一陸技|無線工学B|過去問
令和3年7月期 第1回 B-1
要点(wavelane の要約): 放物面上の点から焦点までと準線までの距離が等しいという定義から、焦点を出て鏡で折れ返り開口側の平面に至る経路長がどの点でも同じになることを示し、見かけの波源の位置、到達時の位相、焦点距離で書いた経路長の式を語群から選ばせる問題。FB707 B-1 と同じ設問である。
原文(公式問題文)
B-1 次の記述は、パラボラアンテナの開口面から放射される電波が平面波となる理由について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 図に示すように、回転放物面の焦点を F、中心を O、回転放物面上の任意の点を P とすれば、F から P までの距離 FP と P から準線 g に下ろした垂線の足 Q との距離 PQ との間には、次式の関係がある。 PQ = [ ア ] ・・・・・・・・・・・・① (2) F を通り g に平行な直線を h 線とし、P から h に下ろした垂線の足を S とすれば、F から P を通って S に至る距離 FP + PS は、式①の関係から、次式で表される。 FP + PS = [ イ ] (3) 焦点 F に置かれた等方性波源より放射され、回転放物面で反射されたすべての電波は、アンテナの中心軸に垂直で g を含む平面 G を見掛け上の[ ウ ]として、アンテナの中心軸に平行に、G に平行で h を含む平面 H へ[ エ ]の平面波として到達する。 (4) F から放射され回転放物面で反射されて H に至る電波通路の長さはすべて等しいから、放射角度 θ = 0 のときの電波通路の長さと θ ≠ 0 のときの電波通路の長さも等しく、FP + PS を焦点距離 l で表すと、次式が成り立つ。 FP + PS = FP × ([ オ ]) = 2l
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 FP 2 QS 3 反射点 4 同位相 5 1 + sinθ 6 2FP 7 2PQ 8 波源 9 逆位相 10 1 + cosθ
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB307)B-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 2/ウ 8/エ 4/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
放物面は焦点までの距離と準線までの距離が等しい点の集まりである。そのため焦点から鏡で折れ返って開口側の平面に至る道のりはどの点でも 2l になり、電波は同じ位相で平面波としてそろう。
- ア: 解答 1(FP)
- 放物線の定義そのものである。曲線上のどの点も、焦点までと準線までの距離が等しい。
- イ: 解答 2(QS)
- PS に PQ(=FP)を足すと、Q から S までの線分になる。Q と S はどちらも中心軸に平行な1本の線の上にあるので、長さは点 P によらない。
- ウ: 解答 8(波源)
- どの電波も準線の平面 G から出発したのと同じ道のりで H へ着くので、G を見かけの波源とみなせる。
- エ: 解答 4(同位相)
- 道のりがすべて等しいので、平面 H の上ではどこも位相がそろう。位相のそろった平面が波面になるのが平面波である。
- オ: 解答 10(1 + cosθ)
- PS は FP の中心軸方向の成分 FP cosθ と FP 自身の和として書けるので、FP(1+cosθ) になる。θ=0 のとき FP=l なので値は 2l である。
ア〜オの解答は 1・2・8・4・10 である。
つまずきやすい点
- オは sin と cos を取り違えやすい。θ は中心軸から測った角なので、軸方向の成分は cos である。
- イで 2FP を選ぶと点 P によって値が変わる量になり、平面波の根拠にならない。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑等方性アンテナ・通路差・平面波・反射鏡アンテナ
- アンテナ利得等方性アンテナ・反射鏡アンテナ
- アンテナ・電波測定の基礎通路差・平面波