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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和7年1月期 B-1

要点(wavelane の要約): 同じ素子を2本並べた系の相対利得を順に組み立てさせる問題。入力インピーダンスを自己と相互の和で書き、基準アンテナと2素子系それぞれの電界の2乗を供給電力で割った量を並べ、比をとって残る抵抗分の式と、その値を左右する寸法を語群から選ばせる。

FB701 B-15点(ア〜オ 各1点)

原文(公式問題文)

B-1 次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナ A 及び B で構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得 G (真数)は、アンテナ系に電力 P〔W〕を供給したときの十分遠方の点 O における電界強度を E〔V/m〕とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力 P0〔W〕を供給したときの点 O における電界強度を E0〔V/m〕とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。  G = (|E|²/P)/(|E0|²/P0) = M/M0 ・・・・・・① ただし、M = |E|²/P、M0 = |E0|²/P0 とする。 (1) アンテナ A 及び B の入力インピーダンスは等しく、これを Zi〔Ω〕、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ Z11〔Ω〕、Z12〔Ω〕とすれば、Zi は、次式で表される。  Zi = [ ア ]〔Ω〕 ・・・・・・② (2) アンテナ A と同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を I〔A〕、Z11 の抵抗分を R11〔Ω〕とすれば、M0 は、次式で表される。  M0 = [ イ ] ・・・・・・③ (3) アンテナ A 及び B にそれぞれ I を供給すれば、M は、次式で表される。ただし、Z12 の抵抗分を R12〔Ω〕とする。  M = [ ウ ] ・・・・・・④ (4) 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得 G は、次式によって求められる。  G = [ エ ] ・・・・・・⑤ (5) 式⑤において、R11 は一定値であるから、G は R12 のみの関数となる。R12 の値は [ オ ] によって変わるので、[ オ ] の大きさにより G を変えることができる。

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

1 |E0|²/(R11|I|)    2 Z11 + Z12  3 R11/(2(R11+R12))  4 I  5 |2E0|²/(2(R11+R12)|I|²) 6 2(Z11 + Z12)     7 |E0|²/(R11|I|²)  8 2R11/(R11+R12)  9 d  10 |E0|²/(2(R11+R12)²|I|²)

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): 同一の半波長ダイポールアンテナ A と B を平行に並べたアンテナ系。素子の全長はどちらも λ/2 で、間隔は d である。両素子の給電点は給電線で結ばれ、その中間に電源がある。各素子には電流 I が流れ、素子から見た入力インピーダンスが Zi と記入されている。

出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)B-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

ア〜オそれぞれに入る語を、上の原文の語群番号から選ぶ
ア
イ
ウ
エ
オ
解かずに正答と解説を見る

正答: ア 2/イ 7/ウ 5/エ 8/オ 9

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

同じ素子を 2 本並べた系の利得を、入力インピーダンス → 基準側の量 → 2 素子側の量 → 比、の順に組み立てる。最後に残るのは相互インピーダンスの抵抗分だけである。

ア: 解答 2(Z11 + Z12)
2 本へ同じ大きさ・同じ位相の電流を流すと、片方の給電点の電圧は、自分自身によるぶんと、相手から誘起されるぶんの和になる。電流が共通なので、電圧を電流で割った入力インピーダンスは 2 つのインピーダンスの和そのものになる。2 倍した形は、2 素子をまとめて 1 つの入力端として見たときの値で、図のように各素子の給電点から見た量ではない。
イ: 解答 7(|E0|²/(R11|I|²))
基準アンテナは同じ半波長ダイポール 1 本で、電流 I を流したときに供給される電力は、自己インピーダンスの抵抗分と電流の2乗の積になる。M0 はその電力で電界の2乗を割った量なので、分母には電流の2乗が要る。1 乗の形では電力の次元にならず、比を取ったときに電流が消えない。
ウ: 解答 5(|2E0|²/(2(R11+R12)|I|²))
十分遠方の点 O は 2 本から等距離にあり、同じ電流が同じ位相で流れているので、電界は基準アンテナ 1 本のときの 2 倍になる。一方の電力は、抵抗分が (R11 + R12) の素子が 2 本ぶんなので、その 2 倍である。分子に電界の2乗、分母に電力を置いた形がこれにあたる。
エ: 解答 8(2R11/(R11+R12))
式③と④の比を取ると、電界の2乗と電流の2乗が約分されて消える。残るのは分子の 4 と分母の 2 の比、すなわち 2 と、抵抗分どうしの比である。素子が十分離れて相互インピーダンスが零になれば値は 2、つまり 3 dB になり、2 本ぶんの電力を同じ方向へそろえた結果と一致する。
オ: 解答 9(d)
相互インピーダンスは、相手の素子が作る電界が自分の上にどう分布するかで決まるので、2 本の間隔で変わる。図で間隔として記入されているのがこの記号である。電流は式⑤の中で約分されて消えているので、電流の大きさを変えても利得は変わらない。

ア〜オの解答は 2・7・5・8・9 である。

つまずきやすい点

  • 分母は電力なので、電流は必ず2乗で入る。1 乗の形を選ぶと、比を取ったときに電流が残り、利得が電流の大きさで変わることになってしまう。
  • 2 素子系の電力は、1 素子ぶんを 2 倍する。この 2 を忘れると利得が 2 倍に出る。分子側の電界も 2 倍になっているので、2 つの 2 を別々に扱う。
  • 相互インピーダンスの抵抗分は、間隔によって正にも負にもなる。だから利得は 2 より大きくも小さくもなり、「2 本だから必ず 2 倍」ではない。