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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和5年7月期 第1回 B-4

要点(wavelane の要約): 山頂を越える経路が送受それぞれの大地反射の有無で4通りに分かれることから、各経路に掛かる係数の呼び名、4本目の経路の項、2つの位相差を含む項、積の形へまとめた括弧、受信側の高さと山頂の高さで書いた最後の因子を語群から選ばせる問題。FB701 B-4 と同じ設問で、語群の番号の並びが違う。

FB507 B-45点(ア〜オ 各1点)

原文(公式問題文)

B-4 次の記述は、超短波(VHF)帯の地上伝搬において、伝搬路上に山岳がある場合の電界強度について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 図において、送信点 A から山頂の点 M を通って受信点 B に到達する通路は、①AMB、②AP1MB、③AMP2B、④AP1MP2B の 4 通りある。この各通路に対応して、それぞれの[ ア ]を、Ṡ1、Ṡ2、Ṡ3、Ṡ4 とすれば、受信点 B における電界強度 Ė は、次式で表される。ただし、山岳がない場合の受信点の自由空間電界強度を Ė0〔V/m〕、大地の反射点 P1 及び P2 における大地反射係数をそれぞれ Ṙ1、Ṙ2 とする。  Ė = Ė0(Ṡ1 + Ṙ1Ṡ2 + Ṙ2Ṡ3 + [ イ ])〔V/m〕 ・・・・・・・① (2) 送信点 A から山頂の点 M までの直接波と大地反射波の位相差を φ1〔rad〕及び山頂の点 M から受信点 B までの直接波と大地反射波の位相差を φ2〔rad〕とし、Ṙ1 = Ṙ2 = -1、|Ṡ| = |Ṡ1| = |Ṡ2| = |Ṡ3| = |Ṡ4| とすれば、式①は、次式で表される。  Ė = Ė0 × |Ṡ| × {1 - e^(-jφ1) - e^(-jφ2) + [ ウ ]}〔V/m〕 ・・・②  式②を書き換えると次式で表される。  Ė = Ė0 × |Ṡ| × (1 - e^(-jφ1))([ エ ])〔V/m〕 ・・・・・・・③ (3) 式③を、電波の波長 λ〔m〕、送受信アンテナ高 h1〔m〕、h2〔m〕、山頂の高さ H〔m〕、送受信点から山頂直下までのそれぞれの水平距離 d1〔m〕及び d2〔m〕を使って書き直すと、受信電界強度の絶対値 E は、近似的に次式で表される。  E ≒ |Ė0| × |Ṡ| × |2 sin(2πh1H/(λd1))| × [ オ ]〔V/m〕

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

1 散乱係数  2 Ṙ1Ṙ2Ṡ4²  3 e^(-j(φ1-φ2))  4 1 + e^(-jφ2)  5 |2 sin(2πh2H/(λd2))| 6 回折係数  7 Ṙ1Ṙ2Ṡ4   8 e^(-j(φ1+φ2))  9 1 - e^(-jφ2)  10 |2 cos(2πh2H/(λd2))|

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): 山岳がある伝搬路の断面。左に高さ h1 の送信点 A、中央に高さ H の山頂 M、右に高さ h2 の受信点 B がある。送信側の大地反射点が P1、受信側が P2 で、直接の経路と大地反射を含む経路が描かれている。A と山頂直下の水平距離が d1、山頂直下と B の水平距離が d2 である。

出典: 令和5年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB507)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

ア〜オそれぞれに入る語を、上の原文の語群番号から選ぶ
ア
イ
ウ
エ
オ
解かずに正答と解説を見る

正答: ア 6/イ 7/ウ 8/エ 9/オ 5

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

山頂を越える4本の経路を足し合わせ、反射係数を −1 と置くと、送信側と受信側の2波干渉の積にまとまる。最後の因子は受信側の高さと山頂の高さで書いた正弦になる。

ア: 解答 6(回折係数)
山頂の稜線で回り込んで届く経路なので、各経路に掛かるのは回折による減衰と位相を表す係数である。散乱で届く経路ではない。
イ: 解答 7(Ṙ1Ṙ2Ṡ4)
4本目の経路は送信側と受信側の両方で大地反射するので、反射係数を2つ掛ける。経路の係数は1回だけ掛かるので2乗にはならない。
ウ: 解答 8(e^(−j(φ1+φ2)))
反射係数が −1 の2回分で符号は + に戻り、位相は送信側と受信側の遅れが足される。指数は φ1 と φ2 の和になる。
エ: 解答 9(1 − e^(−jφ2))
4項は (1 − e^(−jφ1)) と (1 − e^(−jφ2)) の積に因数分解できる。展開すると元の4項に戻ることで確かめられる。
オ: 解答 5(|2 sin(2πh2H/(λd2))|)
受信側の括弧も送信側と同じ形で、大きさは 2|sin(φ2/2)| になる。山頂の高さ H が相手側の高さの役をするので、2波モデルの 2|sin(2πh1h2/(λd))| と同じ構造の正弦になる。

ア〜オの解答は 6・7・8・9・5 である。

つまずきやすい点

  • 語群の番号は FB701 B-4 と並びが違う。字句で覚えて番号で選ぶこと。
  • |1 − e^(−jφ)| は 2|sin(φ/2)| で、余弦ではない。反射係数 −1 で直接波と打ち消し合う形だからである。