一陸技|無線工学B|過去問
令和4年1月期 第1回 A-3
要点(wavelane の要約): 同じ1つのアンテナを送信に使うときと受信に使うときで、利得、指向性、給電点のインピーダンス、素子上の電流分布がそれぞれ等しいか異なるかを5つの記述で並べ、可逆性に反する記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-3 次の記述は、自由空間において、一つのアンテナを送信と受信に用いたときのそれぞれの特性について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 利得は、同じである。 2 放射電力密度の指向性と受信有能電力の指向性は、同じである。 3 入力(給電点)インピーダンスは、異なる。 4 アンテナ上の電流分布は、一般に異なる。 5 放射電界強度の指向性と受信開放電圧の指向性は、同じである。
出典: 令和4年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB401)A-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 3
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
アンテナの可逆性により、同じアンテナを送信に使っても受信に使っても、利得・指向性・給電点のインピーダンスは等しい。違ってよいのは素子上の電流の分布だけである。
選択肢 1— 答えではない
正しい。可逆性から、送信で測った利得と受信で測った利得は一致する。測りやすいほうで測ってよいのはこのためである。
選択肢 2— 答えではない
正しい。送信で放射する電力密度の向きによる違いと、受信で取り出せる最大電力の向きによる違いは同じ形になる。
選択肢 3◎ これが答え
誤っている。給電点から見たインピーダンスは、送信に使っても受信に使っても同じである。受信アンテナを等価回路で表すときの内部インピーダンスが、送信時の入力インピーダンスそのものになる。
選択肢 4— 答えではない
正しい。送信では給電点に電源があり、受信では外から来た電波が素子全体に電圧を誘起するので、素子上の電流の分布は一般に一致しない。可逆性が保証するのは端子で見た性質である。
選択肢 5— 答えではない
正しい。送信時の電界強度の向きによる違いと、受信時の開放電圧の向きによる違いは同じ形になる。実効長が送受で共通だからである。
正答は選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 電流分布が送受で違うことと、端子で見た性質が同じことは矛盾しない。異なるとしてよいのは電流分布だけ、と覚える。
- 可逆性は線形で等方性の媒質が前提である。フェライトなどの非可逆素子を含む系には当てはまらない。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・指向性関数・入力インピーダンス・アンテナの可逆性
- アンテナ・電波測定の基礎アンテナ利得・指向性関数・入力インピーダンス・アンテナの可逆性
- アンテナの基礎アンテナ利得・入力インピーダンス