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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和3年7月期 第1回 A-15

要点(wavelane の要約): 直交する2偏波で別々の信号を送る固定回線で、雨が降ると偏波の分離が悪くなる理由を、識別度の定義の向き、雨粒の変形の度合い、傾いた雨粒の長い方向と短い方向でどちらの電界がより減衰するかから判断して誤りを1つ選ばせる問題。FB607 A-14 と同じ題材で、誤りの位置が違う。

FB307 A-155点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-15 次の記述は、SHF 帯や EHF 帯の地上系固定通信において、降雨時に生ずる交差偏波について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。ただし、使用する偏波は直線偏波とする。 1 一つの周波数で、互いに直交する二つの偏波を用いて異なる信号を伝送すれば、周波数の利用効率が 2 倍になるが、降雨時には交差偏波が発生しやすい。 2 受信信号の主偏波の電界強度を Ep〔V/m〕、交差偏波の電界強度を Ec〔V/m〕とすると、通常、交差偏波識別度は、20log10(Ep/Ec)〔dB〕と表される。 3 落下中の雨滴は、雨滴内外の圧力や表面張力の影響を受け、落下方向につぶれた形に変形するが、その変形の度合いは、雨滴が大きいほど大きい。 4 風のある降雨時には、上下方向に扁平な回転楕円体に近い形に変形した雨滴が水平方向より傾き、その長軸方向の電界成分の減衰が短軸方向の電界成分の減衰よりも小さくなるために交差偏波が発生する。 5 交差偏波識別度は、降雨が強いほど、また、雨滴の傾きが大きいほど劣化する。

出典: 令和3年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB307)A-15(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

誤っているものの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 4

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

傾いた扁平な雨滴の中では、長軸方向の電界のほうが長い距離の水を通るので大きく減衰する。減衰を小さいと逆に書いた記述が誤りである。

  • 選択肢 1— 答えではない

    正しい。直交偏波を2本の回線として使えば周波数の利用効率は倍になるが、雨が降ると両偏波の分離が崩れやすい。

  • 選択肢 2— 答えではない

    正しい。交差偏波識別度は、主偏波の強さが交差偏波の何倍あるかを dB で表したもので、Ep を分子に置く。

  • 選択肢 3— 答えではない

    正しい。雨粒は落ちながら空気の抵抗でつぶれ、粒が大きいほど扁平の度合いが強くなる。

  • 選択肢 4◎ これが答え

    誤っている。扁平な雨滴は長軸方向に水の厚みが大きいので、その向きの電界成分のほうが強く減衰する。この減衰の差(と位相の差)が傾いた雨滴で交差偏波を生む。

  • 選択肢 5— 答えではない

    正しい。雨が強いほど大粒が増えて扁平の度合いが増し、傾きが大きいほど主偏波から直交側へ漏れる成分が増える。

正答は選択肢 4 である。

つまずきやすい点

  • FB607 A-14 では識別度の分子と分母を逆にした記述が誤りで、長軸方向の減衰は正しく書かれていた。今回は誤りの位置が入れ替わっている。
  • 雨滴が完全な球なら偏波の向きで減衰に差が出ないので、交差偏波は生じない。扁平であることが前提である。