一陸技|無線工学B|過去問
令和3年7月期 第2回 A-10
要点(wavelane の要約): 折り曲げた反射板の内側に半波長素子を置くアンテナで、開き角90°・60°・45°のときの素子と影像を合わせた数、開き角90°で正面が零になる素子位置とサイドローブが出る素子位置を組合せで答えさせる問題。FB707 A-11 と同じ設問である。
原文(公式問題文)
A-10 次の記述は、図に示すコーナレフレクタアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、波長を λ〔m〕とし、平面反射板又は金属すだれは、電波を理想的に反射する大きさであるものとする。 (1) 半波長ダイポールアンテナに平面反射板又は金属すだれを組み合わせた構造であり、金属すだれは半波長ダイポールアンテナ素子に平行に導体棒を並べたもので、導体棒の間隔は平面反射板と等価な反射特性を得るために約 λ/10 以下にする必要がある。 (2) 開き角は、90 度、60 度などがあり、半波長ダイポールアンテナとその影像の合計数は、90 度では[ A ]、60 度では[ B ]であり、開き角が小さくなると影像の数が増え、例えば、45 度では[ C ]となる。これらの複数のアンテナの効果により、半波長ダイポールアンテナ単体の場合よりも鋭い指向性と大きな利得が得られる。 (3) アンテナパターンは、2つ折りにした平面反射板又は金属すだれの折り目から半波長ダイポールアンテナ素子までの距離 d〔m〕によって大きく変わる。理論的には、開き角が 90 度のとき、d =[ D ]では指向性が二つに割れて正面方向では零になり、d =[ E ]では主ビームは鋭くなるがサイドローブを生ずる。一般に、単一指向性となるように d を λ/4~3λ/4 の範囲で調整する。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D E 1 4個 6個 8個 3λ/2 λ 2 4個 6個 8個 λ 3λ/2 3 3個 5個 9個 3λ/2 λ 4 3個 6個 9個 λ 3λ/2 5 3個 5個 9個 λ 3λ/2
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年7月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB308)A-10(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
2枚の反射板を折り曲げた形では、実素子と鏡像を合わせて 360°/開き角 個の配列とみなせる。素子位置で正面が零になる場合と、ビームが絞られてサイドローブが出る場合が分かれる。
- 空欄 A: 4個
- 開き角90度では、2枚の板による写り込みが3個できる。実素子と合わせて4個の配列として働く。
- 空欄 B: 6個
- 一周 360 度を開き角で割った数が合計の個数になる。60度なら6個である。
- 空欄 C: 8個
- 同じ数え方で45度なら8個である。開き角が小さいほど写り込みが増え、指向性が鋭くなる。
- 空欄 D: λ
- 開き角90度で折り目から1波長の位置に素子を置くと、正面方向で実素子と鏡像の寄与が打ち消し合い、指向性が2つに割れる。
- 空欄 E: 3λ/2
- さらに離して1.5波長にすると正面の主ビームは絞られるが、素子と鏡像の間隔が広がって正面以外にも強め合う向きが生じ、サイドローブが立つ。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 写り込みの数だけを数えて実素子を足し忘れると、3個・5個の候補を選んでしまう。
- 正面が零になる距離と、サイドローブが出る距離を入れ替えた候補が並べてある。実用は 1/4〜3/4 波長の範囲である。