一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第2回 B-1
要点(wavelane の要約): 受信用の半波長ダイポールが到来波を再び放射する電力を、放射抵抗と電流で書く式、受信点の電力束密度の式、整合時に受信電力と同じだけ散乱するとみなした式、それらから得る散乱断面積の式、そして実効面積との大小関係を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-1 次の記述は、半波長ダイポールアンテナを用いた受信アンテナの散乱断面積を求める過程について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ及び給電線の損失はないものとし、アンテナの入力インピーダンスは純抵抗とする。 (1) 到来電波によりアンテナに誘導された起電力 V〔V〕によって、アンテナの放射抵抗 Rr〔Ω〕を流れる電流を I〔A〕とすれば、散乱電力 PA は、次式で表される。 PA =[ ア ]〔W〕 ・・・・・① (2) PA 及びその点の電力束密度 p により散乱断面積 As は、次式で表される。 As = PA/p〔m²〕 ・・・・・② (3) 受信電界強度を E〔V/m〕、自由空間の固有インピーダンスを Z0〔Ω〕とすると、p は、次式で表される。 p =[ イ ]〔W/m²〕 ・・・・・③ (4) 受信アンテナの入力インピーダンスと受信機の入力インピーダンスが整合しているとき、受信電力は最大値となり、また、同じ大きさの電力を受信アンテナが散乱していると考えられるので、式①の PA は、次式となる。 PA =[ ウ ]〔W〕 ・・・・・④ (5) 式②へ式③及び④を代入すると、As は、次式で求められる。 As =[ エ ]〔m²〕 (6) 受信アンテナの入力インピーダンスと受信機の入力インピーダンスが整合しているとき、受信アンテナの散乱断面積は、受信アンテナの実効面積[ オ ]なる。 1 |I|²/(4Rr) 2 V²/(2Rr) 3 V²Z0/(4RrE²) 4 |I|²Rr 5 V²/(4Rr) 6 E²/Z0 7 と等しく 8 V²Z0/(2RrE²) 9 の 1/2 と 10 E²/(2Z0)
出典: 令和2年11月臨時 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB212)B-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 4/イ 6/ウ 5/エ 3/オ 7
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
受信アンテナが到来波を再放射する電力を、整合時の受信電力と同じとみなして散乱断面積を求める。最後に実効面積の式と見比べる。
- ア: 解答 4(|I|²Rr)
- 放射抵抗に電流が流れるとき、そこで消費されるように見える電力が再放射される電力である。抵抗で消費される電力は電流の2乗と抵抗の積になる。
- イ: 解答 6(E²/Z0)
- 平面波の電力束密度は電界の2乗を自由空間の固有インピーダンスで割った値である。実効値で書くので 2 では割らない。
- ウ: 解答 5(V²/(4Rr))
- 整合時は受信機の入力抵抗も Rr なので、起電力 V は2つの抵抗に半分ずつかかり、電流は V/(2Rr) になる。これを ア の式に入れると V²/(4Rr) になる。
- エ: 解答 3(V²Z0/(4RrE²))
- ②の比に ウ と イ を入れると、分子と分母の割り算がこの形にまとまる。
- オ: 解答 7(と等しく)
- 実効面積は受信電力を電力束密度で割った量である。整合時の受信電力は ウ と同じ式なので、散乱断面積と実効面積は同じ式になる。
ア〜オの解答は 4・6・5・3・7 である。
つまずきやすい点
- 整合時の電流は V/(2Rr) である。V/Rr で計算すると係数が 4 倍ずれ、語群の 2Rr 系の候補を選んでしまう。
- 受信した電力と同じだけ再放射するので、散乱断面積は実効面積の半分ではなく等しい。