一陸技|無線工学B|過去問
令和7年1月期 A-1
要点(wavelane の要約): 距離の1乗・2乗・3乗で減る3つの成分が並んだ式を見て、3者の大きさが釣り合う距離と、波長だけ離れた点での大きさの比を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-1 次の記述は、自由空間に置かれた微小ダイポールを正弦波電流で励振した場合に発生する電界について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 微小ダイポールの長さを l〔m〕、微小ダイポールを流れる電流を I〔A〕、角周波数を ω〔rad/s〕、波長を λ〔m〕、微小ダイポールの電流が流れる方向と微小ダイポールの中心から距離 r〔m〕の任意の点 P を見た方向とがなす角度を θ〔rad〕とすると、放射電界、誘導電界及び静電界の 3 つの成分からなる点 P における微小ダイポールによる電界強度 Eθ は、次式で表される。 Eθ = (j60πIl sinθ/λ)(1/r − jλ/(2πr²) − λ²/(4π²r³))e^(j(ωt−2πr/λ))〔V/m〕 ・・・・・・① (2) Eθ の放射電界の大きさを|E1|〔V/m〕、Eθ の誘導電界の大きさを|E2|〔V/m〕、Eθ の静電界の大きさを|E3|〔V/m〕とすると、|E1|、|E2|、|E3| は、式①より微小ダイポールの中心からの距離 r が [ A ]〔m〕のとき等しくなる。 (3) 微小ダイポールの中心からの距離 r = λ〔m〕のとき、|E1|、|E2|、|E3| の比は、式①より|E1|:|E2|:|E3| ≒ [ B ] となる。 A B 1 λ/π 0.004:0.063:1 2 λ/π 1:0.032:0.001 3 λ/(2π) 1:0.159:0.025 4 λ/(2π) 0.004:0.063:1 5 λ/(2π) 1:0.032:0.001
出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)A-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
距離の 1 乗・2 乗・3 乗で減る 3 つの成分。隣どうしの比がいつも同じ形になることに気づけば、等しくなる距離も波長離れた点での比も一続きで出る。
- 空欄 A: λ/(2π)
- 3 つの大きさは、括弧の中の各項の大きさに比例する。隣どうしの比を作ると、どちらも波長を距離と 2π で割った同じ形になる。3 つが等しくなるのはこの比が 1 になるときで、解くと波長を 2π で割った距離になる。円周率だけで割った候補ではこの比が 1/2 になり、3 つは等しくならない。
- 空欄 B: 1 : 0.159 : 0.025
- 隣どうしの比が共通なので、3 つの大きさは公比がその値の等比数列になる。距離を波長に等しく取ると公比は 1/(2π) = 0.159 で、3 つ目はその 2 乗の 0.0253 になる。公比が 0.032 になるのは距離が波長の 5 倍の点で、指定された距離とは違う。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 3 つの成分は、隣どうしが必ず同じ比で並ぶ。1 つずつ別々に計算するより、公比を 1 回出して 2 乗するほうが速く、取り違えも起きにくい。
- 分母の 2π と 4π² を落とさない。落とすと 3 つが等しくなる距離が波長そのものになり、どちらの候補とも合わなくなる。
- 遠方で残るのは、距離の 1 乗でしか減らない放射電界だけである。3 つ目が最も大きい並びは、アンテナのごく近くの姿を表している。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑電界強度・微小ダイポール・近傍界・遠方界の領域・波長と周波数の関係(λ=300/f)
- アンテナ・電波測定の基礎電界強度・微小ダイポール・近傍界・遠方界の領域・波長と周波数の関係(λ=300/f)
- 電界強度電界強度・微小ダイポール・波長と周波数の関係(λ=300/f)