一陸技|無線工学B|過去問
令和3年7月期 第2回 A-9
要点(wavelane の要約): 金属の内部へ電磁波が入り込める深さについて、その定義(振幅が1/eに減る距離)と、透磁率・導電率・減衰定数・周波数それぞれの大小で深さがどちらへ動くかを5つ並べ、向きを逆にした記述を選ばせる問題。FB801 A-9 と同じ設問である。
原文(公式問題文)
A-9 次の記述は、有限な導電率の導体中へ平面波が浸透する深さを表す表皮厚さ(深さ)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。ただし、平面波はマイクロ波とし、e を自然対数の底とする。 1 導体内の電界、磁界及び電流の振幅が導体表面の振幅の 1/e(約 0.368) に減少する導体表面からの距離をいう。 2 導体の透磁率が小さいほど、厚く(深く)なる。 3 導体の導電率が小さいほど、薄く(浅く)なる。 4 導体内の減衰定数が小さくなるほど、厚く(深く)なる。 5 周波数が高くなるほど、薄く(浅く)なる。
出典: 令和3年7月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB308)A-9(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 3
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
表皮厚さ δ = 1/√(πfμσ) は、周波数・透磁率・導電率のどれが大きくなっても薄くなる。導電率の向きを逆にした記述が誤りである。
選択肢 1— 答えではない
正しい。振幅が表面の 1/e、約37%まで落ちる深さを表皮厚さと決めている。
選択肢 2— 答えではない
正しい。δ は透磁率の平方根に反比例するので、透磁率が小さいほど深くまで入る。
選択肢 3◎ これが答え
誤っている。δ は導電率の平方根にも反比例するので、導電率が小さい材料ほど電磁界は奥まで入り込み、厚くなる。記述は向きが逆である。
選択肢 4— 答えではない
正しい。導体内の減衰定数 α と表皮厚さは δ = 1/α の関係にあり、減衰が緩いほど深くなる。
選択肢 5— 答えではない
正しい。δ は周波数の平方根に反比例するので、周波数を上げるほど電流は表面へ集まる。
正答は選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- f・μ・σ の3つはすべて分母にある。どれを大きくしても薄くなる、と1本の式で覚えると取り違えない。
- 「電気を通しやすいほど奥まで流れる」と直感で考えがちだが逆である。良導体ほど電磁界は表面で遮られる。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路減衰定数・導電率・透磁率・表皮厚さ(表皮深さ)
- 給電線と整合回路減衰定数・表皮厚さ(表皮深さ)
- アンテナ・電波測定の基礎導電率・透磁率