一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第2回 A-4
要点(wavelane の要約): 短い電流素子の受信面積と利得を足がかりに、等方性アンテナを基準として一般のアンテナの受信面積を利得と波長で表す式を組み立てさせる問題。利得の定義で面積の比をどちら向きに取るかと、最後の分母の係数が分かれ目になる。
原文(公式問題文)
A-4 次の記述は、絶対利得が G(真数)のアンテナの実効面積を表す式を求める過程について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 微小ダイポールの実効面積 Ss は、波長を λ〔m〕とすると、次式で表される。 Ss = [ A ]〔m²〕 (2) 一方、実効面積が S〔m²〕のアンテナの絶対利得 G(真数)は、等方性アンテナの実効面積を Si〔m²〕とすると、次式で定義されている。 G = [ B ] (3) また、微小ダイポールの絶対利得 Gs(真数)は、次式で与えられる。 Gs = 3/2 (4) したがって、絶対利得が G(真数)のアンテナの実効面積 S は、次式で与えられる。 S = [ C ]〔m²〕 A B C 1 3λ²/(8π) S/Si Gλ²/(2π) 2 3λ²/(8π) S/Si Gλ²/(4π) 3 3λ²/(8π) Si/S Gλ²/(2π) 4 3λ²/(4π) S/Si Gλ²/(2π) 5 3λ²/(4π) Si/S Gλ²/(4π)
出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)A-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
実効面積と絶対利得の関係式を3段で導く。利得を面積の比で定義し、微小ダイポールの値から等方性アンテナの実効面積を逆算して橋渡しにする。
- 空欄 A: 3λ²/(8π)
- 微小ダイポールの実効面積として知られる値である。最後の C へつながる出発点なので、分母を 4π にすると最後が2倍ずれる。
- 空欄 B: S/Si
- 絶対利得は、そのアンテナが等方性アンテナの何倍の面積で電波を受けるかで定義する。調べたいアンテナの面積を分子に置くので、利得が大きいほど値も大きくなる。逆比では大きなアンテナほど利得が小さくなってしまう。
- 空欄 C: Gλ²/(4π)
- 等方性アンテナの実効面積は、微小ダイポールの値をその利得 3/2 で割って (3λ²/8π)÷(3/2) = λ²/(4π) になる。B の定義からこれに G を掛ければよい。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- この問題の筋は「微小ダイポールの値を利得で割って等方性の値を得る」ことである。A と利得 3/2 が分かれば C は割り算だけで出る。
- 微小ダイポールの利得は 1.5、半波長ダイポールは 1.64。数値が近いので取り違えやすい。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・実効面積・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナ利得アンテナ利得・実効面積・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・微小ダイポール・等方性アンテナ