一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第1回 A-6
要点(wavelane の要約): 両端を短絡した線路の途中の端子から見たインピーダンスを求めさせる問題。左右の短絡線路を並列に見て、2本の長さの和が半波長に固定されていることから、2つのリアクタンスが打ち消し合う形になるかを読む。
原文(公式問題文)
A-6 図に示す無損失の平行二線式給電線の点 a b 間のインピーダンス Zab の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、給電線の特性インピーダンスを Z0〔Ω〕、波長を λ〔m〕とする。また、給電線の長さ l1〔m〕、l2〔m〕の間には、l1+l2 = λ/2〔m〕の関係式が成り立ち、l1 ≠ 0、l2 ≠ 0 とする。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 0〔Ω〕 2 ∞〔Ω〕 3 2Z0〔Ω〕 4 Z0/4〔Ω〕 5 Z0/2〔Ω〕
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB301)A-6(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
両端を短絡した線路の途中から左右を見ると、短絡線路が2本並列に入る。2本の長さの和が半波長に固定されていることが効く。
- 手順1端子から左右を見ると、どちらも先端を短絡した線路である。無損失なら入力インピーダンスは純リアクタンスになる。
- 手順2位相定数は β = 2π/λ である。2本の長さの和が半波長なので、電気長の和は π rad に固定される。
- 手順3正接は周期 π を持つので、片方は他方の符号を変えたものになる。2本のリアクタンスは大きさが等しく符号が逆である。
- 手順4並列合成すると分母が 0 になるので、端子から見たインピーダンスは発散する。l1 をどこに取っても同じ結論になる。
求める値は ∞〔Ω〕(並列合成の分母が 0 になる)。したがって正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 両端が短絡されていても、端子間が導体で直接つながっているわけではない。0 Ω(選択肢1)は線路の長さを無視した誤り。
- 並列だから小さくなる、と早合点しない。大きさの等しい誘導性と容量性が並列に入った並列共振の状態なので、逆に発散する。
- 答えに Z0 は残らない。Z0 の定数倍(選択肢3〜5)は、2本のリアクタンスが打ち消し合う構造を見落とした形である。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路特性インピーダンス・入力インピーダンス・短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス・給電線・伝送線路
- VSWR・反射係数特性インピーダンス・入力インピーダンス・給電線・伝送線路
- 複素数と複素インピーダンス 徹底入門特性インピーダンス・入力インピーダンス