一陸技|無線工学B|過去問
令和7年1月期 A-8
要点(wavelane の要約): 基板の上に細い導体を載せた開放構造の線路について、放射損を抑えるための基板の選び方、扱ってよい伝送モード、導体の幅と特性インピーダンスの増減の向きを組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-8 次の記述は、図に示すマイクロストリップ線路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 開放線路の一種であるので、外部雑音の影響や放射損がある。放射損を少なくするために、比誘電率の [ A ] 誘電体基板を用いる。 (2) 伝送モードは、通常、ほぼ [ B ] モードとして扱うことができる。 (3) 誘電体基板の比誘電率、ストリップ導体の厚さ及び誘電体基板の厚さが変わらないとき、特性インピーダンスは、ストリップ導体の幅 W〔m〕が [ C ] なるほど小さくなる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 大きい TEM 狭く 2 大きい TEM 広く 3 大きい TE 広く 4 小さい TE 狭く 5 小さい TEM 狭く
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)A-8(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
基板の上に細い導体を載せた開放構造の線路について、基板の選び方、扱ってよい伝送モード、導体の幅と特性インピーダンスの向きを問う。
- 空欄 A: 大きい
- 比誘電率が大きいほど電磁界は基板の中へ引き寄せられ、上側の開いた空間へしみ出すぶんが減る。外へ漏れて出ていく損を抑えたいなら、大きいほうを選ぶ。小さい基板は電磁界が広がりやすく、放射も増える。
- 空欄 B: TEM
- ストリップ導体と地板という 2 枚の導体があるので、その間を進む波はほぼ横電磁波として扱える。厳密には基板と空気にまたがるため純粋ではなく準 TEM と呼ばれるが、通常の扱いはこれでよい。TE として扱うのは、導体が 1 本しかない中空の導波管である。
- 空欄 C: 広く
- 導体の幅を広げると地板と向かい合う面積が増えるので、単位長さあたりの容量が増え、インダクタンスは減る。特性インピーダンスは両者の比の平方根なので下がる。同軸で内部導体を太くすると下がるのと同じ向きである。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 幅を広げると特性インピーダンスは下がる。向かい合う面積が増えて容量が増える、という筋道で覚えると、寸法と値の向きを取り違えない。
- 準 TEM として扱えるのは、基板が波長に比べて十分薄いときである。周波数を上げると基板側と空気側で波の進み方の差が効いてきて、この扱いが崩れる。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路特性インピーダンス・マイクロストリップ線路・比誘電率・TEM波
- アンテナ・電波測定の基礎特性インピーダンス・比誘電率
- 複素数と複素インピーダンス 徹底入門特性インピーダンス