一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第2回 B-3
要点(wavelane の要約): 反射板の前に置いたらせん状の導線で、1巻きの長さが1波長に近いときの電流の性質、主ビームの向き、偏波、巻数とビームの太さの関係、全長を長くしたときの帯域の変化を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-3 次の記述は、図に示すヘリカルアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、ヘリックスのピッチ p は、数分の 1 波長程度とする。 (1) ヘリックスの 1 巻きの長さが 1 波長に近くなると、電流はヘリックスの軸に沿った[ ア ]となる。 (2) ヘリックスの 1 巻きの長さが 1 波長に近くなると、ヘリックスの[ イ ]に主ビームが放射される。 (3) ヘリックスの 1 巻きの長さが 1 波長に近くなると、偏波は、[ ウ ]偏波になる。 (4) ヘリックスの巻数を[ エ ]すると、主ビームの半値角が大きくなる。 (5) ヘリックスの全長を 2.5 波長以上にすると、入力インピーダンスがほぼ一定になるため、使用周波数帯域が[ オ ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 進行波 2 軸と直角の方向 3 直線 4 多く 5 広くなる 6 定在波 7 軸方向 8 円 9 少なく 10 狭くなる
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB212)B-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 7/ウ 8/エ 9/オ 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
1巻きが約1波長のらせんは、軸の方向へ円偏波のビームを出す軸モードで働く。巻数でビームの鋭さが、全長で帯域が決まる。
- ア: 解答 1(進行波)
- 1巻きが1波長に近いと、電流は反射せずに導線を先端へ進み、らせんに沿った進行波になる。往復の重なりで生じる定在波ではない。
- イ: 解答 7(軸方向)
- 各巻きの放射が軸の方向で同位相に重なるので、主ビームは軸に沿って前へ出る。巻きの径が小さいときの軸と直角の向きとは異なる。
- ウ: 解答 8(円)
- 1巻きの間に電流の位相が1周するので、電界の向きが軸のまわりに回転する。偏波は円偏波になる。
- エ: 解答 9(少なく)
- 巻数は配列の素子数のようなもので、多いほどビームが鋭くなる。半値角が大きくなるのは巻数を減らしたときである。
- オ: 解答 5(広くなる)
- 入力インピーダンスが周波数によらずほぼ一定に保たれるので、整合が取れる範囲が広がり、使える帯域が広くなる。
ア〜オの解答は 1・7・8・9・5 である。
つまずきやすい点
- 巻数とビーム幅の関係は逆向きである。巻数を増やすと鋭く、減らすと太くなる。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナの帯域幅・比帯域幅・軸モード放射・ビーム幅・半値角・円偏波・ヘリカルアンテナ
- アンテナの基礎アンテナの帯域幅・比帯域幅・ビーム幅・半値角
- アンテナ・電波測定の基礎ビーム幅・半値角・円偏波