(λd2))| 6 散乱係数  7 Ṙ1Ṙ2Ṡ4   8 e^(−j(φ1+φ2))  9 1 + e^(−jφ2)  10 |2 cos(2πh2H/(λd2))|

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): 山岳がある伝搬路の断面。左に高さ h1 の送信点 A、中央に高さ H の山頂 M、右に高さ h2 の受信点 B がある。送信側の大地反射点が P1、受信側が P2 で、直接の経路と大地反射を含む経路が描かれている。A と山頂直下の水平距離が d1、山頂直下と B の水平距離が d2 である。

出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

ア〜オそれぞれに入る語を、上の原文の語群番号から選ぶ
ア
イ
ウ
エ
オ
解かずに正答と解説を見る

正答: ア 1/イ 7/ウ 8/エ 4/オ 5

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

山頂を越える経路が大地反射の有無で 4 通りに分かれる。4 項の和を送信側と受信側の積へまとめ、最後に高さと距離で書き直す。

ア: 解答 1(回折係数)
山頂の稜線で電波が回り込むぶんの割合を表す係数である。散乱は屈折率の不規則な媒質などに当たって四方へばらける現象の呼び名で、稜線を回り込む現象を表す語ではない。
イ: 解答 7(Ṙ1Ṙ2Ṡ4)
4 番目の経路は、送信側と受信側の両方で大地反射を経る。だから 2 つの反射係数が掛かる。回り込みはどの経路でも山頂で 1 回だけなので、その係数を 2 乗する形にはならない。
ウ: 解答 8(e^(−j(φ1+φ2)))
反射係数を −1 と置くと、片側だけで反射する 2 つの項が負になり、両側で反射する項は (−1)×(−1) で正に戻る。その項が受ける位相の遅れは、送信側と受信側の位相差を両方足したものになる。差の形では、片側だけ反射した波と区別がつかなくなる。
エ: 解答 4(1 − e^(−jφ2))
4 つの項は、送信側の 2 通りと受信側の 2 通りを掛け合わせたものである。だから式②は、送信側の括弧と受信側の括弧の積へまとめられる。実際に展開すれば元の 4 項に戻る。和の形の候補では符号が合わず、展開しても式②にならない。
オ: 解答 5(|2 sin(2πh2H/(λd2))|)
大きさを取ると、1 から指数関数を引いた形は必ず 2 と正弦の積になり、正弦の中身は位相差の半分になる。位相差は送信側が 4πh1H/(λd1)、受信側が 4πh2H/(λd2) なので、半分にすると分子の 4 が 2 に変わる。受信側の因子は受信点側の高さと水平距離で書けるので、この形になる。余弦の形は、この変形からは出てこない。

ア〜オの解答は 1・7・8・4・5 である。

つまずきやすい点

  • 4 通りの経路は、送信側の 2 通りと受信側の 2 通りの組合せである。だから和の形は積の形へまとめられ、それが最後の 2 つの正弦の因子につながる。
  • 位相差そのものと、大きさに現れる正弦の中身は 2 倍違う。半分の角になることを忘れると、係数が 4 のままの式を選んでしまう。
  • 回り込みの係数はどの経路でも 1 回だけ、反射係数は経路によって 0 回・1 回・2 回である。2 乗になるのは反射係数のほうだけである。