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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和5年7月期 第1回 A-19

要点(wavelane の要約): 基準に使うアンテナの利得を、1基なら向かい合わせた反射板と鏡像で、2基なら対向させて、3基なら2基ずつ3通りの測定の連立で求める手順について、距離と波長で書いた係数2つと、連立を解いた式に残る電力の比を組合せで答えさせる問題。

FB507 A-195点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-19 次の記述は、利得の基準として用いられるマイクロ波標準アンテナの利得の校正法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、送信電力を Pt〔W〕、受信電力を Pr〔W〕及び波長を λ〔m〕とし、アンテナ及び給電回路の損失はないものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 標準アンテナが 1 個のみのときは、図に示すように、アンテナから距離 d〔m〕離して正対させた反射板を用いて利得を測定することができる。利得 G0 は、反射板のアンテナのある側と反対側に影像アンテナを考えれば、次式により求められる。  G0 = [ A ] × √(Pr/Pt) (2) 同じ標準アンテナが 2 個あるときは、一方を送信アンテナ、他方を受信アンテナとし、それぞれの偏波面を合わせ、最大指向方向を互いに対向させて利得を測定する。利得 G1 は、測定距離を d〔m〕とすれば、次式により求められる。  G1 = [ B ] × √(Pr/Pt) (3) 同じ標準アンテナが 3 個あるときは、アンテナ 2 個ずつの三通りの組合せで、(2)と同様に利得を測定する。測定距離を一定値 d〔m〕とし、アンテナ X、Y 及び Z の利得をそれぞれ GX、GY 及び GZ とすれば、以下の連立方程式が得られる。この連立方程式を解くことにより、各アンテナの利得が求められる。ただし、アンテナ X、Y 及び Z の送信電力を PtX〔W〕、PtY〔W〕及び PtZ〔W〕、受信電力を PrX〔W〕、PrY〔W〕及び PrZ〔W〕とする。  アンテナ X で送信、アンテナ Y で受信:GXGY = ([ B ])² × PrY/PtX ・・・①  アンテナ Y で送信、アンテナ Z で受信:GYGZ = ([ B ])² × PrZ/PtY ・・・②  アンテナ Z で送信、アンテナ X で受信:GZGX = ([ B ])² × PrX/PtZ ・・・③  GX を式①、②、③より解くと、次式が得られる。  GX = [ B ] × √((PrY/PtX) × ([ C ]) × (PrX/PtZ))

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

A    B    C 1 8πd/λ  4πd/λ  PtY/PrZ 2 8πd/λ  8πd/λ  PrZ/PtY 3 4πd/λ  4πd/λ  PrZ/PtY 4 4πd/λ  8πd/λ  PtY/PrZ 5 4πd/λ  8πd/λ  PrZ/PtY

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): 反射板を用いた利得測定の構成。発振器と受信機がサーキュレータを介して1基の被測定アンテナにつながり、アンテナの正面に反射板が正対して立っている。アンテナの開口から反射板までの距離が d である。

出典: 令和5年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB507)A-19(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

正しい組合せの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 1

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

反射板を使うと鏡の向こうの影像アンテナとの間で利得が同じ2基の測定になり、距離は 2d とみなせる。3基の測定は3つの式を掛け割りして1基の利得を取り出す。

空欄 A: 8πd/λ
反射板の向こう側の影像アンテナは自分と同じ利得で、距離は往復の 2d になる。フリスの式 G² = (4π×2d/λ)²×Pr/Pt を解くと G0 = (8πd/λ)√(Pr/Pt) になる。
空欄 B: 4πd/λ
同じ利得の2基を距離 d で向かい合わせると G² = (4πd/λ)²×Pr/Pt なので、G1 = (4πd/λ)√(Pr/Pt) である。
空欄 C: PtY/PrZ
式①と式③を掛けて式②で割ると GX² が残る。式②の電力比は割り算で逆数になるので、平方根の中には PtY/PrZ が入る。

この組合せになっているのは選択肢 1 である。

つまずきやすい点

  • 反射板までの距離 d をそのまま使うと 4πd/λ になってしまう。影像までの距離は 2d である。
  • 式②は割り算で使うので電力比は逆数になる。PrZ/PtY のまま掛けた選択肢に注意。