一陸技|無線工学B|過去問
令和3年7月期 第1回 A-3
要点(wavelane の要約): 受信と送信で利得・指向性が変わらない根拠になる定理、同じ素子を並べたときに素子単体の指向性へ掛ける係数、等方性アンテナを半波長ダイポール基準で表した相対利得の値を組合せで答えさせる問題。FB701 A-2 と同じ設問で、相対利得の候補に 0.91 が入っている点だけが違う。
原文(公式問題文)
A-3 次の記述は、アンテナの利得及び指向性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 受信アンテナの利得及び指向性は、[ A ]により、それを送信アンテナとして使用したときの利得及び指向性と同じである。 (2) 同じアンテナを直線上で同じ方向に2個並べたアンテナの指向性は、アンテナ単体の指向性に[ B ]を掛けたものに等しい。 (3) 等方性アンテナの半波長ダイポールアンテナに対する相対利得は、約[ C ](真数)である。 A B C 1 バビネの原理 利得係数 0.61 2 バビネの原理 配列指向係数(アレーファクタ) 0.91 3 可逆定理 配列指向係数(アレーファクタ) 0.61 4 可逆定理 利得係数 0.61 5 可逆定理 利得係数 0.91
出典: 令和3年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB307)A-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
送受で利得と指向性が同じなのは可逆定理による。並べた素子の指向性は単体の指向性に配列指向係数を掛けたものになる。等方性アンテナは半波長ダイポールの 1/1.64 ≒ 0.61 倍である。
- 空欄 A: 可逆定理
- 線形で受動的なアンテナは、送信に使っても受信に使っても同じ指向性と利得を示す。バビネの原理はスロットと板の相補関係を表す別の原理である。
- 空欄 B: 配列指向係数(アレーファクタ)
- 素子の並べ方と給電の位相だけで決まる係数で、単体の指向性に掛けると全体の指向性になる(指向性の積の原理)。
- 空欄 C: 0.61
- 半波長ダイポールの絶対利得は 1.64 なので、等方性アンテナを半波長ダイポール基準で見ると 1/1.64 ≒ 0.61 になる。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- C は基準の向きを取り違えやすい。等方性を基準にした半波長ダイポールが 1.64、その逆が 0.61 である。
- 0.91 は 1.64 の平方根の逆数などとも合わない値で、根拠の無い候補である。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・配列指向係数(アレーファクタ)・半波長ダイポールアンテナ・等方性アンテナ・アンテナの可逆性
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・配列指向係数(アレーファクタ)・半波長ダイポールアンテナ・等方性アンテナ
- アンテナ利得アンテナ利得・半波長ダイポールアンテナ・等方性アンテナ