一陸技|無線工学B|過去問
令和7年1月期 A-16
要点(wavelane の要約): 電界が入射面に平行な場合の反射係数の式を見て、分子が零になる屈折率の条件、そのときの入射角の呼び名、入射角と屈折角を足した値を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-16 次の記述は、図に示すように真空中(媒質Ⅰ)から誘電率が ε〔F/m〕の媒質(媒質Ⅱ)との境界に平面波が入射したときの反射について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、境界面は、直角座標の xz 面に一致させ、入射面は xy 面に平行で、電界及び磁界の関係は図に示すとおりとする。また、媒質Ⅱの屈折率を n、透磁率は真空中と同じとし、媒質Ⅰ及びⅡの導電率は零とする。 (1) 図に示すように電界が入射面に平行である場合の反射係数 R は、次式で表される。 R = Er/Ei = (n²cos i − √(n²−sin²i))/(n²cos i + √(n²−sin²i)) (2) 上式において、n = [ A ] の時、反射係数 R が零となり、反射波がないことになる。このときの入射角を [ B ] といい、このときの入射角と屈折角の和は [ C ]〔°〕である。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 tan i ブルースター角 120 2 tan i グレージング角 120 3 tan i ブルースター角 90 4 cot i グレージング角 90 5 cot i ブルースター角 90
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)A-16(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
電界が入射面に平行な波の反射係数が零になる条件を式から出し、その入射角の呼び名と、入射角と屈折角の和を決める。
- 空欄 A: tan i
- 反射係数が零になるのは分子が零のときである。両辺を 2 乗し、正弦の 2 乗を余弦の 2 乗で置き換えて整理すると、屈折率の 2 乗が入射角の正接の 2 乗に等しいという形だけが残る。屈折率は正なので正接そのものになる。逆数の候補にすると、屈折率が大きい媒質ほど反射の消える入射角が小さくなるという、実際と反対の関係になってしまう。
- 空欄 B: ブルースター角
- 反射が消える入射角が現れるのは、電界が入射面に平行な場合だけである。その角度の呼び名がこれにあたる。グレージング角は境界面をかすめる向きを指す語で、かすめ入射ではむしろ反射が最も強くなるので、反射が消える角の名前にはならない。
- 空欄 C: 90
- 屈折の法則に A で求めた屈折率を入れると、屈折角の正弦が入射角の余弦に等しくなる。つまり屈折角は 90 度から入射角を引いた値で、2 つの和は 90 度になる。このとき反射波の向きと屈折波の向きが直角に交わる。媒質の中で揺さぶられた電荷は自分の振動方向へは電波を出せないので、ちょうどその向きにあたる反射波が消える、という説明とも合う。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 入射角は境界面の法線から測る。地面からの見上げ角と取り違えると、反射が消える角度とかすめ入射の関係が逆に見える。
- 反射が消える入射角があるのは、電界が入射面に平行な場合(大地に対しては垂直偏波)だけである。電界が境界面に沿う場合には、この角度は現れない。
- 反射波と屈折波が直角になる、と言い換えて覚えておくと、和が 90 度になる理由まで一続きで思い出せる。
理由から確かめる
- マクスウェルの方程式 徹底解説ブルースター角・平面波・反射係数・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- アンテナ方式図鑑平面波・屈折率
- アンテナ・電波測定の基礎平面波・反射係数