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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和元年7月期 A-5

要点(wavelane の要約): パラボラを背中合わせにした給電しない中継点を挟む回線について、前半区間で受かる電力の式、中継点から再び出る電力、2区間を通した損失の掛け算、そして送受の利得を除いた伝搬損失の式を組合せで答えさせる問題。

FB107 A-55点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-5 次の記述は、図に示すように、パラボラアンテナを用いてマイクロ波無給電中継を行う場合の送受信点間の伝搬損失について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、各アンテナにおける給電系の損失は無視できるものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 送信アンテナの絶対利得を Gt(真数)、送信電力を Pt〔W〕、無給電中継点におけるパラボラアンテナ 1 の絶対利得を G1(真数)、送信点と無給電中継点間の自由空間伝搬損失を Γ1 とすれば、パラボラアンテナ 1 の受信有能電力 P1〔W〕は、次式となる。  P1 = [ A ] × Pt〔W〕  したがって、送信点と無給電中継点間の区間損失 L1 は、[ A ] の逆数で表せる。  同様にして、絶対利得 G2(真数)のパラボラアンテナ 2 から再放射された電力を P2〔W〕、無給電中継点と受信点間の自由空間伝搬損失を Γ2 とすれば、絶対利得 Gr(真数)の受信アンテナの受信有能電力 Pr〔W〕及び無給電中継点と受信点間の区間損失 L2 を求めることができる。 (2) 無給電中継の送受信点間の区間損失 Ltr は、Pt/Pr であり、P2 = [ B ]〔W〕であるから、Ltr は、次式で表される。  Ltr = [ C ] (3) (1)及び(2)より、Gt 及び Gr を含めないときの送受信点間の伝搬損失 Γ は、[ D ] となる。

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

A      B      C      D 1 GtG1/Γ1  P1     L1L2    Γ1Γ2/(G1G2) 2 GtG1/Γ1  P1     √(L1L2)  Γ1Γ2/(G1G2) 3 GtG1/Γ1  G2P1/G1  √(L1L2)  G1G2/(Γ1Γ2) 4 Γ1/(GtG1) G2P1/G1  √(L1L2)  G1G2/(Γ1Γ2) 5 Γ1/(GtG1) P1     L1L2    G1G2/(Γ1Γ2)

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): マイクロ波無給電中継の構成。左下の送信点の送信アンテナ(利得Gt、送信電力Pt)から、上の無給電中継点のパラボラアンテナ1(利得G1、受信電力P1)へ電波が届く。アンテナ1と背中合わせにつないだパラボラアンテナ2(利得G2、再放射電力P2)から、右下の受信点の受信アンテナ(利得Gr、受信電力Pr)へ電波が送られる。

出典: 令和元年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB107)A-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

正しい組合せの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 1

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

背中合わせの2面の反射鏡で折り返す中継で、区間ごとの損失を利得と自由空間損失で書き、全体の損失が2区間の積になることを追う。

空欄 A: GtG1/Γ1
受信有能電力は、送信電力に送受2つのアンテナの利得を掛け、自由空間損失で割った値になる。区間損失はその逆数なので、損失が分母に来る形が A に入る。損失を分子に置く候補は、区間損失そのものを書いてしまった形である。
空欄 B: P1
給電系の損失を無視しているので、アンテナ1で受けた電力はそのままアンテナ2から再放射される。利得の比を掛ける候補は、利得が電力を増やすと誤解したときの形で、受動の中継器は電力を増やさない。
空欄 C: L1L2
送信電力から受信電力までを、中継点での電力を挟んで2段に分けると、それぞれの比が区間損失である。全体の比はその積になる。平方根を取る理由はどこにも無い。
空欄 D: Γ1Γ2/(G1G2)
C の積を書き下すと、2つの自由空間損失の積を4つのアンテナの利得の積で割った形になる。送受信点の2つの利得を除くと、中継点の2面の利得だけが分母に残る。中継点の利得が大きいほど損失は小さくなる向きである。

この組合せになっているのは選択肢 1 である。

つまずきやすい点

  • 受動の中継では電力は増えない。再放射される電力は受けた電力と同じで、利得は放射の向きを集める働きとして区間損失の式の側に入る。
  • 損失の比は掛け算でつながる。デシベルなら足し算になり、平方根を取る場面は無い。
  • 全体の損失から中継点の利得を除いてはいけない。除くのは送信点と受信点のアンテナの利得だけである。
  • 自由空間伝搬損失アンテナ利得・自由空間基本伝送損・フリスの伝達公式・リンクバジェット(回線収支)
  • デシベルの基礎アンテナ利得・自由空間基本伝送損・フリスの伝達公式・リンクバジェット(回線収支)
  • 電界強度アンテナ利得・フリスの伝達公式