一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第2回 A-10
要点(wavelane の要約): 共振長に足りない垂直接地の素子を、先端開放の線路とみなして基部の容量性リアクタンスを出し、それを打ち消すコイルの値を求めさせる計算問題。素子長が波長の何分の1かから電気角を出すのが要になる。
FB302 A-105点(1問1採点)
原文(公式問題文)
A-10 アンテナ導線(素子)の特性インピーダンスが 942〔Ω〕で、長さ 25〔m〕の垂直接地アンテナを周波数 1.5〔MHz〕に共振させて用いるとき、アンテナの基部に挿入すべき延長コイルのインダクタンスの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、大地は完全導体とする。 1 50〔μH〕 2 73〔μH〕 3 83〔μH〕 4 93〔μH〕 5 100〔μH〕
出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)A-10(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
共振長に足りない接地アンテナの基部へ入れるコイルを求める。素子が波長の何分の1かを出し、先端開放の線路として見た容量性リアクタンスを打ち消す値へ換算する。
- 手順1まず波長を出し、素子長が波長の何分の1かを見る。共振長は λ/4 = 50 m なので、25 m では足りない。
- 手順2垂直接地アンテナは先端が開放の線路とみなせる。基部から見たリアクタンスは容量性で、大きさは特性インピーダンスと余接の積になる。電気角は π/4 で、余接は 1 である。
- 手順3延長コイルは、これと大きさの等しい誘導性リアクタンスを与えて打ち消せばよい。角周波数で割ってインダクタンスへ戻す。
求める値は 100 μH。したがって正答は選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- βl は長さの比ではなく位相である。25/200 = 1/8 をそのまま π/8 と読むと余接が 2.41 になり、値が大きく外れる。
- 共振長より短い素子のリアクタンスは容量性なので、直列のコイルで打ち消す。コンデンサを入れるのは素子が長すぎる場合である。
- 特性インピーダンス 942 Ω は 2π×150 にあたるので、角周波数で割ると数値がきれいにそろう。