一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第1回 B-3
要点(wavelane の要約): 終端に負荷をつないだ無損失の平行2線について、入力端の電圧と電流の式を与え、1/4波長と半波長の長さで見えるインピーダンス、周波数と長さから電気長を出して判断する場合、終端を開放・短絡したときの式を、記述ごとに正誤で答えさせる問題。
原文(公式問題文)
B-3 次の記述は、図に示すように、無損失の平行二線式給電線の終端から l〔m〕の距離にある入力端から負荷側を見たインピーダンス Z〔Ω〕について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。ただし、終端における電圧を Vr〔V〕、電流を Ir〔A〕、負荷インピーダンスを Zr〔Ω〕とし、無損失の平行二線式給電線の特性インピーダンスを Z0〔Ω〕、位相定数を β〔rad/m〕、波長を λ〔m〕とすれば、入力端における電圧 V と電流 I は、次式で表されるものとする。 V = Vr cos βl + jZ0Ir sin βl〔V〕 I = Ir cos βl + j(Vr/Z0) sin βl〔A〕 ア l = λ/4 のとき、Z は Zr と等しい。 イ l = λ/2 のとき、Z は Z0²/Zr と等しい。 ウ 周波数が 10〔MHz〕で l = 37.5〔m〕のとき、Z は Zr と等しい。 エ Zr = ∞(終端開放)のとき、Z は -jZ0 cot βl と表される。 オ Zr = 0(終端短絡)のとき、Z は jZ0 tan βl と表される。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB211)B-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 2/イ 2/ウ 2/エ 1/オ 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
負荷をつないだ無損失線路の入力インピーダンスを、電圧と電流の式から長さごとに読む問題。1/4波長で逆数の形、半波長で元に戻る、という周期性が分かれ目になる。
- ア: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。βl が π/2 になると余弦が零、正弦が1なので、V は jZ0Ir、I は jVr/Z0 だけが残る。比を取ると Z0²/Zr になり、負荷のインピーダンスとは一般に等しくない。これが1/4波長変成器の働きである。
- イ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。βl が π になると正弦が零、余弦が −1 なので、V と I はどちらも符号が反転するだけで、比は Vr/Ir=Zr のままである。半波長の線路は負荷をそのまま入力端へ写す。
- ウ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。10 MHz の波長は 30 m なので、37.5 m は 1.25 波長である。半波長ごとに同じ値へ戻るので、1/4波長と同じ Z0²/Zr になり、Zr とは等しくない。
- エ: 解答 1(正しい)
- 正しい。終端を開放すると電流 Ir が零なので、V は Vr cosβl、I は j(Vr/Z0)sinβl になる。比は Z0 cosβl/(j sinβl) で、1/j を −j と書けば −jZ0 cotβl になる。
- オ: 解答 1(正しい)
- 正しい。終端を短絡すると電圧 Vr が零なので、V は jZ0Ir sinβl、I は Ir cosβl になる。比は jZ0 tanβl である。
ア〜オの解答は 2・2・2・1・1 である。
つまずきやすい点
- 1/4波長は逆数の形(Z0²/Zr)、半波長は元に戻る(Zr)。2つを入れ替えた記述に注意する。
- 長さが波長の何倍かを先に計算する。半波長の整数倍を引いた残りで判断すればよい。