一陸技|無線工学B|過去問
令和6年7月期 A-13
要点(wavelane の要約): 太い鉄塔の周りに単一指向性の素子を4個並べる方式について、合成した水平面の指向性の形、素子を置く円の半径を変えたときの変わり方、地上デジタル放送で使う素子の種類、垂直方向の指向性を作る並べ方を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-13 次の記述は、スキューアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) スキューアンテナは、鉄塔幅が波長に比べて非常に大きい場合や鉄塔に既に別のアンテナが設置されているため新たにその場所にアンテナを設置することが難しい場合などに用いられている。 (2) 単一指向性を持つアンテナ素子を複数個用いるもので、例えば、図に示すように、反射板付きダイポールアンテナ 4 個を中心が鉄塔の中心と同じ円の円周上に対称に配置するものがある。各アンテナから電波を円の接線方向に放射させ、これらの電波が合成されて水平面内でほぼ [ A ] の指向性が得られるようにしている。なお、水平面内の指向性は、アンテナ素子を配置した円の半径を変えると [ B ] に変化する。 (3) 地上デジタル放送用のアンテナを自立式鉄塔に設置する際に、アンテナ素子として、[ C ] アンテナを用いている例があり、この場合、必要な垂直方向の指向性を得るためには、複数のアンテナ素子を [ D ] に設置して電波の振幅や位相を調整している。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 8字形 不規則 双ループ 上下 2 8字形 周期的 パラボラ 同心円状 3 円形状 周期的 パラボラ 上下 4 円形状 不規則 パラボラ 同心円状 5 円形状 周期的 双ループ 上下
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和6年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB607)A-13(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
鉄塔の周りに単一指向性の素子を円周状に並べる方式。水平面の形は円周配置から、垂直面の形は上下の並べ方から、と2つの面を別々の自由度で作る。
- 空欄 A: 円形状
- 円周上に対称に置いた4個の素子が、それぞれ接線の向きへ電波を出す。4方向へ均等に出た成分が合わさるので、水平面内では特定の方向に偏らない、円に近い形になる。8字形は素子1本ぶんのパターンで、複数を円周へ並べた結果ではない。
- 空欄 B: 周期的
- 素子を置く円の半径を変えると、素子どうしの行路差が変わって強め合いと弱め合いの条件がずれる。行路差は半径に比例するので、半径を連続的に変えるとパターンは一定の間隔で似た形へ戻る。でたらめに変わるわけではない。
- 空欄 C: 双ループ
- 地上デジタル放送の送信用として鉄塔へ取り付けられているのは、2つのループを組み合わせた素子である。パラボラは開口面アンテナで、鉄塔の周囲へ並べて水平面をまんべんなく覆う用途には向かない。
- 空欄 D: 上下
- 垂直方向の指向性は、垂直に積み上げた素子の振幅と位相で作る。同心円状に並べても水平面内の形が変わるだけで、垂直面の指向性は作れない。
この組合せになっているのは選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- 円周上に並べて水平面をまんべんなく覆うのがこの方式の狙いである。合成後の形は円に近く、8字形にはならない。
- 水平面の形を決めるのは円の半径、垂直面の形を決めるのは上下の段数と位相である。2つの面を別々の自由度で作っていることを押さえると、A・B と D が同時に決まる。
理由から確かめる
- 実用アンテナの構造配列指向係数(アレーファクタ)・折返しダイポールアンテナ・フェーズドアレーアンテナ・スキューアンテナ
- アンテナ方式図鑑配列指向係数(アレーファクタ)・折返しダイポールアンテナ・フェーズドアレーアンテナ
- アンテナの指向性パターン配列指向係数(アレーファクタ)・フェーズドアレーアンテナ