一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第2回 A-13
要点(wavelane の要約): 方形導波管の側壁に、管内波長の半分ごとに傾きを交互に変えた細い切れ目を並べたアンテナについて、側壁を流れる電流の向き、各切れ目から出る波で切れ目に垂直となる場の種類、打ち消し合う成分、残る偏波を組合せで問う問題。
原文(公式問題文)
A-13 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナから放射される電波の偏波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、スロットアレーアンテナは xy 面に平行な面を大地に平行に置かれ、管内には TE10 モードの電磁波が伝搬しているものとし、管内波長は λg〔m〕とする。また、λg/2〔m〕の間隔で交互に傾斜方向を変えてスロットがあけられているものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) yz 面に平行な管壁には z 軸に[ A ]な電流が流れており、スロットはこの電流の流れを妨げるので、電波を放射する。 (2) 管内における y 軸方向の電界分布は、λg/2〔m〕の間隔で反転しているので、管壁に流れる電流の方向も同じ間隔で反転している。交互に傾斜角の方向が変わるように開けられた各スロットから放射される電波の[ B ]の方向は、各スロットに垂直な方向となる。 (3) 隣り合う二つのスロットから放射された電波の電界をそれぞれ y 成分と z 成分に分解すると、[ C ]は互いに逆向きであるが、もう一方の成分は同じ向きになる。このため、[ C ]が打ち消され、もう一方の成分は加え合わされるので、偏波は[ D ]となる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 平行 電界 z 成分 水平偏波 2 平行 電界 y 成分 垂直偏波 3 平行 磁界 y 成分 垂直偏波 4 垂直 磁界 y 成分 水平偏波 5 垂直 電界 z 成分 垂直偏波
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB212)A-13(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
傾きを交互に変えて並べた細い切れ目から出る電波の偏波を追う。管内での電流の反転と切れ目の傾きの反転が重なって、縦の成分が打ち消され横の成分がそろう。
- 空欄 A: 平行
- TE10 では電界が縦(z)を向くので、縦に立った狭い側壁の内面には縦向きの電流が流れる。切れ目はこの電流を横切るように開けてあるので放射する。
- 空欄 B: 電界
- 細長い切れ目から出る電波は、切れ目の長手方向と直角の向きに電界を持つ。磁界は長手方向に沿う。
- 空欄 C: z 成分
- 隣の切れ目は傾きが逆で、しかも管内の電流の向きも反転している。2つの反転が重なると、縦の成分は向きが逆になり、横(y)の成分は同じ向きになる。
- 空欄 D: 水平偏波
- 残るのは管軸方向(y)の成分で、管は大地と平行に置かれているので、電界が大地と平行な水平偏波になる。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 切れ目に垂直なのは電界の向きである。磁界と取り違えた選択肢がある。
- 打ち消されるのは縦(z)の成分で、残る横(y)の成分が大地と平行なので水平偏波になる。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路管内波長・スロットアレーアンテナ・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数管内波長・導波管の伝送モード
- 給電線と整合回路導波管の伝送モード