一陸技|無線工学B|過去問
令和4年1月期 第2回 B-4
要点(wavelane の要約): 導波管の壁に傾けた細長い孔を交互の向きで並べたアンテナについて、狭い壁を流れる電流の向き、管内の電界が反転する間隔、孔から出る何の向きが孔に垂直になるか、隣り合う孔で打ち消される成分、残る偏波を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナから放射される電波の偏波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、スロットアレーアンテナは xy 面に平行な面を大地に平行に置かれ、管内には TE10 モードの電磁波が伝搬しているものとし、管内波長は λg〔m〕とする。また、λg/2〔m〕の間隔で交互に傾斜方向を変えてスロットがあけられているものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) yz 面に平行な管壁には z 軸に [ ア ] な電流が流れており、スロットはこの電流の流れを妨げるので、電波を放射する。 (2) 管内における y 軸方向の電界分布は、管内波長の [ イ ] の間隔で反転しているので、管壁に流れる電流の方向も同じ間隔で反転している。交互に傾斜角の方向が変わるように開けられた各スロットから放射される電波の [ ウ ] の方向は、各スロットに垂直な方向となる。 (3) 隣り合う二つのスロットから放射された電波の電界をそれぞれ y 成分と z 成分に分解すると、[ エ ] は互いに逆向きであるが、もう一方の成分は同じ向きになる。このため、[ エ ] が打ち消され、もう一方の成分は加え合わされるので、偏波は [ オ ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 平行 2 1/2 3 電界 4 y 成分 5 水平偏波となる 6 垂直 7 1/4 8 磁界 9 z 成分 10 垂直偏波となる
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和4年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB402)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 2/ウ 3/エ 9/オ 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
TE10 モードでは狭い側壁に縦向きの電流が流れ、半管内波長ごとに向きが反転する。傾きを交互に変えたスロットからの電界は、縦成分が打ち消し合い、横成分(管軸方向)が加わって水平偏波になる。
- ア: 解答 1(平行)
- TE10 の電界は広い壁に垂直な z 方向を向き、狭い側壁(yz 面)には z 方向の電流が流れる。傾いたスロットがこの電流を横切るので放射が起こる。
- イ: 解答 2(1/2)
- 進行波の位相は半波長進むごとに反転する。管内では管内波長の半分ごとに電界の向きが逆になり、壁の電流も同じ間隔で反転する。
- ウ: 解答 3(電界)
- 細長いスロットから出る電波の電界は、スロットの長手方向と直角を向く。スロットを横切る向きに電圧がかかるためである。
- エ: 解答 9(z 成分)
- 隣のスロットは傾きが逆で、電流の向きも逆になっている。2つの効果が重なって、z 成分は逆向き、y 成分は同じ向きになる。
- オ: 解答 5(水平偏波となる)
- 残るのは y 成分である。アンテナは xy 面を大地と平行に置いているので、y 方向の電界は地面と平行で、水平偏波になる。
ア〜オの解答は 1・2・3・9・5 である。
つまずきやすい点
- 打ち消されるのは z 成分のほうである。y 成分が消えると考えると垂直偏波を選んでしまう。
- 反転の間隔は管内波長の 1/2 で、スロットの間隔 λg/2 と一致させてある。1/4 を選ばない。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路円偏波・管内波長・スロットアレーアンテナ・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数管内波長・導波管の伝送モード
- アンテナ方式図鑑円偏波