一陸技|無線工学B|過去問
令和3年7月期 第1回 B-3
要点(wavelane の要約): らせんの1巻きが1波長に近いときの電流の性質、主ビームの向き、偏波の種類、巻数を減らしたときのビーム幅の変化、全長を長くしたときの帯域の変化を語群から選ばせる問題。FB801 B-3 と同じ設問である。
原文(公式問題文)
B-3 次の記述は、図に示すヘリカルアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、へリックスのピッチ p は、数分の 1 波長程度とする。 (1) へリックスの 1 巻きの長さが 1 波長に近くなると、電流はヘリックスの軸に沿った[ ア ]となる。 (2) へリックスの 1 巻きの長さが 1 波長に近くなると、ヘリックスの[ イ ]に主ビームが放射される。 (3) へリックスの 1 巻きの長さが 1 波長に近くなると、偏波は、[ ウ ]偏波になる。 (4) へリックスの巻数を少なくすると、主ビームの半値角が[ エ ]なる。 (5) へリックスの全長を 2.5 波長以上にすると、入力インピーダンスがほぼ一定になるため、使用周波数帯域が[ オ ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 進行波 2 軸と直角の方向 3 円 4 大きく 5 狭くなる 6 定在波 7 軸方向 8 直線 9 小さく 10 広くなる
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB307)B-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 7/ウ 3/エ 4/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
1巻きの長さが1波長に近いヘリカルアンテナは、らせんに沿って進行波が流れる軸モードで動作し、軸方向へ円偏波の主ビームを出す。巻数が少ないとビームは太く、全長が長いと帯域は広い。
- ア: 解答 1(進行波)
- 先端で反射が小さく、電流はらせんに沿って先へ進む一方向の波になる。定在波になるのは全長が短く先端で強く反射する場合である。
- イ: 解答 7(軸方向)
- 1巻きが1波長程度だと、各巻きの電流が軸方向で同じ位相にそろって強め合う。軸と直角に出るのは1巻きが波長よりずっと短いノーマルモードである。
- ウ: 解答 3(円)
- 1巻きの中を電流が1周するあいだに電界の向きも1回転するので、軸方向へは円偏波が出る。
- エ: 解答 4(大きく)
- 巻数は軸方向の開口長に当たる。巻数を減らすと実効的な長さが短くなり、ビームは太く、半値角は大きくなる。
- オ: 解答 10(広くなる)
- 全長が十分長いと先端からの反射の影響が小さくなり、入力インピーダンスが周波数で変わりにくい。そのぶん使える帯域が広がる。
ア〜オの解答は 1・7・3・4・10 である。
つまずきやすい点
- 「らせん形だから必ず円偏波」ではない。1巻きが波長より十分短いノーマルモードでは軸と直角方向へ直線偏波に近い電波が出る。
- 巻数とビーム幅は逆の関係である。八木・宇田アンテナの素子数と同じく、長くするほど鋭くなる。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑軸モード放射・ビーム幅・半値角・円偏波・ヘリカルアンテナ
- アンテナ・電波測定の基礎ビーム幅・半値角・円偏波
- アンテナ利得ビーム幅・半値角