一陸技|無線工学B|過去問
令和5年1月期 第2回 A-15
要点(wavelane の要約): 電子密度が一番高いところで屈折率がどうなるか、隣り合う2層の境界での屈折の関係を上の層の屈折率について解いた形、入射角と屈折角の大小を追い、電波が曲がって地上へ戻る仕組みを組合せで答えさせる問題。FB807 A-16 と同じ問題で、空欄 A の切り方と選択肢が違う。
原文(公式問題文)
A-15 次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 電離層の電子密度 N の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。N が零のとき、電波の屈折率 n はほぼ 1 であり、N が[ A ]のとき、n は最小となる。 (2) N が高さと共に徐々に増加している電離層内の N が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を ni、上の層の屈折率を nr、入射角を i、屈折角を r とすれば、nr は、nr = ni ×[ B ]で表される。 (3) このときの r は i より[ C ]ので、N が十分大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。 A B C 1 最大 sin r / sin i 大きい 2 最大 cos i / cos r 小さい 3 最大 sin i / sin r 大きい 4 最小 sin i / sin r 大きい 5 最小 sin r / sin i 小さい
出典: 令和5年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB502)A-15(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
電子密度が最大のところで屈折率は最小になる。境界での屈折の法則を上の層の屈折率について解くと、入射角と屈折角の正弦の比が掛かる。屈折率が上ほど小さいので、屈折角は入射角より大きい。
- 空欄 A: 最大
- 電離層の屈折率は √(1 − 81N/f²) で、電子密度 N が大きいほど小さい。N が最大の高さで屈折率は最小になる。
- 空欄 B: sin i / sin r
- 境界では ni sin i = nr sin r が成り立つので、nr について解くと ni に sin i / sin r を掛けた形になる。
- 空欄 C: 大きい
- 上の層ほど屈折率が小さいので、正弦の比から屈折角は入射角より大きくなる。層を通るたびに電波が寝かされ、やがて下向きに戻る。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- B の正弦の比を逆にすると、屈折率の大小と角度の大小の関係が合わなくなる。
- FB807 A-16 は A の空欄を屈折率の側に置いていた。この期は電子密度の側を問うので、答えの字句が逆になる。
理由から確かめる
- 伝搬の特論電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- マクスウェルの方程式 徹底解説屈折率・スネルの法則(屈折の法則)