一陸技|無線工学B|過去問
令和5年7月期 第1回 A-18
要点(wavelane の要約): 鋭いビームのアンテナで、電力が2つの面の半値幅の中に一様に出ると見なして指向性利得を近似する式を、ラジアン表記と度表記の2通りで選ばせ、度表記の式へ数値を入れたデシベル値まで組合せで答えさせる問題。各選択肢の値は自分の式とは辻褄が合うので、式そのものを知っている必要がある。
原文(公式問題文)
A-18 次の記述は、広帯域マイクロ波のペンシルビームアンテナの指向性利得を近似計算により求める手順について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、アンテナからの全電力が電界面内及び磁界面内で電力半値幅内に一様に放射されているものとする。また、log10 2 ≒ 0.3、log10 3 ≒ 0.48 とする。 (1) 指向性利得 Gd(真数)は、電界面内の電力パターンの電力半値幅を θE〔rad〕、磁界面内の電力パターンの電力半値幅を θH〔rad〕とすれば、次式で近似することができる。 Gd ≒ [ A ] ・・・・① また、θE と θH を〔°〕で表したものをそれぞれ θ1、θ2 とすると、Gd は次式で近似することができる。 Gd ≒ [ B ] ・・・・② (2) θ1 = 4.5〔°〕、θ2 = 4〔°〕であるとき、題意の数値を式②に代入して、デシベルで表せば、10log10 Gd ≒ [ C ]〔dB〕である。 A B C 1 4π/(θEθH) 40,000/(θ1θ2) 33 2 4π/(θE + θH) 720/(θ1 + θ2) 19 3 2π/(θEθH) 20,000/(θ1θ2) 30 4 2π/(θE + θH) 360/(θ1 + θ2) 13 5 π/(θEθH) 10,000/(θ1θ2) 27
出典: 令和5年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB507)A-18(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
全電力が2つの面の半値幅の中へ一様に出ると見なすと、指向性利得は全立体角 4π をビームの立体角 θEθH で割った値になる。度で書けば約 41,000/(θ1θ2) で、試験では 40,000 と丸める。
- 空欄 A: 4π/(θEθH)
- 電力が幅 θE×θH の立体角の中にだけ一様に出るなら、等方性アンテナ(全立体角 4π に一様)と比べた電力密度の比は 4π/(θEθH) である。
- 空欄 B: 40,000/(θ1θ2)
- ラジアンを度へ直すと 4π×(180/π)² ≒ 41,253 になり、近似式では 40,000 と丸めて使う。
- 空欄 C: 33
- 40,000/(4.5×4) = 40,000/18 ≒ 2,222。対数は log 2 と log 3 を使って 4 + 0.3 − 2×0.48 ≒ 3.34 になり、約 33 dB である。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 分母は2つの半値幅の積である。和にすると立体角にならず、次元も合わない。
- 他の選択肢の C の値も、その選択肢の式とは辻褄が合うように作ってある。計算だけでは選べないので、式そのものを押さえる。
理由から確かめる
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・ビーム幅・半値角・デシベルの定義と使い分け
- アンテナ利得アンテナ利得・ビーム幅・半値角・デシベルの定義と使い分け
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・ビーム幅・半値角・デシベルの定義と使い分け