一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第1回 B-4
要点(wavelane の要約): 標準大気で電波の通り道が上に凸に曲がる理由、球面の大地を平面として扱うための補正量に入る地球の量と、それを扱いやすい数へ直す式、勾配一定の分布の呼び名、勾配が逆になる層を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、マイクロ波(SHF)帯の電波の対流圏伝搬について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 標準大気において、大気の屈折率 n は地表からの高さとともに[ ア ]、標準大気中の電波通路は、送受信点間を結ぶ直線に対して上方に凸にわん曲する。 (2) 実際の大地は球面であるが、これを平面大地上の伝搬として等価的に取り扱うために、m = n+(h/R) で与えられる修正屈折率 m が定義されている。ここで、h〔m〕は地表からの高さ、R〔m〕は地球の[ イ ]である。m は 1 に極めて近い値で不便なので、修正屈折示数 M を用いる。M は、M = [ ウ ]×10^6 で与えられ、標準大気では地表からの高さとともに増加する。 (3) 標準大気の M 曲線は、図 1 に示すように勾配が一定の直線となる。この M 曲線の形を[ エ ]という。 (4) 大気中に温度などの[ オ ]層が生ずるとラジオダクトが発生し、電波がラジオダクトの中に閉じ込められて見通し距離より遠方まで伝搬することがある。このときの M 曲線は、図 2 に示すように、高さのある範囲で[ エ ]とは逆の勾配を持つ部分を生ずる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 接地形 2 逆転 3 減少するから 4 (m+1) 5 半径 6 増加するから 7 (m-1) 8 均一 9 等価半径 10 標準形
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB211)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 3/イ 5/ウ 7/エ 10/オ 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
標準大気で電波の通り道が曲がる理由、修正屈折率と修正屈折示数の定義、標準大気の M 曲線の呼び名、ラジオダクトを生む層を語群から選ぶ。
- ア: 解答 3(減少するから)
- 標準大気では高いところほど屈折率が小さい。電波は屈折率の大きい下側へ引き寄せられるので、送受を結ぶ直線より上へふくらんだ形で地球側へ曲がる。
- イ: 解答 5(半径)
- 修正屈折率の h/R の項は地球の丸みを屈折率へ繰り入れたもので、R は地球そのものの半径である。等価半径(kR)は屈折を地球の大きさへ繰り入れる別の扱いで、ここには入らない。
- ウ: 解答 7((m-1))
- m は1にごく近いので、1を引いて100万倍した数で表す。これが修正屈折示数 M である。1を足す形では値が約200万になり、扱いやすくする目的に合わない。
- エ: 解答 10(標準形)
- 標準大気では M が高さとともに一定の割合で増え、M 曲線は傾きが一定の直線になる。この形を標準形と呼ぶ。
- オ: 解答 2(逆転)
- 上空ほど温度が高いなど、通常とは逆の分布を持つ層ができると、その高さで M が減る向きに変わる。M の勾配が負の範囲で電波が閉じ込められ、ラジオダクトになる。
ア〜オの解答は 3・5・7・10・2 である。
つまずきやすい点
- 上方に凸にわん曲するのは屈折率が高さとともに減るからである。増えるとすると曲がる向きが逆になる。
- R は地球の半径、M は (m−1)×10⁶ である。等価半径や (m+1) と取り違えた語が語群に並ぶ。
理由から確かめる
- 伝搬の特論等価地球半径係数k・修正屈折率・修正屈折示数M・ラジオダクト・屈折率
- 電波の見通し距離等価地球半径係数k・修正屈折率・修正屈折示数M・屈折率
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)屈折率