一陸技|無線工学B|過去問
令和7年1月期 A-2
要点(wavelane の要約): 送受を入れ替えても利得と指向性が変わらない根拠の名前、素子を2個並べたときに単体の指向性へ掛かる係数の呼び名、そして基準を等方性からダイポールへ替えたときの真数を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-2 次の記述は、アンテナの利得及び指向性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 受信アンテナの利得及び指向性は、[ A ] により、それを送信アンテナとして使用したときの利得及び指向性と同じである。 (2) 同じアンテナを直線上で同じ方向に2個並べたアンテナの指向性は、アンテナ単体の指向性に [ B ] を掛けたものに等しい。 (3) 等方性アンテナの半波長ダイポールアンテナに対する相対利得は、約 [ C ] (真数)である。 A B C 1 バビネの原理 利得係数 1.64 2 バビネの原理 配列指向係数(アレーファクタ) 0.61 3 可逆定理 利得係数 0.61 4 可逆定理 配列指向係数(アレーファクタ) 0.61 5 可逆定理 配列指向係数(アレーファクタ) 1.64
出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)A-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 4
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
利得と指向性の基本を 3 か所で問う。送受を入れ替えてよい根拠、素子を並べたときに掛かる係数、そして基準を入れ替えたときの真数が順に決まる。
- 空欄 A: 可逆定理
- 送信に使ったときと受信に使ったときで、利得と指向性が変わらないことを保証するのがこの定理である。測定で被測定アンテナを送受どちらに置いてもよいのも、この性質による。バビネの原理は、スロットとそれを補い合う形の導体アンテナを結びつける関係で、送受の入れ替えの話ではない。
- 空欄 B: 配列指向係数(アレーファクタ)
- 素子を並べたときの合成指向性は、素子 1 個の指向性と、素子を無指向性の点に置き替えた並びの指向性との積になる。後者にあたるのがこの係数である。利得係数という語は、この積への分解には出てこない。
- 空欄 C: 0.61
- 半波長ダイポールの等方性アンテナに対する利得が約 1.64(2.15 dB)である。ここで問われているのは基準と対象が入れ替わった側なので、その逆数の 1/1.64 = 0.61 になる。1.64 のままだと、等方性アンテナのほうが半波長ダイポールより利得が高いことになってしまう。
この組合せになっているのは選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 相対利得は「何を基準にしたか」で逆数になる。1.64 と 0.61 はどちらも実在する値なので、どちらが分母かを問題文で先に確かめる。
- 積の形に分解できるのは、同じ形・同じ向きの素子を並べたときである。分解したあとの並び側は無指向性の点として扱うので、素子の指向性を二重に掛けない。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・配列指向係数(アレーファクタ)・半波長ダイポールアンテナ・等方性アンテナ・アンテナの可逆性
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・配列指向係数(アレーファクタ)・半波長ダイポールアンテナ・等方性アンテナ
- アンテナ利得アンテナ利得・半波長ダイポールアンテナ・等方性アンテナ