一陸技|無線工学B|過去問
令和7年1月期 B-2
要点(wavelane の要約): 進む向きに電界と磁界の成分があるかどうか、それらの振動の位相関係、方形の管の中を伝われるか、真空での電界と磁界の比、そして進む速さを光と比べた結果を語群から選ばせる問題。
FB701 B-25点(ア〜オ 各1点)
原文(公式問題文)
B-2 次の記述は、TEM 波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 電磁波の伝搬方向に電界及び磁界成分を [ ア ] 横波である。 (2) 電磁波の伝搬方向に直角な平面内では、電界と磁界が常に [ イ ] で振動する。 (3) 導波管中を伝搬 [ ウ ]。 (4) 真空の固有インピーダンスは、約 [ エ ]〔Ω〕である。 (5) 位相速度は、光の速度と [ オ ]。 1 異なる 2 逆相 3 120π 4 持たない 5 できる 6 等しい 7 同相 8 90π 9 できない 10 持つ
出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)B-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 4/イ 7/ウ 9/エ 3/オ 6
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
TEM 波の定義と性質を 5 つ確かめる。進む向きに成分を持たないこと、中空の管では成り立たないこと、真空での比と速度が順に決まる。
- ア: 解答 4(持たない)
- 横電磁波という名前のとおり、電界も磁界も進む向きの成分を持たない。どちらか一方だけが進行方向の成分を持つのが TE 波・TM 波で、両方とも持たない特別な場合がこれにあたる。
- イ: 解答 7(同相)
- 電界と磁界が同じ位相で振れるからこそ、両者の積で決まる電力の流れが常に進行方向を向き、平均して電力が運ばれる。位相が 90 度ずれていれば行き来するだけで正味の電力が進まず、逆相では流れの向きが反対になってしまう。
- ウ: 解答 9(できない)
- TEM 波が成り立つには導体が 2 本要る。中空の方形導波管は導体が 1 本しかなく、電位差の相手がないので TEM 波は存在できない。管の中を進めるのは TE 波か TM 波である。同軸や平行二線が TEM 波を伝えられるのは、導体が 2 本あるからである。
- エ: 解答 3(120π)
- 真空の固有インピーダンスは、透磁率を誘電率で割った値の平方根で、約 377 Ω になる。これを円周率で表した形がこの値である。もう一方の候補は約 283 Ω で、覚え違いを誘うために置かれている。
- オ: 解答 6(等しい)
- 真空中の位相速度は、透磁率と誘電率の積の平方根の逆数、すなわち光の速さそのものである。導波管の TE 波・TM 波では位相速度が光速を超えてしまうのと対照的で、この違いが TEM 波の素直さを表している。
ア〜オの解答は 4・7・9・3・6 である。
つまずきやすい点
- TEM 波を伝えるには導体が 2 本要る。同軸と平行二線は伝えられるが、中空の導波管は伝えられない、と対で覚える。
- 固有インピーダンスは約 377 Ω である。円周率を使った表し方の係数を取り違えると、300 Ω 前後の別の値になってしまう。
- 位相速度が光速に等しいのは真空中の話である。誘電体を満たせば比誘電率の平方根ぶんだけ遅くなる。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路固有インピーダンス・位相速度・平面波・TEM波・導波管の伝送モード
- マクスウェルの方程式 徹底解説固有インピーダンス・位相速度・平面波・TEM波
- アンテナ方式図鑑固有インピーダンス・位相速度・平面波