本文へ移動
wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和6年7月期 A-12

要点(wavelane の要約): 誘電体で作るレンズについて、利用している速度の違い、屈折率と比誘電率の関係、屈折率が1より大きいときにとるレンズの形、表面での反射対策、厚みを段々に削る手法の効果を5つ並べ、誤りを1つ選ばせる問題。

FB607 A-125点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-12 次の記述は、誘電体レンズアンテナについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 電波の誘電体中の位相速度が自由空間中の位相速度と異なることを利用したアンテナである。 2 誘電体の屈折率は、誘電体の比誘電率を εr とすれば、√εr である。 3 誘電体レンズの屈折率が 1 より大きい場合、形状を凹レンズとして、球面波を平面波に変換する。 4 レンズの表面に整合層を設けることによって、レンズの表面で生ずる反射を抑えて放射パターンを改善できる。 5 ゾーニングを行うことによって、全体の重量を軽くするとともに、誘電損を少なくすることにより誘電体の媒質定数がアンテナ特性に与える影響を軽減することができる。

出典: 令和6年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB607)A-12(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

誤っているものの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 3

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

誘電体レンズの性質を5つ並べ、誤りを1つ選ぶ。屈折率が 1 より大きいか小さいかで、レンズの凹凸が反対になることが要点。

  • 選択肢 1— 答えではない

    誘電体の中では位相速度が自由空間より遅くなる。この速度差が光のレンズと同じ屈折を起こすので、原理の説明として正しい。

  • 選択肢 2— 答えではない

    屈折率は自由空間と媒質の位相速度の比であり、透磁率が真空と同じなら比誘電率の平方根に等しい。正しい。

  • 選択肢 3◎ これが答え

    屈折率が 1 より大きい媒質では、ガラスのレンズと同じで、広がる球面波を平面波へ直すには中央が厚い凸レンズにする。凹レンズを使うのは屈折率が 1 より小さい場合、すなわち金属板を並べて位相速度を速くしたレンズのほうである。形が逆なので誤り。

  • 選択肢 4— 答えではない

    誘電体の表面では屈折率の飛びによって反射が生じる。中間の屈折率を持つ層を挟めば反射が減り、放射パターンの乱れも小さくなる。正しい。

  • 選択肢 5— 答えではない

    ゾーニングは、位相を 1 波長ぶん戻せる厚みを段状に削り取ってレンズを薄くする手法である。軽くなると同時に電波が誘電体を通る距離も短くなるので、媒質による損失の影響が減る。正しい。

正答は選択肢 3 である。

つまずきやすい点

  • 誘電体レンズは屈折率が 1 より大きいので凸形、金属板を並べたレンズは屈折率が 1 より小さいので凹形になる。2種類のレンズで凹凸が逆であることを対で覚える。
  • ゾーニングは薄く軽くするための工夫で、代わりに使える周波数の幅が狭くなる。段差の厚みが波長で決まるためで、利点だけを覚えない。