一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第1回 B-2
要点(wavelane の要約): 薄い基板の上に金属板を載せた平面アンテナについて、同軸の給電をどこの間へつなぐか、周縁の等価的な波源のうち放射に効く組、最大放射の向きの軸、基板の厚みと板の幅が帯域へ与える向きを語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-2 次の記述は、図に示す方形のマイクロストリップアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、給電は、同軸給電とする。 (1) 図1に示すように、地板上に波長に比べて十分に薄い誘電体を置き、その上に放射板を平行に密着して置いた構造であり、放射板の中央から少しずらした位置で放射板と[ ア ]の間に給電する。 (2) 放射板と地板間にある誘電体に生ずる電界は、電波の放射には寄与しないが、放射板の周縁部に生ずる漏れ電界は電波の放射に寄与する。放射板の長さ l〔m〕を誘電体内での電波の波長 λe〔m〕の 1/2 にすると共振する。 図2に示すように磁流 M1~M6〔V〕で表すと、磁流[ イ ]は相加されて放射に寄与するが、他は互いに相殺されて放射には寄与しない。 アンテナの指向性は、放射板から[ ウ ]軸の正の方向に最大放射方向がある単一指向性である。 (3) アンテナの入力インピーダンスは、放射板上の給電点の位置により変化する。また、その周波数特性は、厚さ h〔m〕が[ エ ]ほど、幅 w〔m〕が[ オ ]広帯域となる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 地板 2 M2 と M6 3 X 4 厚い 5 狭いほど 6 誘電体 7 M1 と M4 8 Z 9 薄い 10 広いほど
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB211)B-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 7/ウ 8/エ 4/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
薄い基板に載せた四角い放射板のアンテナで、同軸をどこへつなぐか、共振したときに放射へ効く周縁の磁流、最大放射の向き、厚さと幅が帯域へ与える影響を語群から選ぶ。
- ア: 解答 1(地板)
- 同軸の内部導体を放射板へ、外部導体を地板へつなぎ、放射板と地板の間に電圧をかける。誘電体は2枚の導体に挟まれた絶縁層で、給電の相手にはならない。
- イ: 解答 7(M1 と M4)
- 長さ l が誘電体内の半波長なので、長さ方向の両端の辺では漏れ電界の向きが逆になり、等価な磁流は同じ向きにそろって足し合わされる。この2辺が M1 と M4 である。幅の側の辺の磁流は辺の中で向きが逆になり打ち消し合う。
- ウ: 解答 8(Z)
- 放射に効く2本の磁流は同じ向きで間隔が狭いので、放射板の真上(地板に垂直な方向)で強め合う。地板が後ろを塞ぐので、上向きの単一指向性になる。
- エ: 解答 4(厚い)
- 誘電体が薄いと放射板と地板の間に蓄えられるエネルギーに比べて放射が小さく、共振が鋭くなって帯域が狭くなる。厚くすると共振が緩やかになり、広帯域になる。
- オ: 解答 10(広いほど)
- 幅を広くすると放射に効く辺が長くなり、放射しやすくなる。厚さを増したときと同じく共振が緩やかになるので、帯域は広がる。
ア〜オの解答は 1・7・8・4・10 である。
つまずきやすい点
- 向かい合う2辺なら足されるわけではない。共振する長さの両端の辺だけが同じ向きの磁流になる。
- 長さは共振周波数を決め、厚さと幅は帯域を決める。薄型にするほど帯域は狭くなる、というトレードオフになる。