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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和4年1月期 第2回 B-5

要点(wavelane の要約): 大きな開口の中心と縁から相手のアンテナまでの距離の差を近似し、それによる位相差で2つの同じ大きさの波を合成したときの目減りを余弦で表して、誤差を約2%に抑える最小の測定距離を導く手順を語群から選ばせる問題。

FB402 B-55点(ア〜オ 各1点)

原文(公式問題文)

B-5 次の記述は、アンテナ利得などの測定において、送信又は受信アンテナの一方の開口の大きさが波長に比べて大きいときの測定距離について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、任意の角度を α とすれば、cos²(α/2) = (1 + cos α)/2 である。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 図 1 に示すように、アンテナ間の測定距離を L〔m〕、寸法が大きい方の円形開口面アンテナ 1 の直径を D〔m〕、その縁 P から小さい方のアンテナ 2 までの距離を L'〔m〕とすれば、L と L' の距離の差 ΔL は、次式で表される。ただし、L > D とし、アンテナ 2 の大きさは無視できるものとする。  ΔL = L' − L = [ ア ] − L   ≒ L{1 + (1/2)(D/(2L))²} − L = D²/(8L)〔m〕 ・・・・・・①  波長を λ〔m〕とすれば、ΔL による電波の位相差 Δθ は、次式となる。  Δθ = [ イ ]〔rad〕 ・・・・・・② (2) アンテナ 1 の中心からの電波の電界強度 Ė0〔V/m〕とその縁からの電波の電界強度 Ė0'〔V/m〕は、アンテナ 2 の点において、その大きさが等しく位相のみが異なるものとし、その大きさをいずれも E0〔V/m〕とすれば、Ė0 と Ė0' との間に位相差がないときの受信点での合成電界強度の大きさ E〔V/m〕は、[ ウ ]〔V/m〕である。また、位相差が Δθ のときの合成電界強度 Ė' の大きさ E' は、図 2 のベクトル図から、次式で表される。  E' = [ エ ] = [ ウ ] × cos(Δθ/2)〔V/m〕 ・・・・・・③  したがって、次式が得られる。  E'/E = cos(Δθ/2) ・・・・・・④ (3) 式④へ Δθ = π/8〔rad〕を代入すると、E'/E ≒ 0.98 となり、誤差は約 2〔%〕となる。したがって、誤差が約 2〔%〕以下となる最小の測定距離 Lmin は、式②から次式となる。  Lmin = [ オ ]〔m〕

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

1 √(4L² + D²)    2 πD²/(4λL)  3 √2E0  4 √2E0√(1 − cosΔθ)  5 D²/λ 6 √(L² + (D/2)²)  7 πD²/(8λL)  8 2E0   9 √2E0√(1 + cosΔθ)  10 2D²/λ

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): 2枚組の図。図1は、直径Dの円形開口のアンテナ1と、中心線上で距離Lだけ離れた小さなアンテナ2。アンテナ1の縁Pからアンテナ2までの距離がL′で、アンテナ2を中心に半径Lで描いた弧とPとのずれがΔLと記入されている。図2はベクトル図で、大きさの等しいĖ₀とĖ₀′が角Δθをなし、両者を2辺とする平行四辺形の対角線がĖ′である。

出典: 令和4年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB402)B-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

ア〜オそれぞれに入る語を、上の原文の語群番号から選ぶ
ア
イ
ウ
エ
オ
解かずに正答と解説を見る

正答: ア 6/イ 2/ウ 8/エ 9/オ 10

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

大きな開口の縁と中心からの経路差は D²/(8L)。位相差を π/8 以下に抑えると合成電界の誤差が約2%で、そこから最小測定距離 2D²/λ が出る。

ア: 解答 6(√(L² + (D/2)²))
縁 P は中心から D/2 だけ横にあるので、P からアンテナ2までの距離は、L と D/2 を2辺とする直角三角形の斜辺である。
イ: 解答 2(πD²/(4λL))
位相差は経路差に 2π/λ を掛けた値である。D²/(8L) に 2π/λ を掛けると πD²/(4λL) になる。
ウ: 解答 8(2E0)
大きさの等しい2つの電界が同じ位相で重なれば、合成の大きさは単純に2倍になる。
エ: 解答 9(√2E0√(1 + cosΔθ))
角 Δθ をなす2つのベクトルの和の大きさは余弦定理で √(2E0²+2E0²cosΔθ)。与えられた半角の公式で書き直すと 2E0cos(Δθ/2) になり、式③の右辺とつながる。
オ: 解答 10(2D²/λ)
式②の位相差を π/8 と置いて L について解くと、πD²/(4λL)=π/8 から L=2D²/λ が得られる。

ア〜オの解答は 6・2・8・9・10 である。

つまずきやすい点

  • 合成の大きさで符号を取り違えると √(1−cosΔθ) の形を選んでしまう。Δθ=0 で 2E0 に戻るかどうかで確かめる。
  • 経路差を位相差へ直すときは 2π/λ を掛ける。π/λ だけを掛けると語群7の形になる。