一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第1回 A-18
要点(wavelane の要約): 向かい合わせた2本のアンテナの送受電力比から利得を求める測定について、電力比の式の係数、2本が同じ利得のときの式、アンテナが1本しかないときに相手の代わりに使うものを組合せで答えさせる問題。距離の係数が2πか4πかと、根号の中の電力の向きが分かれ目になる。
原文(公式問題文)
A-18 次の記述は、マイクロ波アンテナの利得の測定法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、波長を λ〔m〕とする。 (1) 利得がそれぞれ G1(真数)及び G2(真数)の二つのアンテナを距離 d〔m〕離して偏波面を揃えて対向させ、一方のアンテナから電力 Pt〔W〕を放射し、他方のアンテナで受信した電力を Pr〔W〕とすれば、Pr/Pt は、次式で表される。 Pr/Pt = ([ A ])²G1G2 ・・・・・・① 上式において、一方のアンテナの利得が既知であれば、他方のアンテナの利得を求めることができる。 (2) 二つのアンテナの利得が同じとき、式①からそれぞれのアンテナの利得は、次式により求められる。 G1 = G2 = [ B ] (3) アンテナが一つのときは、[ C ]を利用すれば、この方法を適用することができる。 A B C 1 λ/(2πd) (2πd/λ)√(Pt/Pr) 回転板 2 λ/(2πd) (2πd/λ)√(Pr/Pt) 反射板 3 λ/(2πd) (πd/λ)√(Pr/Pt) 回転板 4 λ/(4πd) (4πd/λ)√(Pr/Pt) 反射板 5 λ/(4πd) (4πd/λ)√(Pt/Pr) 反射板
出典: 令和3年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB301)A-18(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
2つのアンテナを向かい合わせて利得を測る方法。フリスの伝達式を利得について解き直し、アンテナが1本のときは鏡像を相手にする。
- 空欄 A: λ/(4πd)
- 自由空間の伝達式に現れる係数で、2乗すると自由空間基本伝送損の逆数になる。分母の 4π は球の表面積から来ており、2π ではない。
- 空欄 B: (4πd/λ)√(Pr/Pt)
- 2つの利得が等しいとき①は G² について解ける。両辺の平方根を取ると係数が逆数になって前へ出て、受信と送信の比は受信を分子にしたまま根号の中へ残る。
- 空欄 C: 反射板
- 平らな導体板を置くと鏡像ができ、もう1つ同じアンテナがあるのと同じ状況を作れる。このとき距離は板までの距離の2倍になる。
この組合せになっているのは選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 係数の分母は 4πd である。2πd としている選択肢に引きずられない。
- 根号の中は Pr/Pt である。Pt/Pr にすると、受信電力が大きいほど利得が小さく出るという逆の関係になる。
理由から確かめる
- アンテナ・電波測定の基礎アンテナ利得・フリスの伝達公式・アンテナ利得の測定
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・フリスの伝達公式
- デシベルの基礎アンテナ利得・フリスの伝達公式