一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第2回 A-11
要点(wavelane の要約): 素子長と頂点からの距離が同じ割合で並ぶ広帯域アンテナについて、相似の比の書き方、隣り合う素子への給電の位相、主放射の向き、特性が繰り返す周波数の目盛りを組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-11 次の記述は、図に示す対数周期ダイポールアレーアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 各素子の端を連ねる直線(点線)とアンテナの中心軸(一点鎖線)との交点を頂点 O とし、その交角を α〔rad〕、n 番目の素子の長さの 1/2 を ln〔m〕、O から n 番目の素子までの距離を xn〔m〕とすれば、次式の関係がある。ただし、τ を対数周期比とする。 τ = [ A ] = xn+1/xn α = tan⁻¹(ln/xn) (2) (1)の条件で、図のようにダイポールアンテナ(素子)を配置し、隣接するダイポールアンテナごとに[ B ]で給電する。 (3) τ と α を適切に設定すると、アンテナの中心軸上の矢印[ C ]の方向に最大値を持つ単一指向性が得られる。使用可能な周波数範囲は、最も長い素子と最も短い素子によって決まり、その範囲内で入力インピーダンスなどのアンテナ特性は周波数の[ D ]に対して周期的に小さな変化を繰り返す。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 ln+1/ln 逆位相 ア 対数 2 ln+1/ln 同位相 イ 対数 3 ln+1/ln 逆位相 イ 2乗 4 ln/ln+1 同位相 イ 対数 5 ln/ln+1 逆位相 ア 2乗
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)A-11(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
素子長と頂点からの距離が同じ割合で並ぶ広帯域アンテナ。相似の比の書き方、給電の位相、放射の向き、繰り返しの目盛りの4点を答える。
- 空欄 A: ln+1/ln
- 素子の長さと頂点からの距離が同じ割合で並ぶ相似形なので、隣どうしの比はどちらで作っても同じ値になる。右辺の距離の比と番号の並びをそろえるため、長さのほうも n+1 番目を分子に置く。
- 空欄 B: 逆位相
- 2本の給電線へ素子を互い違いに接続する構造なので、隣り合う素子は 180 度ずれた位相で励振される。同位相で給電すると、狙った向きの単一指向性が得られない。
- 空欄 C: ア
- 放射は素子が短くなっていく側、すなわち頂点のある向きへ出る。図では頂点 O が左にあり、そこを向く矢印が答えになる。給電点も短い素子の側にある。
- 空欄 D: 対数
- 周波数を対数の目盛りで並べると、特性の小さな変動が一定の間隔で繰り返す。この性質が名前の由来である。2乗の目盛りでは繰り返しにならない。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 放射方向は長い素子の側ではなく短い素子の側である。給電点と同じ側だと覚えるとよい。
- 使える周波数の範囲を決めるのは、最も長い素子(低い側)と最も短い素子(高い側)である。素子の本数ではない。